老婦人、料理雑誌を語る

見知らぬ人から話しかけられることってありますよね。
私は子供や老人専用なんですけれど。

昔、夏日の午後、水筒を肩にかけて歩いていた数名の小学生たちと行き交うことがありました
すると一人の男子が
「あのね」
と声をかけたのです。
なんでしょう?、と私は足を止めました。

「あのね、ぼくたちね、先生が水筒をもってくるようにっていうから毎日水筒もってきているんだよ」
あの年、東京は水不足でした。それとも、水の質が悪いとかで、水筒を持ってくるように言っていたのでしょうか。

遠足みたいね。
「本当はね、水か麦茶だけって言われたんだけど、××ちゃんはジュースにした日があるんだよ」
あらあら。それだけで足りるの?
「ううん。だから水道のを入れちゃった」
「どうしてお水、水道から飲んじゃいけないのかな?」
「首つかれちゃうよねー」
「お姉さん(あの頃はまだ若かったから)は水筒をもってないの?」
まだペットボトルなんていうものがそれほど一般化されていなかった頃です。
ひとしきり質問をうけて、ようやく解放されました。
「おねえさん、ばいばーい!」
なんだったんだろう、あれ。

実は、縁があってこの小学校(普通の公立小学校)に甥が転入したのでした。もうあの時の子供たちも成人していることでしょう。教育実習で戻ってくる頃でしょうか。



私は今月も奥様雑誌を買うことになり(だって、石井桃子さんの特集だっていうんだもん)、本屋で雑誌を探していました。この本屋、駅ビルに入っていてかなり面積はあるのですが、通路がせまく、行き交うのが大変なのが難点。
発売されて10日近くたったとはいえ、同じ日に出た別の奥様雑誌はまだ積んであるんだから、ないわけない、と棚を見ていたところ・・・、背の低いおばあちゃまが私の背後を通ろうとした気が。しかし、通り抜けた感がないので、ふと振り向くと、実はまだ背後にいて、ニコリとされた。
「あなた、あの本取って頂戴」
彼女が指す方向を見ると、民放で放映している料理雑誌のテキストが。もちろん取って渡しました。ここまではよくある話。

私の探していた雑誌を見つけ、その場を外そうと思ったら
「あなた、これ、美味しそうでしょう?」
と。確かに、美味しそうな料理がきれいな写真で紹介されています。
「この番組って早朝だから見逃しやすいんだけれどねえ」
からはじまり、まあ、色んな話をしてくれました。
公共放送であれこれやっている料理番組についての寸評も!

「もう一人だからねえ、こんなにたくさん作れないのよねえ」
段々と身の上話も盛り込んできます。そろそろ潮時かなあ・・・と思っていたら、
「あなたね、こういう料理の雑誌っていうのはね、1つか2つ作るものがあったらそれで十分って思って買わないといけないわ。」と言い出したのでした。

私も職場の母世代の上司からも、かつて「店頭で手にとって良いなあと思って買う料理の雑誌はそのなかで2つか3つ実際に作ったら上出来」と聞いたことがあります。なんだかその方を思い出すようで懐かしくなりました。

で、私もついつい、土井義晴大先生の「おかずのクッキング」最新号を買っちゃいましたよ。おばあちゃま、満足そうでした。
電車の中で開けると、ホルトハウス房子さん特集でした。この人と辰巳芳子先生のお2人の丁寧な料理にはいつも関心しちゃいます。まだ新しいコンロの火加減を使いこなせてない気もしますが、そろそろ長い時間かけての調理を試してみるのもいいのかもしれません。一日家にいる日を見つけて、作ってみたいなあとおもうものもありました。他の料理家が紹介の手羽先を酢漬けして保存する方法とか参考になることも!
実はこの前日、家人が急に食事がいらなくなったので、残り物でメチャクチャ塩気のあるものをたべたーいっ!と、イカと牛肉(薄切り)と白菜を炒めて、黒酢、スイートチリソースなどで味付けしたものをご飯にのっかける丼にしちゃったのですが、この本によるとウー・ウェンさんが、牛肉って冬に食べるのはいいようですよ。そういえばごぼうもゴマドレッシングあえにしたのを食べたし・・・(ごぼうやレンコンも冬がいいらしいです)。
車内でふむふむとうなづきながら読み終えました。

イカやタコが無性に食べたくなる時って疲れている時で、食べると「タウリンが充足された~!」という満足感が私にはあるんです。処理を考えるとイカは一手間かかる食材ですが、でも慣れたらそうでもないんですよね。新鮮だと処理も簡単にできるし!

