人気ブログランキング | 話題のタグを見る

本日の読了

とにかく、本を読んでいます。
本日の読了_a0094449_12404073.jpg

さすがドイツ!気圧で憂鬱になる質のヒトがいたり、頭痛の要因に気象(気圧)を挙げる国だけあって、お天気って重要な関心事なのですよね。
ドイツでは、「お皿に食べ物を残すと雨」「カラにしたら晴れ」というそうですね。
私のようにいても1ヶ月、というような者には、ドイツの食事は興味深いし、実を言えば「美味しくない」と思ったことはないのですが(単に、味音痴なだけかもしれないけれど)、長く彼の地で暮らせば、食べなれた日本料理が懐かしくなるし、ドイツの(レストランでの)料理が不味い、とか大味とおっしゃるのも納得できます。一方で、私が日本で生まれ育っていなかったら、日本の懐石料理を興味深く思うことはあっても、美味しいとは思わないかもね・・・とも思います。
私が子供のころは、子ども向けの食事は、日曜だったり、私や弟の誕生日であったり、終業式とか始業式といった学校の節目の日ぐらいでした。つまり、平日はオトナのメニュー。子供のころ、厚揚げやがんもどきの煮物が苦手だった私は、食卓で食べられなくなってしまい(戻しそうになった)、泣き出してしまったのですが、食事についてはキャラが鬼と化す母は、食べ残すことも泣くことも容赦せず・・・。私一人、食卓に残され完食させられた、と思い出があります。でも、いつしか好物になっているのですから、不思議なものですが。
だから、この小説の書き出しで、子供たちがお母さんが栄養を考えて新鮮な野菜を使って作ったレンズマメのピューレに文句をぐちぐち言います。豆料理ということも、そして、お母さんの薀蓄(栄養の話、食べられない子が世界にどれだけいることかなど)も同じで、妙に親近感が。

皿に残された食べ物の量で天気が決まる(日本だと、猫が顔を洗うと・・・ですね)という「観天望気」(こういう言い方をするのをはじめて知りました)を逆手にとって、天気管理ビジネスをおこなうお天気マフィアと、キライなものまで食べるのはイヤな子供たちで結成された「ウノメ・タカノメ探偵団」との知恵合戦。



もはや、温暖化への危惧感は世界的なトピックスになっています。
私が高校生の時に、物理の先生が、地球温暖化のことをかなり詳しく説明してくれたのですが、なんせバブルが弾け始めた頃のこと、先生が危惧していたことはすべて「技術が進んだ証、ワンダフル」みたいな宣伝であいまいにされていました。
危惧感から始まった国際会議も、なんというか民間レベルで、という感じだったし、政治に関心のある歌手や俳優が積極的に携わったこともあり、オシャレなアクションばかりが強調されていたわけでした。
けれども、いまや、この問題は、国家が世界的規模で関与しあう、そういう時代になりました。
うちの家人が、CO2排出権のことについて、あーだのこーだのと自論を展開してくれたことがありましたが、その際に「本当に環境を守る、というよりも、その名前をまやかしに使ったビジネスなんだよね」と。

そんな国家ビジネスへの危惧
(他者もかかわる)生活をよくすることを名目にした国民監視
強烈な自然志向への批判

そういうものを感じ、先日読んだ『幼女と喫煙』に通じるものがあると思いました。EUという共同体の理念と個人の信条の兼ね合いが、難しくなってきていることを感じます。

以下は私がプププとなったところとその時思ったこと。
「ウノメ・タカノメ探偵団」は、21世紀のTKKG(ドイツの児童文学 やっぱり4人組の子供たちが探偵になって問題解決をする)版。紅一点じゃなくて男女比は一緒。その辺も21世紀。それにしても、いつの時代だってこういうグループを作るのね。そして、日本だと、3人とか5人という奇数で子供たちはグループを作る作品が多いけれど(変身ものですら!)、ドイツはどうして4人なのかしら?
「「ネイビー犯罪捜査斑」のセリフなら「ヤツをもうちょっと泳がせておけ。(中略)、リロイ」となるところです。」(74頁)には大笑い。私が毎週楽しく見ているNCISがドイツでも放映されていて(というか、ドイツであたったアメリカのドラマは間違いなく日本にも入ってきている)、しかもリロイというのはボスであるギブスのことであり・・・。日本で注なしでNCISのことを書いてわかるのかな~?と思う一方で、ドイツの子供たちったらアレをみているのかしら?と思ったり。だって、コメディータッチとはいえ犯罪を扱うので子供が寝る時間に放映されているはずだし・・・。訳者の方たちはこのドラマをみたことあるのかな?
自分が体験学習にピッタリだとマフィアに訴える「ウノメ・タカノメ探偵団」員のマリ・クレールが、その理由として「父はウェザー・リポートのレコードを全部持ってます!」というところも・・・。懐かしいですね。ウェザー・リポート。
ドイツ通の方が読んだらもっと面白く、また、「なるほどー」という含みのある作品だと思います。

ちょうど読み終わった時、テレビでは気象予報を流していました。
そういえば、ZDF「Heute」が公共エイセイ放送(日本語通訳付き)で放映され始めた頃、今のような「カット版」ではなく(実を言えば、海外ドラマと同じぐらい海外ニュースのカットも腹立たしく思っている私です)、フルバージョンだったんです。で、天気まで紹介していたんです。
当時の日本では、今のようにアイドルっぽい「気象予報士」はいなかったものの「民放新人アナの最初のお仕事」という、番組構成の中では軽い扱いだった天気予報(公共放送は気象庁のヒトが説明してました)。アメリカ映画でも「お天気お姉さん」から「ニュースキャスター」へと転身する女性モノがありました。つまり、お天気を理解してではなく、あくまでも「台本」を読めばよかった時代に、ZDFでは天気解説者紹介として、例えば「東風 (気象学修士←理学修士だったかも、とにかくマギスターとあった)」という字幕をつけていたのです。人好きするようなオジさんが解説していた気が。
ひゃっ、ドイツの学位至上主義と思う一方で、「専門職」なんだ、と驚いたものです。

