定年者の旅行記

 昨日、図書館へ本を借りに行ってきました。私が希望していた本は他館に配架されていることがわかり、取り寄せに。家人に頼まれた本を探したついでに、定年退職者(男性)のニューヨーク1ヶ月滞在記も借りました。
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 出張やツアーでの海外旅行はあっても、海外一人旅は初めての(初老の)男性。
 なんと日本で発売されているニューヨーク関連のガイドブック、地図、会話集合計13冊を買い、読み、メモを作り、インターネットで格安滞在型ホテルも見つけ、準備万端で出発したはずなのに・・・・・。
 特に文章が上手いというわけではないのですが、逆に、その、あまりにも手の加わっていない文章ゆえに、時々は笑い、時々は涙をちょっと浮かべながら読みました。

 この方、ホテルの予約はファックスで、しかも日本語でできた。案内によれば、緊急時には日本語で対応する、日本語の雑誌や新聞がある、ということで、すごく期待をしていたようです。しかし、そのホテルのフロントには日本語ができる人はいない。エレベータは裏側を使えといわれたり、日本語を話すのは掃除に来ている女性(しかも、日本人が多く宿泊するからということで雇用された)しかいなくて、彼女から安いほうのバウチャーだからホテルで朝食を食べられないことを伝えられたり、当てにしていた通信用のファックスマシンはない、とか、ビジネスセンターに行ってもデジカメで撮った写真をCDに落とすことができるようなパソコンもない・・・、食生活の頼りの綱、アメリカから日本に導入されたんだから絶対にあるはずだ、と思っていたのにない「コンビニ」。と究極の「ないない」尽くしのホテル生活が始まります。そんな最中、風邪をひいてしまったり、日本で国際キャッシュカードを作り、おろせるはずの「都市バンク」に行ったところ、日本の銀行がくれたマニュアル通りにいかない。スーパーのATMでようやくマニュアル通りにできた、というくだりには、ああ、大変だっただろうなあ・・・と。
 そういった、「ないない」とどうやって折り合いをつけていくのか、という点を読むだけでも、興味深い内容を含む本。面白かったのは、この人がスーパーでヨーグルトを見つけたときの話。「正統なギリシャのヨーグルト」と容器に書いてあったのだとか。ヨーグルトといえばブルガリアだと思っていたので不思議な気がした、と。そうだったでしょうねえ、と思いつつ、絶対に粘り気のあったヨーグルトだったに違いないはずなのに、なんでそのコト書かないんだろう、と家人と残念がってみたり(笑)。

 帰国までスッタモンダがあったようで(しかし、いくら小さかろうと刃物を手荷物にいれたっていうのは、この人の経歴を考えると、えーっと・・・)、本当に合計13冊の本を買って読んだのかしらねえ、と首を傾げたくなるようなところもありましたが、ただ、最後にそうかも!といいたくなる話が。
「ガイドブックは入国のことばかり書いていて、帰国時のことはほとんど書いていない」
 いや、まあ、入国のところ(ガイドブックの一番初めは大抵がそうですよね)にJFKのターミナル他の説明があるから、それをよく読めばわかる気もするのですが、この方みたいに「本」から入ると、目次と時系列が一致しがちで、つまり、帰国は一番最後だから、そうなると最後のところに書いてある「帰国」だけしか目に入らなくなっちゃうかもしれません。

 著者と同世代であるうちの母も還暦を数年すぎてNYへ三週間の語学研修に行ってます。一番最初に入った寮はYMCAだったので、ここに出ているような感想をチラと述べていました。母世代にはアメリカといえば憧れの国。なのに、ようやく行った先は大都市なのに日本よりちょっくら不便。母が読んだら「そうなのよ!」を連発しそう。観光案内というよりも、やっぱり体験記。NYに限らず、一人旅体験がある人が読むと頷けるところがあると思います。
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by eastwind-335 | 2009-07-06 08:24 | Books | Trackback | Comments(0)

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