今週はキャベツ大作戦は家人外食週だったためにいったん休み。朝や昼に塩気を控える小さなオカズを出したぐらいです。
その家人、塩気の多少を舌で感じることができるようになったようで、ベーコンを入れたのをうっかり失念し、固形スープを入れたコーンスープを出したら「いいの?こんなにしょっぱくて」と言ってました。よしよし。
来週は調理実習の回数が増えそうな家人。男子エイヨウ大学の追試みたいなものですからね、単位認定のためにがんばってくださーい。
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Commented by akberlin at 2008-02-16 23:51 x
石井桃子さんは100歳になられたとお聞きしました。
「クマのプーさん」はずっとずっと大きくなってから
英語で読むにつけても、いかに石井さんの訳が名訳
だったかと感心することしきり、私の長年の愛読書
です。

お料理の本ってあまりたくさん持ってませんが、「マウスのお料理本」はドイツの子供向けで私の料理の腕にもドイツ語の理解能力にも合っていて、いくつかつくりました。うんうん、確かに全部は作ってないけど二つ、三つは作ったのがあるな・・・。
Commented by himekagura at 2008-02-17 02:22 x
私も時々おばちゃんに話しかけられますが、それはだいたい大阪の実家に帰ったときです。東京ではあんまり話しかけられないかも。
私は関西人だし、土井善晴さんのレシピ、すごく好きです。なんといっても、土井勝さんのファンでしたから。お料理本を買って2~3個実際作ればいいと思うと、ちょっと気分が楽になりますね~。
Commented by nyf1403 at 2008-02-17 04:52
私はときどき、スーパーで、老眼鏡を忘れた老婦人に「これ、なんて書いてあるのかしら」と質問されます。隣にはっきりドイツ人とわかるヒトがいることもあって、これこそ、人種融合だー、と思ったりします。

料理本は、二ついいのがあったら御の字よ、と母が申しておりました。
奥様雑誌は、ミですか?
Commented by 東風 at 2008-02-17 05:39 x
akberlinさん、こんにちは。
石井さんは去年が100歳だったんです。(数年の準備はあったでしょうが)100歳になって改訳本を出すなど、その仕事ぶりに尊敬しちゃいます。
翻訳の日本語の素晴らしさはもちろんですが、創作小説もいいんですよ!
私は高校生の終わりごろから20代終わりまでに何度か「犬養道子ブーム」がありまして、そこで石井桃子さんと「プー」の関係を知ったのでした。ドイツに行って窓を開けるのに戸惑わずにすんだのは、犬養本のおかげです。ほほほ。
マウスの料理本!なんだかいいですね~。優しい感じがします。手順もシンプルでわかりやすそう・・・。
Commented by 東風 at 2008-02-17 05:48 x
himekaguraさん、こんにちは。
関西の方は、本当に話しかけてきますよね~。
私は何かを待っているときにもよく話しかけられるんです。あと物を探していたり、買うか買うまいかを考えるときなど・・・。
土井さんの番組テキスト、初めて買いました。写真が大きくてキレイで、作ってみたいと思わせるものがたくさんありました。昔はテキストはテキストだったのですけれど、今は雑誌みたいなレイアウトなのだなと感心しました。
Commented by 東風 at 2008-02-17 07:51 x
nyfさん、こんにちは。
こういう形で他人と交わることができるっていいですよね!
nyfさんのお母様も「2つあれば上出来」派なのですね。人生の先輩たちが口々に(?!)そうおっしゃるのを聞くと、心置きなく料理関係の雑誌を買っちゃいそうです。
奥様雑誌はそうです「ミ(おくさま)」です。私には役立つ記事が多かったです。
Commented at 2008-02-17 13:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-02-17 13:47
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by greenagain at 2008-02-17 14:10
東風さんの料理はいつも美味しそうですね。
作っている過程がまた楽しそうで、拝読しているこちらも幸せな気分になります。
エイヨウ大学の学生さん、健気(笑)。
イカ、タコ、いいですね!大好きです。醤油に、すった生姜を入れ、イカそうめん!など大好きです
Commented by eastwind-335 at 2008-02-24 07:17
greenagainさん、こんにちは。
お返事遅くなりました。
美味しいかどうかはわからないのですが、仕事から戻ってすぐにご飯を作るので、楽しくやらなくちゃな、と思ってます。
イカそうめん、美味しそう!いいですね~。いつか試してみたいと思います。
by eastwind-335 | 2008-02-16 07:56 | 料理 | Trackback | Comments(10)

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