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人生50年

フレッシュマンが職場に入っただけでなく、部署によっては主力が引き抜かれる人事異動もありました。異動は3月より前に内示がでていたけれど、なかなか引継ぎが終わらず、結局、みんな、この数日は元の部署に手伝いに行ってるようです。

毎年、年度末に辞める人がいます。次の仕事が決まっていると、どうしても年度の区切りで行くのがいいから。すごく若い人に多いパターン(人数は少ないけれど)。そういう人は、2月より前に辞表を出すパターンがほとんど。有休消化なんぞもヘーキな顔をして(まあ、当然の権利ですからね)ます。傍目に見てると不思議なのは、惜しまれつつ辞める人って有休を「とってくださいね」と上司がお願いするそうなのですが、、「はいはい、さよーなら」という雰囲気になる人は「この時期に取るのかっ!?」ということになるらしい・・・。
一方、定年扱いで辞める人もいます。今年も数名、手術をした後の体調がよくない、すでに人生設計としてもうこの時期にやめることにしていた、という数名が辞めました。
もう辞表はでないだろう、と思っていたら、私が仕事を始めてからずっとお世話になっていたアラフィー世代のお兄さんが辞表を出したのでした。

昨日は、そのお兄さんの最後の出勤日。



昨年の今頃、彼のこと、チョットだけこのブログにも書きました。元文学青年です。
そんな一大事が私達の部署に聞こえてきたのは3月半ば(人事異動通知が廻る直前に上司がキャッチ)。もともと、彼の言動から彼のことをスネたスナフキンとこっそり綽名していたワタクシ。何か考えがあって辞めるのかと思いきや「とにかく辞めたいの一心だったから」と。
トップが変わりやすい部署だった上、ここ数年、そのトップたちのせいで「スネたスナフキン」はイライラが募っていたところに、彼のちょっと上の年次が横滑り中間管理職(?!)としてやってきてからは、ことごとくスネ度がupしていたようで・・・。

50歳ちょっと過ぎての退職。スナフキンよろしく、リュック一つで日本や世界を放浪しそう。
いくら専門性のある仕事をしていても、いまや、再就職は年齢的にムリなのに・・・。独身だから自分の気持ちに正直になれたのね、と、お姉さんの一人が第一報を聞いてつぶやきました。

私達は彼らの部署のサポートが必要になることが多く、特に彼には「もうムリかも」というところを何度も発想の転換へ導いてもらったものです。一見、ぶっきらぼうだけれど、親しくなったら(彼に認めてもらえたら)、彼の知識の豊かさ、もって生まれた純粋さ、仕事への信念に感動をおぼえることしばしば。でも、その純粋さゆえに、辛いこともあるだろう・・・と思っていたものです。彼のそういう良さを理解できたいわゆる「旧制高校あがり」もしくは「旧制中学」体験者系のおじさまたちがメインだったころはよかったのですが・・・。傍からみていても、彼の部署は(時代の流れ以上に)変化が激しくなり、そのなかで部署としての理念が問われる変容もあったりで、彼なりに苦しんでいたのは知っていました。でも、退職まであと10年ほど。いや、彼にとっては「まだ」10年だったかも。

昨日、「オレ、今日で終わりだから。ここの部署には挨拶したかったからさ」とスナフキンよろしく、いつものつっかけスタイルでやってきたお兄さん。みんな口々に「なんで辞めるんだ!?」と尋ねるなか、私なんて半べそでした。自分の部署で辞める人には明るくお別れしてきた私だったので、周りがびっくり。彼が「おいおい、東風さんがそんな顔しちゃいかんだろー」と。
近いうちにみんなで飲もう!という約束だけして、彼は部署に戻りました。私、グッとこらえていたのですが、やっぱり目が赤くなっていたようです。「ほら、東風さん、コーヒー入っているから」とかどうでもいい記事が載っているスポーツ新聞を広げて話題をみつけては話しかけてきたり・・・と、部署のみなさんが涙をこぼさないですむように、とあれやこれや・・・と。

私がいる部署は、人の異動が少なくて家族のようなところ。みんなそれぞれ「ワガママ」でベタベタした付き合いはないけれど、コトが起れば、(少なくとも仕事では)一人じゃないんだというのがわかります。思いっきり叱られるときもあるし、心配してもくれるし、喜んでもくれる。兄弟ケンカ(さすがに手は出ないけれど)もあって、周りがヒヤヒヤすることもある・・・。でも、やっぱり誰かが間にはいってくれたりして、ゴメンナサイをする。そういうことが大切だと教えてくれた上司の一人は、今でもお目にかかると「仲良くやってますか?」と。意見の相違は大いに結構、なぜ、こういう風に考えるのか、ということさえ、いつも考えてあげられたら・・・と。なかなか難しいことがありますけれどね(あはは)。
by eastwind-335 | 2009-04-04 05:56 | 日常 | Trackback | Comments(0)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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