最近は公共放送でも天気予報にアニメキャラクターを使ったりするんですね。名前もついているそうな。なんかなー。私や家人は「気持ち悪い。天気予報ぐらい地味に普通にやってほしい」と言ってます。
Commented by sandonomeshi at 2010-01-21 20:47
フムフム、面白そう、この本。しかも上の表紙の写真であれっと思ったらやっぱりゾーヴァですね、挿絵は。読んでみようかな~。
それにしてもCO2排出権については私も「どうしてこういう発想になるかな~。」という気がしていましたし、エコビジネスも「なんだかね~。」と思ってますからご主人と話しが合うかも。是非ご意見を拝聴したいものです。
Commented by himekagura at 2010-01-22 11:40 x
子供の頃の食卓は、やっぱり同じく、食べ残しは許されなかったです。大の苦手だったキュウリとわかめの酢の物も、残していたら、無理矢理お箸で口に突っ込まれたりしましたよ、、。(今なら虐待??)
おかげさまでなんでも食べられる食いしん坊に育ってしまいましたが、、それって良かったのかな??
ということは、我が家近辺は毎日晴れ続きのはずなのに、、おかしいな~。
Commented by ふかふか at 2010-01-22 22:00 x
お久しぶりです!!今年もよろしくお願いします。この本面白そうですね。読んでみようと思います。

私は好き嫌いが多かったので、幼稚園のお弁当が大変でした。食べ終わらないと遊べなくって…。いつも居残り組みでした。私も母に「嫌いなものを入れないで!」とお願いしたり、居残り組みのことを話したりしませんでしたが、母も大人なものを入れるので結構戦いでしたね。懐かしいです。
Commented by eastwind-335 at 2010-01-23 12:59
sandoさん、こんにちは
とっても面白かったです。食べ物が美味しそうに描かれているというわけではないのですが・・・(笑)。社会風刺満載の寓話だと思います。数日たって、ああ、あのシーンは、ドイツで問題になっている犯罪時の情報提供に関係することだったのかな、とか。翻訳はそういう意味でとっても大変だったそうです。単純に日本語に置き換えるわけにもいかない内容を五月蝿い説明なしに訳す・・・。訳者の方大変だったでしょうね。
Commented by eastwind-335 at 2010-01-23 13:08
himekaguraさん、こんにちは。
いやなら残してもいい、という時代に育たなかった私たち。どこの御宅も手段は同じだったのですね(笑)。
何でも食べられる幸せを与えてくれた両親に感謝です!
食べ残しだけじゃなくて量を調整したり等々ウノメ・タカノメ探偵団のとった手段、himekaguraさん、面白く思われると思います。ぜひぜひ!
Commented by eastwind-335 at 2010-01-23 13:13
ふかふかさん、こんにちは。今年もどうぞよろしくお願いします。
そうそう、幼稚園でもお弁当が食べきれないと居残りでしたよね。私は食べるのが遅くて、食べられない子と一緒によく居残りさせられていました。
自分で(自分用ですが)お弁当を作るようになって、親もいろいろと考えていたんだろうなとは思うのですが、温かいとまだ食べられても冷めたらだめ、とか、お弁当独特のにおいとか、子供にはなかなかハードルが高いものが多かったのだろうと思います。ましてや、キャラ弁なんてなかったころですもんね!
ぜひぜひ、ご一読を!いや、別に何か料理したくなるという小説ではないのですが、大食いのゲルマンの人々の苦労を想起するような部分もあります。
Commented by akberlin at 2010-01-23 16:07 x
なんというか理詰めのドイツ人のようなうるさ型の母を言いくるめるなんて
ことは子供のワタシにはもうはじめから投げたくなるような面倒くささ。
母の出すものはまずくても鼻をつまんででも食べました・・・牛乳以外。
こればかりは今でも苦手ですが、ヨーグルトやチーズは食べてたので
まあ勘弁してもらってたというか。給食がつらかったです。小中通して
9年間。
ただ食い意地が張っていて結局は食べ物は残せない性質。うちの周りは
一年中晴れててしかるべき・・・です。

>長く彼の地で暮らせば、食べなれた日本料理が懐かしくなるし、
>ドイツの(レストランでの)料理が不味い、とか大味とおっしゃるのも
>納得できます。一方で、私が日本で生まれ育っていなかったら、
>日本の懐石料理を興味深く思うことはあっても、美味しいとは
>思わないかもね・・・とも思います。

そーなんですよ~。でもウチの相方なんぞは懐石とかでも彩りがいいと
おいしいと思うかは別として、食べるんです。私が煮物なんかをしても
見てくれが悪いと箸もつけませんが(--")。
Commented by eastwind-335 at 2010-01-28 21:37
akberlinさん、こんにちは
鼻をつまんで食べた・・・って、本当につまんでも大丈夫でした?
私、一度、それをやって、えらく叱られたことがあり・・(とほ)。
私も自分から積極的に牛乳を飲まないのです。そろそろ飲み始めたほうがいい、と医者からは勧められているのですが(笑)。akberlinさんはゴクゴク飲むタイプかと思っていました。
by eastwind-335 | 2010-01-21 16:58 | Books | Trackback | Comments(8)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


by eastwind-335