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バーナビー警部シリーズ

最近、Tsutayaの会員になり、週に1本何かを見るという生活を始めました。
最初は映画なども借りたのですが、先週からは、バーナビー警部シリーズ(Midsomer Murders)を見ることに。
これは、衛星放送でも放映されていたそうです。

私は原作は読んだことがないのです。わりとシリーズ物は読んでいたのに・・・と思い、ググってみました。キャロライン・グレアム(1931年生まれ)の作品で、イギリスでは今なお、シリーズ作品が発表されている(6作)そうですが、日本ではまだ2冊しか翻訳されていないそうです。

ドラマシリーズ第一作は、「謎のアナベラ」(Bentley Production製作、1997年)
主人公であるバーナビー警部、その部下であるトロイ巡査部長をはじめとするレギュラーについて特に説明をすることなくドラマは始まるので、作品を見ながら、彼らの性格などを判断するしかないのですが、バーナビーは比較的ものわかりのよい、常識人である警部であり、トロイはバーナビーに尊敬の気持ちをもつ若い(しかし下っ端ではない)私服警官であるように描かれています。また、トロイは、スーツの中に必ずネクタイの色の映えるシャツを着ている洒落者であり、バーナビーに比べると現代的な発想も持ち合わせていることを服装から示しているようです。



あらすじ
平和なバードガー村で、隣人と珍しい蘭をみつける競争をしていた元教師の老婦人が殺害された。彼女が「かわいそうなアナベラ」という言葉を市民電話相談室のカウンセラーに残したことがきっかけで、捜査にあたったバーナビーとトロイは、2年前に起きたアナベラの殺人事件を洗いなおすことになる。村の複雑な人間関係を前に、二人の捜査はなかなか前進しなかった。
バーナビー宅では、愛娘が休暇で帰宅しており、大学の演劇サークルで「あわれ彼女は娼婦」(ジョン・フォード作)の主役を演じる娘の台詞相手を頼まれるものの、捜査に時間がとられてしまう。
そんななか、村では、覗き見によって村内の複雑な人間関係の秘密を握る母子が殺害される。
バーナビーとトロイが犯人として逮捕した女性は、2年前に殺害されたアナベラの実妹であった。姉殺害を認めるものの、本当の犯人は、別にいたのである・・・。

バーナビーと妻、そして娘の団欒のシーンでは、彼の家族への愛情が深く伝わってきます。妻は彼の仕事を理解しており、彼の様子で事件解決への展開をうかがい知り、心をこめて彼を支えているのです。

この殺人事件が解決し、バーナビー夫妻は娘の舞台を観劇します。そのとき娘の台詞「かわいそうなアナベラ」で、亡くなった老婦人が見たものを知るのです。

ジョン・フォードはシェークスピアと同時代人であり、エリザベス朝を代表する演劇家の一人です。「あわれ彼女は娼婦」は、この夏、蜷川幸雄の演出で上演されています。

なお、「ミステリーマガジン2003年5月号」(図書館でリサイクル資料として放出されたのをもらってありました。イギリスミステリー特集号だったもので)の松下洋子氏の記事によると、グレアムの作品は「一見するとミス・マープル的なイギリスの田園を描いているように見えるが、実は今のカントリーライフが抱えるさまざまな問題を扱っている」とイアン・ランキンが指摘しているそうです。また、原作はテレビ作品とは異なり、ほとんどブラックに近いユーモアで描かれているそうです。
by eastwind-335 | 2006-11-06 21:17 | DVD | Trackback | Comments(0)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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