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翻訳ミステリー

いま、このブログの運営主であるExciteでは女子の本棚という企画をやってます。
人の本棚というのは、その人の頭の中を見るようなもの。自分自身を覗かれるような気がするからやだ、という人もいます。私はどうかなあ。整理がついていたら、趣味で読む本については写真でオープンにしちゃうかも。

そうしたら、昨日、nyfさんもブログの中でご自身の本棚の一部を紹介なさってました。私も揃えているシャーロット・マクラウドがあって、嬉しかったです!

前にも書いたと思いますが、私は、アーロン・エルキンズ、D.E.ウェストレイク、マイケル・ボンド。そしてポール・ギャリコは絶対に買う作家。作家が亡くなってしまったので、もうこれ以上増えないという点では、シャーロット・マクラウド。P.ギャリコも亡くなっているけれど、絶版だったものや新訳とかが出るので、これはちょっとずつ増えてます。
昔はもっと色々な作家のものを買っていましたけれど、シリーズで読み始めて、最初はまあまあだったのに、だんだん、終わりどころを失ってダレてしまうものがよくある。そういうのは、あるとき思い切って処分してしまいました。当時、ご主人が病院勤務だった年長の知り合いの方が、入院患者さんの図書室におきたいとおっしゃってくださったので、渡りに船のようにお願いしてしまいました。その方が亡くなられてからは、古本屋に躊躇せず持って行きます。というか、「なるべく」買わないようにしてます。
さてさて、翻訳あとがきには「この作家には、こんなのも、あんなのも、そんなのもありまーす。この本は第一作じゃありませーん」なんて紹介していることがあります。シリーズものっていうのは、登場人物の成長(老化?)もまた趣の一つであるはずなので、私個人としては、頭から訳して欲しいと思いますが、出版社の論理としては、アメリカなりイギリスで賞をもらった作品から訳すのは仕方ないんでしょうね。売れなくちゃこまりますから。
アーロン・エルキンズのスケルトン探偵シリーズは、第一作はなんとハイデルベルクが舞台(アメリカ軍が駐留しているそうですね)。これはミステリーといえないとかで、ハヤカワさんは絶対に訳さない。原著はアマゾンでも長らく絶版だったのですが、2年前にアメリカに行った時、偶然、本屋で平積み(再販されていたのかも)だったので、迷わず買ってそれっきりです・・・(汗)。それでも、英語はなんとか読めるから(読む気になったら)いいけれど。
先日、古本屋を覗いていたらアンドレア・カミッレーリの「モンタルバーノ警部:おやつ泥棒」が出てました。実は、私、彼の「モンタルバーノ警部:悲しきバイオリン」を持っていたのでした。奥付を見ると、「悲しきバイオリン」のあとに出版されたようです。300円だったので購入し、電車の中で読み始めました。正直言って、「悲しきバイオリン」はいまひとつピンとこない作品だったのですが、「おやつ泥棒」は面白い。2日かけて通勤電車の中で読んだのですが、最後、ウッとくるものがあり、目に涙が。東京駅の雑踏の中を目をバチバチさせて乗り換えのホームへ移動しました。
翻訳ミステリー_a0094449_18175944.jpgさて、翻訳者のあとがきを読むと、イタリアでは「おやつ泥棒」のほうが先の出版だとか。そこで、もう一度「悲しきバイオリン」を読み直すことに。あの時は何がなんだかわからなくて、つまらない、と思ったことも、群像劇の中の人間関係がはっきりすると、「ああ、あの時の話のこのセリフはこういうことだったのね・・・」と。これまた読者にとってのミステリーなわけで・・・。
そうなると、うーん。あのですね。たくさんの作品を出している作家のようなので、「おやつ泥棒」以前も「悲しきバイオリン」以後も読みたくなるんですよねー。
しかし、イタリア語。私がしっているのは「ミ・キ・アーモ」か「プロント」、「グラッツエ」「スクージ」ぐらいです。原著は一生ムリだなあ。イタリア文学者のこの人が訳してくれたらいいのになあ。私が出版社に勤めていたら、絶対に企画して実行させる。売れる、この作家は!シリーズ全部が出たら、だけれども。
ここの出版社は、正直言って海外小説に力を入れているところではないし・・・・。時々、出版社が変わることってあるので、できれば、早川とか東京創元社に丁寧に訳してもらいたいなと思うのですけれど、特にハヤカワは最近はやりのロマンス物に力を入れるという宣言を月刊誌でやっちゃったから・・・。いや、これだって、ロマンスありますよ、私からすれば、こういう大人の2人の静かな心の揺れだって十分ロマンスなんですけれどもーっ!それとも、世間でいうロマンスって、何ページかに一度は一緒にお布団に入らなくちゃいけないんでしょうか・・・。

