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久しぶりに読書

本の形をしたものは毎日1冊は手に取り、数十ページは読む毎日ですが、それは仕事に使う資料。
ということで、なかなか「読書」ができない毎日です。

が、先週から立て続けに「読書」のための本を手にする機会が到来!

暮れに、そろそろ、石井桃子さんの新しいエッセーが出そうだなあ~と楽天booksで検索をかけたら、1月に『プーとわたし』発売されると。彼女の創作の一つ『山のトムさん』がヒットしました。
成人の日前に買ったものの、その時は岩波新書の『本はこれから』が面白く、また仕事の本が優先となってしまい、ようやく先週の半ばの通勤時にページを開きました。
河出書房新社で出ていた2冊のエッセー集で、彼女が戦後、東北で開拓を手掛けたことは知っていました。ネコや犬と彼女のかかわりも読んでいたので、「トムさん」の背景を頭に入れての読書です。子供の頃じゃなくて、今読むことになったのは、理由があるのかも、と思いながらページをめくりました。

読み終わった日は21日。翌日、本屋さんでKunelを買いました。いつもはKunelから送られてくるニュースレターメールを読むのですが、送られてくるメルアドはダイレクトメール用のもの。だから、時々チェックをしない日が続くこともあります。この時もチェックし忘れていて、本屋でKunelを手に取ったら、石井桃子さんの開拓の日々を取り上げていることがわかりました。

「うわあ~桃づいている!」1人嬉しくなります。
kunelでは、かならずそれぞれのコーナーの文章を誰が書いたかがわかるようになっています。これは鈴木るみこさん。何歳ぐらいの方なのかな?たぶん、私と同じ年代かそれ以上なのではないか?と思う。そして、読書が好きで、石井さんの翻訳でやっぱり大きくなった仲間。だって「その名前とは知らぬ間に親しくなった。/愉快な本にはたいがい「桃」の字がついているという幼い認識のはじまりは『ノンちゃん雲に乗る』だったか。(以下略 『kunel』66号18ページ)」という書き出しで始める方なんですもん!紙面を通してですが、この鈴木さんに親近感を覚えました。その文章の中に、3冊目のエッセーのことが触れられていました。

それから、エッセーにはあまり出てこない、石井さんのお友達のお嬢さん節子さんのことも。このお嬢さんの語る「桃おばあ」つまり「私たちの知らない石井桃子」が今回の特集だったのです。「山のトムさん」にでてくるトシちゃんは節子さん。あの本は創作だけど(本ですからね!)、でも、書かれていることは作り話ではなく、真実なのだ、ということを。

エッセー2冊、『山のトムさん』、そしてこのKunelの特集をもって、創作者としての石井桃子さんが一層身近になりました。

でも、鈴木さんの文章には、私の疑問「どうして、河出から石井さんのエッセーが出るのか?どんな意図をもってエッセーを出したのか?」への解決の糸口はありませんでした。こんなこと、考えるのは、私だけかな?

お!買い忘れてた!肝心のエッセー3冊目を!ちょうど、駅ビルではポイント倍だしDayが近いのでそれまでグっと待ち、先週金曜日に本屋さんへ。行儀悪いけど上から2冊ぐらいはずして、裏表紙に爪の後とかのないかを確認して買いました。電車に座り、大切にページをめくろうとしたとき、指が本の上の部分にあたりました。

デコボコしてる。
本の底の部分はひっかかりなくキレイに切断されているのに。

この河出のエッセー集は、綴じが安っぽい、と指摘しているブログを目にしたことがあります。普通の本と綴じ方が違うのです。前にも書きましたが、何度か読んだらバラバラになってしまいそう、と思ってます。私はその時は自分が持っていた2冊の切り口が、まあまあ普通(!)だったので、あまり気にせず、何か理由があっての作りなんだろうな、と思うことにしました。

ギザギザな切り口の今回の本を購入したことに気づいた時、これは落丁になるんだろうか?いやいや、自分がもっているこれまでの2冊だって気が付かなかっただけで(私は本の上部を持つことはないので)、こういうギザギザも含めて「デザイン」なんだろうと思いながら帰宅したのです。

