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日はまた昇る!(11)お出迎え

*夏休みの思い出の記録です。連休最終日の今日、東京駅でたくさんの「リュック」を背負った人たちと行きかい、夏のあの日々が終わったことがまだまだ実感できない自分に気が付きました。とはいえ、振り返らずにはいられない。早く記録を仕上げなくちゃ、と思ってます*

バイヨンヌへの車中、だんだんとお隣の人と親しくなってきました。といっても、別に話をして盛り上がる、というわけでもないのですが。ただ、通じ合っているなあ、ってひしひしと感じるというか。フランス語、少しでもかじっておけばよかった、と残念に思っているうちに、TGVは遅れることなくバイヨンヌへ到着。1時間近く、時間を潰す必要があります。とりあえず、みんなの流れに従って、階段をおり、向かいのホームに併設されている待合室へ移動することに。

すると、なんだかズンチャ♪ズンチャというラッパ隊に加えて、力強いリズム隊の演奏が車内にまで聞こえてきます。車窓から見えた風景はこんな感じ。右側にリズム隊がいます。
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それだけではありません!私たちが降りたホームに降りる人が多いのもわかってますけれど、なんだか、ある一角だけ、単なる乗降という感じがしないのです。
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ヨーロッパの駅のホームは、日本と違って「入場券」なんぞは立ち入るのには不要なので、お見送りだのお出迎えだのという人たちが多いのは経験的に知っていました。
お見送りなのか、お迎えなのか、とにかく、みんなが興奮した感じ。ふつう旗までもっては来ないでしょう?
抱擁をかわす人たちの間に小さな男性がいることに気づきました。彼が主役なのかしら?
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私たちが向かおうとしていたホームにはもっとたくさんの人たちが!

何が起きているのかしら?人の流れに乗りながら階段に向かって歩いていると、ふと見えたのが、小さな男性。
どうもこの人が主役みたい。

この前のツールドフランスの優勝とか入賞者がこの街から出たのかしら?それとも、私が知らないスポーツの世界大会での優勝者とか?
それとも、俳優なのかしら?とにかく「熱烈歓迎!」って感じなのです。
え?またまた映画撮影のところに行き当たっちゃった?これ仕込み?
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気になるものの、私は、隣に座っていた女性に「ほら、行くわよ」と顎で向かいのホームを示されてので、ついていきます。どうも、次の列車は向こうのホームで待つべきらしい。

あんまり小さな男性だったので私たちと一緒に移動してきたのがわからなかったのだけど、しばらくすると、駅舎入口に近いホームに移動してきた。
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移った側のホームでは、なんと民族舞踊まで始まっていた。
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す、すごい!「私、すぐにそっちに行くから、先に行っていて」と待合室に入らずに急いで「現場」に戻ります(笑)。どこにいるかわからないかもしれませんが、この下の写真の中央あたりにいます。ホントに小柄な男性なのです。
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で、「何をしているんですか?」と突撃質問開始!
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しかし、みんな、首をふるか、英語ではない言葉でまくしたてるばかり。英語できる人はいませんか?というと、首を横に振る。
彼は誰ですか?ぐらいフランス語で尋ねられたらよかったのですが・・・。と、突然、「ケ、け?だ!」とある人の腕を引っ張って、知りたい相手を指さして「ケ?」と言ってみた。すると「ポリティカ」という。
え?あの自転車選手がポリティカ?
こちらの「?」マーク面を見かねたのか「こいつ、英語できるから」といわんばかりに「イングリッシュ、イングリッシュ」という人が現れました。
で、「何のお祭りですか?あの人は誰ですか?」というと「お祭りじゃない」という。で、よくよく聞きだしてようやくわかったのですが・・・。

ムショ帰りの政治家のお出迎えだった!

「俺たちはフレンチバスクだ。中央政府とは仲が悪い。彼はいい人なのに、逮捕された。長い事ここにいなかった。今日彼は帰ってきた。俺たちはフレンチバスクだ。だからダンスや音楽で彼を迎えるんだ。嬉しいよ」

写真じゃわかりづらいと思いますが、白いシャツを着ている人(この白シャツに赤いカマーバンドはバスクの伝統的な服装であると、後から知りました)、その後ろのレンガ色のTシャツを着た人たちは、伝統音楽に乗ってジャンプしたりしながら踊っています。写真は飛び上がっているところです。
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いまは沈静化されているのか、日本のメディアが取り上げないだけなのか、スペインのバスク地方の独立問題は知っていましたが(だいたい、2000年になるぐらいまでは「テロ」といったら、バスク独立戦線の十八番だったように思うんですが・・・)、フレンチバスクも中央政府と仲が悪いんですか・・・。
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本当はビデオでとりたかったほどでしたが、人だかりのなかで、しかも慣れない土地で、カメラをずっと向けてるのは失礼だろうし、スリに遭っちゃったりするとなんだし、と写真を数枚とって、待合室に戻りました。しっかし、相当愛されてる政治家なのだろうな、と思います。お祭り騒ぎでしたからね!

もう少し、いろいろなことをおたずねしたかったなあ。やっぱり訪問先の言葉ができるとトクよねえ、と思いながら待合室へ戻ります。


by eastwind-335 | 2017-10-09 21:48 | 旅の思い出17ヤコブの道 | Trackback | Comments(0)

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