最近、本屋で、面白そうな翻訳小説が目に付きます。ああ、12月はじめのビッグイベントが無事に終了したら、図書館に飛び込むぞー!
あ、ちがった。「ホタテ道」(@akberlinさん)本が先だった・・・。1節読んだら何かスタンプ押して自分を励まそうかな・・・。
Commented by nyf1403 at 2007-11-12 20:08 x
マクラウドが亡くなったのは本当に残念です。セーラとマックスコンビをもっと読みたかったです。私は結果がわかっていても推理小説、気に入ったら何回も読み返すんですが、最近「水のなかの何か」(シャンディ教授)を読んで、お腹がすきました。あれは空腹時にはいけまsねん。

モンタルバーノ警部もの、これ、こっちで手に取ったこと有るんですが、結局買わなかったです。こちらではDonna Leonがわりと読まれていて、なぜか、ドイツのテレビがドイツ人俳優でドイツ語でベニスでロケしてますよ。
そうそう、ハヤカワ・・ちょっと最近・・です。日本人推理ものに力をいれている東京創元社はいいですね。
「灯台」読みましたよ。ダルグリッシュに幸せになってほしいです。
Commented by akberlin at 2007-11-13 06:35 x
残念ながら探偵推理ものを読む趣味がほとんど育たず、でした。
中学生の頃にはアガサ・クリスティーを読んだりしたのですが。
この20年くらいの間によんだのって・・・。フレデリック・
フォーサイスの短編集が一冊くらい?でもなー、ドイツ語でご本は
まだ読めましぇん・・・うさラムたんにドイツごを習いたいわ〜。
Commented by nyf1403 at 2007-11-13 06:59 x
>akberlinさん、Ingrid NollのDer Hahn ist totを強く、お薦めします。10年以上前の作品ですが、彼女の中ではベストです。これなら、絶対、読み通せます。実は、私が読了した最初のドイツ語本なの。
Commented by penguinophile at 2007-11-13 19:59
横レス失礼。akberlinさん、ドイツ語の本はまだ挑戦してないだけで、読めないワケじゃないですよね!?お願い、そうだと言って・・・でないと先が長過ぎて勉強しても悲しくなるから・・・(爆)

nyfさんお勧めの本、メモっておきます。まだまだ絵本レベルのワタクシですが、いつか挑戦するその日のために!
ミステリーって先が気になるから、慣れない言語でも挑戦しやすいように思うので。

東風さんやnyfさんの記事を読んでいると、「あー、まだまだ未読の作家さんがいっぱーい!」と嬉しいような気が焦るような(笑)
Commented by himekagura at 2007-11-13 23:45 x
このシリーズ、未読です。なんか『おやつ泥棒』ってタイトルだけですごく惹かれます。
私も、翻訳物ミステリーって、できればなるべく一作目から順番に訳して欲しいなあと思うのですが。
Commented at 2007-11-14 00:07
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nyf1403 at 2007-11-14 00:45
横レスです、母ペンさん、これは本当にお薦めです、日本語でも出ているようですが、是非、原語ドイツ語で読んでください!最後、うるうるっと来ます。
私は、今、シューマン時代のドイツ語に挑戦するかどうか・・デス。本は手元にすでにあるんですけどにゃ。

himekaguraさんの「一作目から順番に」に一票!
Commented by greenagain at 2007-11-14 04:02
おお、面白そうな本がたくさーん!
私は作家が死んだのを契機に読み始め、嗚呼惜しい人を亡くしたと嘆くパターンが多いです(←遅い!)
女子の本棚って、本の背表紙を紹介する以前に本棚と「その周辺」を撮影すること自体、恐ろしいんですけど。とても観るに耐えるビジュアルでは(以下略)。
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:06 x
akberlinさん、こんにちは。
推理小説、面白いですよー(とオススメ)。フォーサイス、私は未読です。
チェックしておきます。
ほんと、ああいう先生がいたら・・・、私もがんばるんですけれどねー。
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:08 x
nyfさん、こんにちは、モンタルバーノ警部モノってドイツ語でも訳されているんですね!イタリアじゃとっても売れているそうだし、テレビドラマ化されているそうです。
Ingrid NollのDer Hahn ist tot、気になります!
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:10 x
penguinophileさん、こんにちは。
これから絵本、児童書、大人の本と子ペンちゃんの成長にあわせていろんな本が読めそうですね!ドイツ語、絵本でも、辞書を引いて読む私ですが、ドイツへ旅行したら必ず1冊は買います。ステキな挿絵のものも多いし・・・。
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:11 x
himekaguraさん、こんにちは。
おやつ泥棒、タイトルほど甘い話じゃないのですが、オススメです。
この2冊、いかにも南イタリアのガッチリ系の食事のメニューがよく出てきます。その部分を拾い読みするだけでも価値があるような気がします。
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:21 x
鍵コメ00:17さん、こんにちは。
ミステリーを読み終わると、頭の中のごちゃごちゃがすっきりします。
社会性に欠けた、でも仕事はきっちりできる主人公のものをつい
つい読んでしまう私ですが、気分的にもKopf hoch!って感じに
なるので、いいですよ。
そちらでオススメされている例のあれもさっそく読みました。そのうち、
upしようと思います。
Commented by 東風 at 2007-11-14 06:24 x
greenagainさん、こんにちは。
作家の死によって読み始める、それはそれでその作家の再生ですよねー。
本棚、その周りをうつさないようにして・・・。アングルに気を遣いますねー。ま、12月になって大掃除をしてからカナと思います。
Commented by akberlin2 at 2007-11-14 07:32
ペンさま〜、いや、実はドイツ語の試験のむつかしいのに
挑戦しようとしたら「本を読め」って課題図書があって、
それを眺めてたら・・・爆睡・笑。しかも相方が「どれどれ」
って持ってちゃって翌日「ハー、面白かった。推理ものだよ、
これ」って。・・・それっきりです・・・。
でもナタリーしゃんおススメの、挑戦してみようかな。
熱帯雨林さんに相談してみよう・・・。

