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知らなかった・・・

知らなかった・・・_a0094449_1839528.jpg家人に頼まれて街の図書館に本を借りに行った時、この頃、テレビばっかりで「ミステリーマガジン」を読んでなかったなあと思いながら棚の前に立ちました。
すると、「特集 ウェストレイクを忘れない」と背表紙に書いてある号が。
ウェストレイク(ドナルド・E・ウェストレイク)は、色々な作風を持つ作家として有名です。私は特にユーモアとペーソスが交じり合うドートマンダーシリーズが好き。強盗ドートマンダーのものは翻訳が出たら絶対に買います。昔の翻訳も角川から再版が出た時にまとめて買いました。あと、ノンシリーズなのですが、やっぱりユーモアミステリーに入る作品もかなり買ってあります。


木村二郎さんの名訳は順調で、これじゃ、アメリカで出た原著においついちゃったんじゃないかしら、と思うほどでした。彼は、2008年夏に新作を書き終え、そして大晦日にディナーに行く途中で心臓発作のために逝去。まだ75歳だったんですよ。若すぎる。いや、もっと若い作家が活躍する近年、75歳はおじいちゃんかもしれないけれど、作家で、気持ちもまだまだ現役で、シニカルで(これは名訳のおかげもあるけれど)、クスっと笑わせたり、世界一不運で何があっても人は殺さない(Don't Murderとアナグラムが作れる)強盗ともいうべき主人公ドートマンダーのぼやきに同感したり・・。ドートマンダーの仲間達がこれまたユニークで。巨体なのにTinyって名前の人もいて、もうその下りを読んだだけで大笑いしちゃいました。

ケストナーのユーモアものが好きな人にはオススメしたい、そんな作家です。

ウェストレイクはいわゆるメディアが押すタイプではないので、普通の本屋だと新刊期間が終わると比較的早くに店頭から下げられることもあるみたい。週に一度は本屋に寄るワタクシですが、機会を失して新刊が出たことをしらないままでいることも。そういう時、大手の本屋さんへ寄ることも必要だなあと思います。あー、ホックの時も、数ヶ月遅れで初めて知ったんですよねー。アメリカの作家の死亡広告なんてよーっぽどの作家(ハリウッドで当った作家とかね)じゃないと、日本では掲載されないし、ちょっと機会を失すると知らないままってことがあります。フロイトを書いていたウィングフィールドも亡くなったし。もうこの先、新作を読めないのかと思うと、本当に残念です。

ウェストレイクもホックも多くの作品を木村二郎さんが担当していたんですよねー。彼、落ち込まないといいけれど。短編集、まとめてくださいねー!(いや、知り合いじゃないんですけれど)。
Commented by toramutti at 2009-08-08 19:48
この作家さんは、読んだことないかなぁ。ミステリーズを送ってもらっていたときに、短編を読んだかなぁ。

日本で推理モノを読む場合、翻訳がとっても大きいですよね。セイヤーズやジル・チャーチルの翻訳をしていた浅羽さんが亡くなって、新作が出ませんでしたもの。チャーチルのは今年、久しぶりに出ましたが、セイヤーズは最後の最後、どうなるのかな。版権ももうすぐきれるらしく、まず、早川が新しく翻訳を出しました。
Commented by eastwind-335 at 2009-08-13 09:50
虎ママさん、こんにちは。

彼はミスマガなんですよ、どっちかというと。
本当に訳もいいのですが、やっぱり英語自体も面白いんでしょうね。翻訳を生業にしている方とお目にかかったことがありますが、相乗効果なんだろうと思います。
翻訳はすぐに出ないこともあるようで、その間に逝去などがあった場合、契約の問題もあってすぐに新訳者に、というわけにはいかないこともあるようです。
by eastwind-335 | 2009-08-08 18:33 | Books | Trackback | Comments(2)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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