しかし、底のようにキレイに切りそろえられてるとは言い難いですが、今回ほどひどくはない。

これを落丁と本屋に返すべきなのでしょうか。
すごく残念に思えてなりません。なぜなら、石井さんは生活を丁寧にしていたことがわかるエッセー集だから。
そして、三度思うことになりました。
どうして、河出書房新社はこの本を出したのだろう?と。

一方で、「私もそんなに器用でないから、こういう本もあってもいいんじゃないのかしら?」と石井さんだったらいうのかな、と思っている自分にも気が付きました。プーが切ったらこんな感じじゃない?と。

うーん。この3冊目のエッセーも面白いだけに、本当に本当に残念。編集は女性の方のようだけど気づいているでしょうか?
編集と本の装丁は違うってことなんでしょうかね・・・。

はてさて、取り替えてもらうべきかどうなのか。ということで、途中でページを閉じたままになってます。出版社に直接問い合わせてみようかなあ~。
Commented by olive oyle at 2014-01-27 21:19 x
山のトムさん、懐かしい!
幼い時に家にありました。
大雪が降って「ハクガイガイですな」という文章があったような気がしますがあ、いかがでしょう?
Commented by eastwind-335 at 2014-01-28 06:15
olive oyleさん、おはようございます!
『山のトムさん』面白いですよね~。石井さんのことだから、方言や言い回しを丁寧に採取して書いたんだろうなあと思いました。

>大雪が降って「ハクガイガイですな」という文章があったような気がします
そうなんです!そのことも書こうと思っていたのに忘れてupしてしまいました。私、最初「ハクガイガイ?」と、その意味が解らず、手元の小さな辞書を引いたのですが、ひっかからず・・・。
で、日本国語大辞典をひいたらちゃんとありました!
東京では味わえない風景と、空気の冷たさを表現する言葉に出会った東京育ちの「アキラさん」のような気持ちになりました。
平易な表現が多い児童書とはいえ、辞書を引くような言葉が織り込まれているところも、石井さんらしいですよね。『ノンちゃん』もそんなだったような・・・。
彼女が開拓に関わっていたことは、実はエッセー集を読むまで知らなかったのですが、こういう幅の広い体験があの日本語につながっていくんですね。
Commented by tejisekki at 2014-01-29 22:31
本のお話、嬉しいです。
私は読書を始めるのが遅かったのと
韓国に住むようになったので、限られた時間の中で
自分好みの本を選びきれずに戻ってきてしまうことが多いんです^^;

なので本の趣味の合う父のおさがりを帰るたびに持ち帰って読んでます。
お返事にどんなもの読んでるのか聞いてくださったので・・・
最近読んでたのはカルロス・ルイス・サフォンの「風の影」、「天使のゲーム」
デイビッド・ベニオフの「卵をめぐる祖父の戦争」です。
3作品とも大戦中、後の時代のものだったので
自分の知らないこと、忘れてることの多さに嫌になり
もっと本が読みたいとうずうずしてます。

石井桃子さん、今度の帰省の際に探してみます^^
Commented by eastwind-335 at 2014-02-01 16:27
tejiさん、こんにちは!
お父様の本の趣味があって、うらやましいです!ウチの父親は会社員時代はほとんど本を読んでなかったので・・・・。でも、『氷点』ほか何冊かは父の本棚から抜き出したものでした。なぜか福永武彦なんかもあったなあ・・。
ご紹介くださった3冊は私はまだ読んだことがないのですが、ベニオフの『卵をめぐる祖父の戦争』は書評でも好評でしたし、新しくなったハヤカワポケミスの第一号だったかでしたよね!私も借りて読んでみます!
本を読んで楽しいのは、知らないことを知るだけでなく、そこを埋めるためにまた本を手に取ろうと思う前向きな気持ちになれることです。あと、年齢も性差も関係なく話ができるし、自分を過去へ現在へと移動させることもできることでしょうか。
『ノンちゃん雲に乗る』は母の勧めで読んだ本ですが、母の妹である叔母ももちろん読んでいて、映画化された話をおしえてくれたのは叔母でした。
石井さんの本、ぜひぜひ、帰省の際に探してみてくださいね。
by eastwind-335 | 2014-01-27 18:50 | Books | Trackback | Comments(4)

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