ペンさま、私は字を追うことは出来るのですが、頭の中に
文字の羅列がまだイメージとなって浮かび上がってくるに
至らないのです。それはひとえに日頃、相方を怒鳴り散らし
たりしてスピーキングばかりにかまけていた結果とも思われ
ますが・・・やっぱり字を読む練習しなくちゃな・・・。

東風さん、また面白いのご紹介ください。
いつかは精進します(←いつか、とは厳しく追及しないで・・・。)
Commented by nyf1403 at 2007-11-14 20:29
NollのDer Hahn ist totはいいです。彼女の作品は他にも数冊読みましたが、Apothekerinも悪くなかった。でも、Der Hahn--には勝てませんね。ハイデルベルグが舞台になっていますよ。

akberlinさま、話して聴いて・・というのはドイツ産と一緒に暮らしているとそこそこに上達していきますよね。でも、読んだり書いたりは、自分からやらないとストップしちゃいます。読むことへの苦労は少なく(なくなったとは言えない悲しさ)なったのですが、書くのがねー、今でもきらい。ドイツ語教師が同居しているんで必ず添削、赤ペンいれさせています。
みんな一緒にがんばりましょう。

東風さん、ちょうどよいです、そろそろクリスマスの送付品を、と考えておりましたんで・・。あ、すぐ忘れましょうね、この文章。
Commented by penguinophile at 2007-11-15 01:50
ますます横ヨコで失礼。

そっかー、字は追えるけどイメージにならない状態だと、読めるけど読んでも楽しくないからついつい敬遠しちゃいそうですね。いやー、先は長いわ(苦笑)。ドイツ産夫を活用し、話す&聴くもそこそこ上達したいもんです。

読むことへの苦労は一生なくならない気がしますが、楽しみが苦しみを上回るようになれれば私は嬉しい。ナタリーさんお勧めの本もいつか必ず!(←いつか、とは厳しく追及しないで・・・その2)

はい、レベルはそれぞれだけど、みんな一緒にがんばりましょう~(^^)。
Commented by 東風 at 2007-11-15 04:59 x
akberlinさん、こんにちは。
うわー、課題図書がある試験なんて・・・。ドイツのミステリーって、日本に紹介(翻訳)されたものに限ったら、真正面からの社会派ばかり。私はさっそく枕にしてしまいそうです。
ホタテ本&CDが枕にならないようにしなくては・・・(汗)。
Commented by 東風 at 2007-11-15 05:03 x
nyfさん、こんにちは。
読む、書くって、本当に大変ですよね。職場には外国からの採用の人もいるのですが、読み書きは本当にタイヘンそうです。特に、書くものは、必ずネイティブチェックを誰かが入れます。二人以上でチェックするので、先に引き受けるほうは「やだなー、自分の日本語力を試されているようで・・・」とつい身構えてしまいます。
えーっと、それでお話、なんでしたっけ?(と忘れたことをご報告)。
Commented by 東風 at 2007-11-15 05:06 x
penguinophileさん、こんにちは。
英語の本を読まれるのですから、私からしたら尊敬そのものです!数ページ進んだままでそのままになっているエルキンズの未訳本の背表紙をみて反省してます。
penguinophileさんのご紹介の絵本、という日も近そうですね!楽しみにしています!
by eastwind-335 | 2007-11-12 18:18 | Books | Trackback | Comments(20)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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