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瀕死の鑑賞

今日、家人と一緒にバレエを観てきました。
ワタクシはバレエについては自分から観にいく、というよりは誰かに誘われて、というパターンなので、ご贔屓筋がなく、思いいれのある演目があるわけでもなく、バレエそのものを見られたらいい、と思っているダメダメ鑑賞者です。
今回も、出張先の旧ソ連邦で生まれて初めてバレエを観て、日本でも旧ソ連邦のバレエ団が来たら一度観たいと思っていた家人が誘ってくれたので行きました。ワタクシはあまり平日夜にお楽しみをいれることはしないのですが、まあ、家内安全ってことで。
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この日の演目は「白鳥の湖」。演じるは、ウクライナのキエフバレエ団。場所は職場ちかくの公共の文化会館。都心からは離れたところにありますので、破格のチケット設定。そして、ご近所さんが集まる、ということで、普段着でOK。華やかさがない分(休憩の時は菓子パンをくしゃくしゃ)、観客は最寄駅から会場までバス(210円)か15分歩いて、という、庶民のお楽しみと言う感じです。

さて、この王道ともいうべき演目、長らくワタクシは食わず嫌いな感じがありました。しかし、数年前に実際に見る機会に恵まれ、なかなかステキなシーンもあり、哀しみが伝わってきたのでした。王子は誰だった?どこのバレエ団だったのだろう。バレエフェスのダイジェスト版?とにかく、瀕死の白鳥っていうのもよくわかりましたよ。

で、今回もそういう感じかな、と思ったらですね、えー?えー?えー?
王子はまるでトシちゃんみたいだし(踊りはまあまあだけれど←家人、大ウケ)表情を含め演技が下手。
滞空時間は短いし・・・(こちらは夫婦で意見が一致)。
オデット姫は肩に妙に筋肉がついていて・・・。王子よりなんか目立っちゃって、オディールじゃなくても王子を手玉に取っちゃいそう?
そして、この演目は二つのパターンがあるのだけれど、最後はめでたしめでたし版。

実は第一幕(70分)の終わりの方、つまり、ジークフリートがオデットと出会い恋に落ちるシーンのあたりから、何か覚えがなくなり・・・。ふと意識が戻ったら、チラとロットバルト(悪魔)が。1幕目のカーテンコールにいたので「これから出るんじゃないのかしら?最後にチラと出たぐらいでしょう?、変ね。人気のあるダンサーなのかしら」と家人に言ったら「あなたが気絶している間、この黒いヒトは何度も踊っていました」と言われてしまいました。
ありゃりゃ・・・。
名誉のために申しそえますが、その後はずーっと見ていたんです!けれど、ほら、湖のシーンは薄暗さが増すし、聞きなれた音楽「ちゃー、ちゃらちゃら、ちゃーらちゃーら、ちゃーらちゃらちゃらら~」だし。

まあ、ワタクシは以前から、このバレエは王子やオデット姫ではなく、ロットバルトこそが舞台の本当の主役と思ってましたので、ついついそっちに関心が向いていました・・・。
うーん、王子よりロットバルトのほうが映えるダンサーだったと思いますが、かといって、うわーっうわっ!というドキドキわくわく感はなく・・・・。多分、ロットバルトのイメージからすると、足が細すぎるんでしょう・・・。
群舞はデカいお姉さん、小さいおねえさんと世間さまざま。大きなお姉さんほど手足が長くさらに指先、足先まで神経が行き届いていて、大鵬のように見える方もいましたが・・・が、羽ばたくシーンなど、さすがだし、肘から下の動きとか、うわーっ!と本当に白鳥が羽ばたくような感じでした。
昨日のオデット姫はこのような群舞をバックにすると、オーラがまったくまったくなくなってしまい、「あれ、主役はどこ?」と思った私たち夫婦でございました。オペラグラスを使って頭の飾りをみて「ああ、あの人だ」とわかる・・・。
私が一番えーー?そりゃないでしょう?と思ったのはカーテンコール。上演が終わったと同時に席を立つ人たちがいたのも事実ですが(お年寄りで早く帰宅したかったのでしょう)、普通カーテンコールって3幕目に出たダンサーだけでなくて、2部にも出ていた男性ダンサー(群舞)たちだって出てくるんじゃないのかなあ?
つまんなーい!日本人ダンサーも一人出ていて(正式団員 ソリスト)、彼にも拍手したかったのに。
翌日は一日フリー、木曜からは地方巡業という日程だからでしょうかね。なんか「おついで公演」って感じだな、と思いながら劇場を後にしました。いや、バレエを観たというのは楽しかったけれど、すごーくよかった!という雰囲気を感じられなかったなあ。ブーって言ってもよかったのかもね。

旧ソ連系のバレエ団、今月から来月にかけてたくさんに来日しているんですよねー。どれがなんだかわからなくなりそうなほど、昔のバレエ団の名前とは違うし、似たような名前で営業するからわけがわからなくなっちゃいます。
知り合いの知り合い、ぐらいのおつきあいなのですが、バレエ評論をしている方がいて、先日も説明していただいたものの、さて、自分が観にいくバレエ団はえーっと?みたいな覚えの悪いワタクシ。
多分、ワタクシの頭のなかで、旧ソ連邦の地図が描けないからこういうことになるのだろうなあ・・・(汗)。
年明けはレニングラードバレエ団。昔は東京文化劇場で高いお金を払ってみたところと同じバレエ団かな?また、ご教示いただかなくちゃ!

