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ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル

今回の旅行先であるブータンは、34年前まで鎖国をしていました。
ブータンの国立図書館顧問として8年間をすごされた今枝由郎氏の『ブータンに魅せられて』(岩波新書)によれば、その年の第四代国王即位式に招待された国賓20数名のために用意した乗用車(当時、空港がなかったのでインド国境から入国)、宿泊施設の再利用手段として、観光事業を始めたそうです。

ということで、「本来の来賓接待に支障の出ない範囲で」がこの国の観光事業の長年のスタンスでした。同じ本のなかには「来賓としてのもてなしを建前とした観光」という表現もあります。いまだに年間入国者数に制限を設け、個人客は認めない、独特の観光政策をとってきたのも、そのスタンスがあってこそ。
開国当時は陸路のみしか入国手段がなかったこの国にも、空港ができ、ホテルが増えたとしても、「観光で儲けよう」という発想がかなりの間ありませんでした(現在は外貨獲得第二位の手段となってます)。また、どの国から来ても一日220ドルを宿泊・国内移動費・3食代およびガイド料を含めた費用として旅行代理店に支払う必要があります。これはホテルでもテントでも同じ金額。しかも、外国人はどのホテルでも泊まれるわけではありません。なので、一日220ドルに対し不満を持ち、いわゆる現地の人向けのホテルに「安くしたいから」といって泊まることはできません。

私は、入国者数を制限しつつ外貨獲得も目的としている現状では、220ドルっていうのは適正だと思うんですけれどもね。グループの中には「この程度で2万円っていうのはねー」という感想をお持ちの方もいたようです。

あ、地元のホテルが快適と思えない方、別料金(グループ同行者の一人に言わせば、1日10万円だとか?!)を払えば、チョー高級チェーンリゾートホテルグループ「A」(アルファベットのみにしておきます)が皆様をお待ちしています。このグループは海沿いだけでは満足できなくなり、最近は高地にまで進出し、ブータンにも「地元のホテルが快適といえないから、このホテルを作って、より多くの人にこの国を知ってもらいたい」という趣旨で5ヶ所にホテル(すべてエアコンつき!)を作ってます。それにくすぐられたのか、この1年で30代女子向けや中年小金持ちオジさん向けなど複数の雑誌でもこの国とAリゾートホテルの特集が取り上げられてますね。

聡明な国王が許した理由って何かな。私に想像できるのは、国民の雇用促進ということぐらい・・・。同じ目的で、ネパールにホテルを作った人を知っているので。






まあ、浦島太郎のように驚くことが多かった今回の旅行。しょっぱなからビックリでした。ブータンへはバンコクからダッカ経由で入国します。ダッカで半分ぐらいの客が降りてしまうんですよ。で同じ数ぐらい乗ってくる。
前回は揺れる、汚い、落ち着かないのネガティブ3兄弟のようなドゥルックエアの飛行機(一説によれば軍用機のエンジンを4つつけて飛ばしていたとか)だったのが、

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_13552294.jpgうわー、飛行機が大きくなっている


ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_1357395.jpg内装もキレイで座り心地がよく、「揺れない」飛行機になっている!

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_1356295.jpg機内食が出た!それどころか、トレーに入ってる!美味しくなっている!
以前は紙箱にはいったサンドイッチ(何だかグジュっとしてました)とリンゴ1個、ジュース1箱のボックスが渡されただけですが、今回は他社に負けない内容です!
奥のカップケーキは、クリスマス仕様。赤や緑の飾りつきです!

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_13594768.jpgおまけに軽食まで!
チキンバーガーでしたよ。まあ、タイ製ですけれども。



ブータンの唯一の空港であるパロ空港。8年ほど前に新しいターミナルができました。

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_14242471.jpg歴代ブータン国王(右端が5代目。その隣が来日時に日本女子をドキリとさせたらしい第四代)
って、遠すぎて、見えないですね。まあ、似たような写真はアチコチにありましたので、おいおい・・・。

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_1482446.jpg以前は人間が機内から降りるころ荷物が機体そばに置いてあって自分で税関まで荷物を持っていき、それからイミグレーションだったように記憶していますが。今はイミグレが先。そして、な、なんと!ちゃんとターンテーブルつきの「動く」バゲージクレームが!



これらの近代化は、昨年2007年は現王朝100周年、今年、2008年10月は第五代国王の即位式と、国家行事が続き、一挙に進んだ国内の観光インフラ整備の一環かもしれません。
9年前の彼の地の空港やホテル、レストランのトイレは水洗でしたが、使用した紙は屑箱へ捨てるように、と言われていました。まあ、一人ぐらいが日本の癖で流すのにはどうにか対応できそうだけれど、多分三人目あたりから詰まっちゃうんじゃないかな、と思える水量の水洗トイレでした。それ以外の場所ではボットン式でしたので、今回もそれを覚悟していたのですが、ボットン式を体験することなく旅程終了。いや、水洗トイレでも、横にあるはずと見回しても屑籠なし・・・・。トイレに付き物の虫がブーンブーンと飛んでいることもなし・・・。

それどころか、もっと驚きだったのが、ホテルのバスタブに大きなお湯用のタンク(ギザ)が備え付けになっていたこと!(ああ、写真を撮り忘れたのが悔やまれる!)。バスタブについているカランのタブを左右に倒すことで蛇口またはシャワーの切り替えができるけれど、なかなか動かない。しかもシャワーが二種類!(頭上・ホースつき)。ようやくカランが動き、頭上のシャワーに切り替わった頃には、ぬるかったお湯が熱湯に!水の蛇口を開いても湯音が下がず、お湯用の蛇口を閉めたくても蛇口がとても熱くて素手で触れない。水の蛇口をひねるものの、一向に頭上についているシャワーからの熱湯が止まらずという状況となり、慌てて飛び出して服を着てフロントへ電話をかけたもの数名(含、自分)。

前はお湯は早いもの勝ちみたいな感じだったのに。

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_14191449.jpgこのホテルも9年ぶり。ガラスの向こうに見えるのは首都ティンプーの街。

ナメサメ(とっても)龍の国(1)一日220ドル_a0094449_14342043.jpg
なぜか一人部屋なのにベッド2つ、簡易ベッド1つ、応接セット、勉強机ライティングデスク付きのとてつもなく広い部屋が割り当てられていました(もっと狭い人もいました)。暖房は足元におく暖房機だけだったので、夜は9年前と同じくとっても寒かったです・・・。ユニクロのヒートテック、助かりましたよ!
by eastwind-335 | 2008-12-29 12:59 | 旅の思い出08龍の国 | Trackback | Comments(0)

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