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Groenemeyer ブンガクの翻訳本の解説に登場

*改題して、ちょっと書き直しました*
Leonce und Lenaの作者であるゲオルク・ビューヒナーの全集を借りてきました。
夭折したからか、それほど作品があるわけでなし、ということで、予想していたよりは薄い本でした。でも背表紙4センチはありますけれど・・・。

この、「レオンスとレーナ」モラトリアム真っ最中のポポー国王子レオンスとその許婚ピピー国王女夢見る夢子ちゃんなレーナの結婚式前夜の夢物語とでもいうような喜劇、と言っていいのかな(Popo、Pipiともに幼児語のようですね・・・)。
王子は理想の花嫁を、王女は理想の花婿を求めていて、会ったことのない許婚との結婚に気が進まずにいたことに気付いた介添えの手引きで、二人はそれぞれ結婚式が催されるポポー国から逃げ出します。
その道中、偶然にもお互いの身分を明かすことなくレオンスはレーナに出会い、「この人こそ自分の理想」とわかります。レーナもレオンスに心ひかれるものの、彼のキスにびっくりして逃げ出してしまいます。
レオンスは身分違いでもナンデモ良い、とにかくあの女性と結婚したいと思い、介添えであるヴァレーリオに結婚できたら国務大臣に引き立てると・・・。どうなる、この二人?!という感じでしょうか。







さてさて、この全集は実は2度目の出版だそうで、2006年にでた版(私が借りてきた本)には、最近のゲオルク・ビューヒナー作品への評価なども出ています。解説はドイツ演劇研究の第一人者の岩淵達治氏。私、学生のころ、彼が字幕をつけた「ファウスト」を見に行ったことがあります。

この本の504頁には、2003年に上演された「レオンスとレーナ」に関する記事が出てきます。
どうも、このアルバムの元は、アメリカ人演出家であるロバート・ウィルソンがこの作品をミュージカルとして上演したもののようです。この作品について岩淵氏は、
「かつてのスター歌手グレーネ・マイヤーと、現在人気のあるマルクス・マイヤーを使って興行的には成功を収めた。(中略)ポップ、ロック調のグレーネ・マイヤーのソングは私は聞いていないが、私の考えるビューヒナーの現代性とは相容れないような気がする。」
と。

岩淵センセー、そうなんですか。もう一人、実際にご覧になった日本人の評が劇評専門誌に出ているようです。これも同じようなものかな。中央図書館だったらこの雑誌も見られるようなので、機会を見て読んでみたいと思います。センセーにとっては、ブレヒトが作り彼の劇場だったベルリンアンサンブルにGronemeyerが係わったことにご不満なのかな。

CDのキャスト一覧を見ると、この芝居にはGroenemeyerは「Erzahler(語り手)」として出演したようです。私が持っているCDは「GroenemeyerのCDで、レオンスとレーナ以外の歌はほとんど収録されていません。上演をそのまま録音したようには思えず、Groenemeyerの説明部分が長い、まあ、朗読CDみたいな印象をうけたせいでしょうか、解説を読んだときにちょっとびっくりしました。舞台の写真を見る限り、斬新な演出になっていたようです。映像も見たいなー・・・。時代を20世紀初頭にしたようで、彼はキャバレー音楽のようなものも取り入れているようでしたが・・・。ゲオルク・ビューヒナーの作品は高校生ぐらいでも勉強するそうなので(日本で芝居のことを国語で勉強したからしらん)、特定のイメージを壊す演出だったのかな、と。セリフにでもでてくる「自動人形(全集では「ロボット」とし、ロボットがチャペックの造語であることを注で説明してました)」が全体のイメージにあるように写真では見受けました。

それより、ですね。岩淵センセー、グレーネマイヤーではありません、グレーネマイヤーですよー。それとも、主役「レオンス」王子を演じたマルクス・マイヤーにひっぱられちゃった、かな?
ちょっと残念だったのは、「かつての」大スターとGroenemeyerのことを書いてあったこと。今も大スターだと思うのだけれど。ま、そんなところまで目に付いたのは私ぐらいかな。学者さんなのだから、もう少し調べて書いてもらえるとよかったのにな。自分の周りの学生さんに聞けば(私の知り合いの息子さんも大学時代この先生のクラスを受講していたそうです)、Groenemeyerのこと、もう少し正しく書いてもらえただろうな、と思いました。

この先生、WM06の開会式を見たとしても、アンセムを歌うGroenemeyerがあのグレーネ・マイヤーだとは思わなかっただろうな、きっと。このCDも聞いてないだろうな。

それよりも、私、こんなカタい本にどうであれグルーネメイヤーの名前が出てきたことにびっくり。電車で読んでいたのですが、「おおーっ!」と心の中で声をあげてしまいました。これが最初で最後かな・・・?
Commented by akberlin at 2007-08-10 03:34 x
グルーネマイアをつかまえて「過去のヒト」よばわりとは!失敬ですなぁ。
つい最近も新アルバムを出したばっかり、スタジアムコンサートツアーが
完売する人気だというのに!
つーかカタカナ表記、グ「レ」ーネ・マイヤーですか?
Gränemaier・・・違うような気が・・・。
いや、ドイツ語の出来るセンセイではなくドイツ語のアヤシい
編集、出版のヒトのせいでしょうか・・・。
Commented by eastwind-335 at 2007-08-11 08:47
akberlinさん、こんにちは。
そうなんですよ、「過去の人」。まだ本が手元にあったのでカタカナ表記も確かめましたが、「レ」でした。でも、私にとって一番ショックだったのは、・(ナカグロ)ですよー。センセーっ!という気分でした。ま、独文ガクシャさんたちはGroenemeyerの活動(指パッチン)も知らないだろうし。実は、アテネ五輪を記念して出したCD(東芝EMI)にもGreonemeyerが収録されているんですけれど、なんと「俳優」と紹介されていたんです。で、私、生まれて初めてでしたけれど、会社にそういう説明はおかしいんじゃないでしょうか、とメールを出したことがあります。ああ、若かったな、私。ってたった3年前のことですけれども・・・。先方から返事が来ましたが、「イギリスのEMIからの資料にそう書いてあったので」と責任逃れな内容で残念でした。「ネットで調べればすぐに公式HPがでてきます」とURLを送った、そんな夏もありました・・・。
Commented by akberlin at 2007-08-11 22:21
英国でも「俳優」扱いかぁ・・・。ああ、グルーネマイア、今は
ロンドン住まいらしいのに・・・。でもドイツ語で歌っている以上、
イギリスでの音楽の売り上げは望めないでしょうしね。
そういえばUボートをやってたんですよ、テレビで。
グルーネマイアって言って、あの少尉だか中尉だか大尉だかを
やった人ね、っていうくらいの認識しかない非ドイツ語圏人は
多いんでしょうなぁ。
Commented by 東風 at 2007-08-12 07:15 x
ここ数作はドイツ語だけですが、Herbieは一時英語バージョンも出して、アメリカのMTVでは「ヨーロッパ代表」として何かのアウォードにも出たんです!でも売り上げは良くないでしょうね、やっぱり。
私も周囲には「Uボートに従軍記者の役で出ていた」と言って説明をしていますが、男子はわかるけど女子はダメですねー。
by eastwind-335 | 2007-08-03 22:52 | Musik | Trackback | Comments(4)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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