あ、次の演目は「眠れる森の美女」。
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家人より「眠れる森のヨメ」にならないように、と釘を刺されていますが、一日必死に仕事をして、仕事帰りに走って会場に向かって、席に着いて、温かいお部屋で心地よい音楽を聴いたら、寝ちゃうのも仕方ない気がするのだけれど・・・(笑)。
Commented by shizuka at 2009-12-02 15:46 x
 「白鳥の湖」にいらっしゃったんですね!こういう超有名な演目ほど、演者の技量が恐ろしいほど出てしまいますよねぇ。
 私は小さいときモスクワにいたこともあって、その頃からかなり見ています。最近はもっぱらオペラで、財布の事情もあってなかなかバレエまで手が廻りませんが…(^_^;)
 現在「レニングラード」を名乗っているのは「レニングラード国立バレエ」で、ソ連時代の「レニングラードバレエ」は今は「マリインスキーバレエ」と称されています(ややこし…(>_<)。こちらは以前はモスクワのボリショイバレエと双璧で世界の最高峰でした。ソ連崩壊後は経済的事情もあってか、優秀なソリストが世界中に散らばってしまった感もありますが、それでも超一流レベルを保っています。機会がありましたら、次はぜひこちらのバレエ団を。
 私は「眠り…」の中では青い鳥のパ・ド・ドゥが一番好きです。お見逃しなく。思えばン十年前、ミハイル・バリシニコフの青い鳥に一目惚れしたっけ…(遠い目)
Commented by toramutti at 2009-12-02 19:27
「眠れる森の美女」はシュトットガルトのジョン・クランコの演出が一番好きかなぁ。って、比べられるほど見ていませんけど。
バレエかオペラのどっちか、と言われたらオペラを断然選んじゃいますから、なかなか観劇の機会がない、というか、逃しているんでしょうねぇ。
Commented by sandonomeshi at 2009-12-02 22:13
日本で「レニングラード国立バレエ団」と呼んでいるのは、ロシアで「ムソルグスキー」或いは「ミハイロフスキー」と言う劇場のバレエ団のことです。どうして日本では「レニングラード」なのか???ですが・・・。
このムソルグスキー・バレエ団はご当地ではマリインスキー・バレエ団に次ぐレベルと言われていますが、その差はバレエ素人の私にも歴然としていました。このバレエ団の”眠れる森の美女”は見ていませんが、多分マウリス・プティパの振り付け或いはそのアレンジでしょう。”白鳥の湖”とはまた全く違った世界です。他の方もおっしゃってますが”青い鳥”も含め結婚式に駆けつけた童話の主人公達のパ・ド・ドゥがかわいくて素敵です。
ちなみに”白鳥の・・・”はボリショイでもマリインスキーでも、そしてベルリンのウンター・デン・リンデンでも見ましたが、見事にいずれも途中が抜けてる(寝てたとも言う・・・。><;)私です。他のレパートリーではないことなのですが・・・。
Commented by eastwind-335 at 2009-12-03 12:02
sizukaさん、こんにちは
家人が初めてみたバレエ団がまさしく「マリインスキー」でして、もうこれは言葉に出来ない思いがあるようです。
そして夏はボリショイを。
これらを見ちゃうと旧ソ連系であとは何をみるべきなのか、という気分になるのですけれど・・・。
今回は衣装がよかったねーと言ってました(コラコラ)。
眠れる森の美女の見所を教えていただきありがとうございます!楽しみ楽しみ。はっ、寝ないようにしなくては!
Commented by eastwind-335 at 2009-12-03 12:08
虎ママさん、こんにちは。
バレエもですが、オペラも久しく行っていないことに気付きました。あれもこれも行くというのはお財布に大変ですが、シーズンに一つずつぐらい行く時間的な余裕は必要だなあと思いました。まずは興行に気付く、という余裕が必要ですね。
Commented by eastwind-335 at 2009-12-03 12:12
sandoさん、こんにちは。
そうそう、バレエ評論家さんがムソルグスキーだとかミハイロフスキーとか言ってました。私は即座に「なんとか好きー」と脳内変換していたのですが。
そう、本当にシロウトでも差がわかるときってありますよね。今回のは、別に悪いというわけではなかったけれど、ひょっとしたら「外国巡業組」なのかな、とフト思ってしまったのですが・・・。
sandoさんも白鳥の途中が抜けていると伺い、ホッとしてます。いやあ、本当に不覚でした。
by eastwind-335 | 2009-12-01 23:54 | 日常 | Trackback | Comments(6)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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