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すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする

今回向かうのは、州立図書館。

見たい本が閲覧可能、とわかったので。日本の国会図書館は年齢制限はあっても国籍制限はなし。外国に暮らす外国人の方でも利用可能なのですが、ドイツの場合はどうなんだろう?
地図に拠れば、Unter den Linden沿いにあるらしい。
すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_1456784.jpgあら、親切だわ。というか、unter den Lindenの工事はいつ終わるのかしらん・・・と思いながら左折。

すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_14573470.jpg先ほどの屋根付き通路は建築現場の真ん前だからできたものなのね~。
あ、地図だとここが図書館のはずなのに・・・。
新しい館を増築中?

あれ?まだまだ?
すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_1458687.jpgどこで曲がるのかな~。工事現場のおじちゃんに尋ねたら、次を左折だよって。

私が観光局で1ユーロで買った地図は2012年―13年用。その時にはまだ工事中じゃなかったのかな?いや、最新情報はネットでチェックしなくちゃいけないわけで・・・。

晴れてる日だったので楽しい散歩でしたが、寒かったらちょっと凹んじゃったかも(笑)。
と左折すると見えてきましたよ!
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思えば、私って、案外いろんな国の図書館に行ってるんですよね~。ガイコク語ニガテなくせに・・・(笑)。

ライプチッヒでも
シカゴ(アメリカ)でも
ソウル(韓国)でも
ブリュッセル(ベルギー)でも
ロンドン(イギリス)でも
カウナス(リトアニア)でも

そして、ベルリン。
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すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_15335758.jpg扉は割と普通

すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_15343432.jpg閲覧室への扉
ま、このあたりは、どの国でもある、知への道の入口なのですが・・・

白を基調とした受付で入館証作りの申請を行います。
申請は身分証明としてパスポートが必要。また、1か月、1年といった期間を選ぶことになりますが、入館カードを有料で発行してもらいます。なんと顔写真付。えーっと、そんなことになるとは思わなかったワタクシ、一瞬のうちにコンピュータについているカメラで撮影。おばちゃんに渡されたカードを見て「あのう、作り直してもらえないでしょうか?」とお願いする始末。
当然、おばちゃんに「はい?名前、間違ってないでしょ?」と軽くいなされておしまい(号泣)。
私は1か月(12ユーロ)を選択。これを高いと思うかどうかは人によると思いますが、私はタダで使わせてもらうには申し訳ないなあ、と思うサービスだったと思うので、決して高いとは思いません。1年だとホント安いと思う。
閲覧室の司書さんに、見たい本について相談。開架にあるのでご自由にどうぞ、とのこと。本は3階に配架されていることも親切に教えてくれました。
すべて時には理由がある10:知は私たちを幸せにする_a0094449_1556287.jpgドキドキ、ワクワク。

3階まで上がって思わず声が出そうに!とても贅沢な作りなんですよ!自然光を取り込むのが本当に上手。
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回廊のようにめぐらされている書架の向こうは個人用の閲覧机が並んでます(写真でもちょっと写ってますね)。一つ一つの机が大きくて、何冊かの本を広げたりパソコンを置いて調べものをすることができます。
天井のオブジェがこれまたステキなのです!
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後ほど、知り合いに伺ったところ、旧東ドイツ時代の国立図書館をそのまま使っていたところ、最近、改装して最新の設備になったのだそうです。
日本も国立競技場を改築するんじゃなくて、図書館を先に改築したほうが・・・(ごほん、ごほん)。
学生さんたち(だろうと思う)が一生懸命調べものをしている中に混じって、私も見たかった本を開きます。
撮影はしませんでしたが、日本では考えられないことをこの図書館で体験しました。
その一つが水の持ち込み。ドイツの図書館って、水(栓がちゃんとついているものに入っていることが大前提だけど)は持ち込み可なのです!
だから、みんな、手を休めては足元においてある水をグイっと飲む。
日本でも最近、利用者数を増やしたい地方の図書館では飲食OKになってるところがあるらしいけど。
個人的には私は図書館の本を読むときは、飲食をしないようにしている(こぼすといけないので)。ドイツではどうなんだろう?何かルールがあるのかな?
もう一つはコピーの取り方。
頁をめくるうちに、本の一部をコピーしたいと思いました。国会図書館だとコピーは館員(バイト)が取るけど、ここはどうなのかな?
そこで、再び1階にある大閲覧室の司書さんのところへ。すると、ここは貴重書以外はセルフコピーなのだと。
コピーコーナーに相談に行くと、カードにコピー代をチャージしたら簡単にコピーできるんですって!
しかも、紙にコピーするだけでなく、PDF化してUSBにも落とせると!
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あー、USBを日本から持って来たら良かった!
しかも、日本の国会図書館と違って(著作権法の保護の違い?)1冊コピーも可能らしい。いわゆる「自炊」可ってことですよね。私は1冊まるごとの必要はなかったのですが、ちょっと胸が痛む思いでコピーをPDF化しました。
利用証発行が有料だったのは、こういう権利に使うことになってるのかな?とフト思ったり(←本当かはわかりませんけど)。
このコピーサービスの方がこれまた親切で!ちょっと愛想がないタイプのようでしたが、慣れるまで、何度となく「すみませーん」と声をかけると、すぐに「どうした?」とやってきてくれました。
終わったので「ありがとうございました、さようなら~」とあいさつしたら「またな!(Tschuess!)」と。さっぱりしたものです。

日本の国会図書館は、利用が済んでロッカールームに向かう時、ゲートにアルバイトさんが何人も立っていて「お疲れ様でした」ってお辞儀をしながら口ぐちに言うんです。私はそれが本当にイヤで。
昔はああいうこと言わなかったのにな。
「図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律に規定する図書館奉仕を提供する」(国会図書館HPより)ですから、日本国民である私はこの図書館からしたら「更に」つまり「おついで」の存在なのだろうと思うけど、自分が調べたい事のために来たのに、見知らぬ人に「お疲れ様でした」って言われると「別に、疲れちゃない」と言いたくなる天邪鬼です。
あの「お疲れ様」がコンビニやファストフードの「〇〇でよろしかったでしょうか?」と同じぐらい「ウヘッ」と来るのは私だけでしょうか・・。

小説の読書と違って、何かを調べるということは、自分のこれまで蓄積してきたものを一度遠くに追いやって客観的に自分をみつめながら、右往左往/試行錯誤しながら求めるものへと近づこうとすること。またそれを一度遠くへ追いやりつつも、また近づき、さらに誰かとつながっていくこと。近づく距離は少しずつの時もあれば、至近距離まで一気にということもある。決して楽勝ではない。1ミリでも近づけた時の喜びともっと近づきたいのにそうそう簡単にはいかない苦しさは年齢も性別も国籍も超えて共有できる不思議な体験の一つ。

みんな調べるテーマはそれぞれだろうと思うけど、隣り合う人たちはこの右往左往・試行錯誤の作業に取り組んでいる仲間なんだな、と妙な一体感を覚えました。

用事がすんだら、次の場所へ移動しなければならなかったので、あまり探検ができませんでしたが、座りやすい椅子があったり、いいなあ、ここ!と思うことしきり。
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また、いつか来たいです!次は工事中のところもオープンになっていることを期待して!
by eastwind-335 | 2014-04-16 06:19 | 旅の思い出14春のドイツ | Trackback | Comments(0)

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