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くいきゃん!りーほー!臺北!5:法律の壁

再びやってきました!
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今回の旅行の目的はコレ

くいきゃん!りーほー!臺北!5:法律の壁_a0094449_1619105.jpg雨が降っている朝でした

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故宮で「雍正帝展」を見ることです。ある旅行サイトで、美術「館」や博物「館」などに「詰」めて(行って)貴重な展示物に触れることで、知的好奇心を満たす旅を望む男子と女子を「館詰系」と称する造語が紹介されていました。私は知的というよりも単に物見遊山に好奇心だけを満たしてますが、私の周りのフットワークが軽い人たちは本格的な「館詰」が多いかも。
さて、今回の展示は、北京の故宮からも雍正帝関連の物品を借り出すことができた、という、歴史的なものです。写真を撮ることは禁じられていますので、一生懸命メモをして忘れないようにしなくては(笑)。

この企画、故宮の歴史を考えると、感慨深いものが両国の関係者の間にはあった様子。台湾の法律では北京からもものを借り受けることができるそうですが、中華人民共和国側では法律のために台湾の故宮のものを借りることができないのだとか、その法律ゆえにこれまで台湾の私立の美術館では中国(大陸)から貸借したことがあったそうですけれど、国立施設としては今回の故宮が初めてだとか、モルゲンターク新聞に書いてあったのでした。↓も北京から来た作品で、雍正帝の全身図です。このネックレスは珠が108あるんですって。珊瑚をつまんでいる構図の意味については、昔何かで読んだ気がしたけれど、ナンだったっけ?
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中国語での解説ツアー開始時間ということもあり、平日の午前10時前だというのにたっくさんの観光客が。団体が多かったです。個人客も結構多く、エントランスはごったがえしていました。そして、特別展にみな向かって歩いています。
本館の「特別展室」は1階に2室、2階も企画展用に2室ほど用意してありました。アジアの博物館にありがちな、真っ暗ななかで展示物を見る、という展示方法。壁もそれほど高くないところですので、人が多く集まるとなんとも威圧感があります。それだけでもちょっと疲れちゃうのですが、まあ、室内のざわついていること、いること。
私が中国語がわからないから、その分、耳につくのかしらと思いながら展示物を見ていてわかりました。
「中国語は朗読のための言葉だ」と。
漢詩を朗読するように、行政文書すら読み上げる国民性なのです。
しかも、一人が朗読するのを聞くのではなく、声を重ねたり、それに対して、あーだのこーだの、とコメントをつけたり・・・。
くいきゃん!りーほー!臺北!5:法律の壁_a0094449_1624286.jpg>これだけ台湾(または香港?大陸?)人がいたら、そりゃ、賑やかにもなることでしょう・・・。


日本だったらお静かに~と館員が飛び込んで競うなものですが、そんなことはなく・・・。

あれ?日本語も聞こえてくる?見ると、ツアー御一行さまらしい。みなさん、ガイドさんの声はヘッドホンから聞こえるようにしてあるみたい。でも、館の公式ガイドブックにはない話をするガイドさんの声はヘッドホンがなくても十分聞こえてくるので、私、その恩恵をちゃっかり甘受してせっせとメモをとっていました。

この時代、清には西欧の宣教師が入国し、一部は国王の顧問格でそのまま清に骨を埋めた人も。その中で、郎世寧(Giuseppe Castiglione)の絵画が紹介されていました。中国の教科書には必ず出ている(これもツアコンさんの大声解説による)「百駿図」。
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あ、これじゃわかりにくいかも。
くいきゃん!りーほー!臺北!5:法律の壁_a0094449_15303483.jpgということで、一部拡大の図を御覧ください(って、故宮のサイトからこっそり拝借なんですけれどね)。

最初、私は郎世寧という清代の画家と思っていたので、そのイキイキとした描写に「うわー、清代は西欧の関係はあったと習ったけれど、こんなに影響をうけた作品を描く画家がいたとは!」と思いました。しかし、別の部屋で、彼の解説を読み、合点。イタリア人かぁ~。
と、彼の描く写実的な絵画は清の絵画の空間や立体感の描き方に大きな影響を与えます。
一番の影響は「影をつける」ということだったんですね!これは、英語圏の観光客3人連れが「おお、見ろよ、影があるぞ!」と言っていて、なーるほど!と。
くいきゃん!りーほー!臺北!5:法律の壁_a0094449_15391843.jpg影響を受けたの作品はこちら。

「当時からこの国にはコピーライトなんぞない」といわれそうですが、この時期というか、こういう作品についていえば、それは違うなー。「学ぶはまねぶ」という言葉がありますし、やっぱり型を学んでこその応用(個性)なんじゃないかな、とお習字を習うようになった今、つくづく思います。

雍正帝という皇帝は、清代の中でも、その即位にも、そして自分の息子を即位させるためにも、色々なことを「した」ようですが、一方でこういう文化、それから政治に対して成果を残した人でもある、というのがよくわかる展覧会でした。清3代皇帝でもある雍正帝。大体3代目っていうのはどこの国でも文化が政治体制が落ち着くからか、文化のシーンも見ごたえが出てくる傾向がありますが、まさに雍正帝の時代、西欧文化を取り入れた新しい絵画技法が出てくるわけで、それが日本にもある意味で影響を与えてくるわけですし・・・。
会場そのものはそれほど広くないのですが、1日目はほぼ一日、二日目は特別展を見直すことを目的に3時間余りぐらい、と、なんと私は二日続けて観にいったのでした。この時は、先の「館詰系」なる言葉を知らなかったのですが、今思えば、私もちょっとした「館詰系」に足を突っ込み始めたのかも(笑)。二日かけて「特別展→通常展→特別展」とみる機会を設けたのは、後々思えば、自分でも誉めてあげたいことに。
いやあ、一日目には気付かなかったものがあったのでした。「うわー、この場所にあって、どうして昨日はこれを見逃したのか!」と自分でもびっくりしちゃうほど(笑)。展示されている作品には、名や廟号、親王名、もちろん諡号が記されていて、頭がゴチャゴチャすることもありましたが(そして作品展示は中国語または英語表記のみ)、二日目には1日目にもらったパンフレットをよく読んだこともあり、なーるほど、という気分に。

まあ、今回は一日分は、東京にある台北観光局で(所定の手続きの上)無料入館券を頂いたのでした。時々、観光局では「観光年推進キャンペーン」のために、びっくりすることをしてくれるのですが、今回、私もその恩恵にあずかりました。韓国でもタダで入館できたのですけれど(これは100周年記念)、やっぱり、東博もなんかやったほうがいいってばー、という気分に。通常展はタダの日を設けるべきだな、うん(シツコイ)。
by eastwind-335 | 2009-12-24 03:45 | 旅の思い出09台北 | Trackback | Comments(0)

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