初めての展覧会
2007年 11月 09日
「ムリにご自宅で練習をしなくて良いですからね。こちらのお教室で練習して、その日に仕上げるのでいいんですよ」
先生のこの一言に支えられ、どうにかこうにか1年以上続いているお習字。
月2回の練習は和やかな雰囲気の中で行われます。
師範をもっている年若い方と一緒に墨をすり、先生に作品指導をしていただき、お茶の時間には幅広い内容のお話を伺い・・・。私は職場も恵まれていると思いますが、この月2回の数時間は、職場では絶対に得られないものがあります。
これでもっと字が上達するといいのですが、それは、私の精進が足りないから・・・はい。
この水曜まで、社中展がありました。私は長年のお弟子さんたちが出すのだと思っていたのですが、先生は私にまで出しましょう、と。
他の生徒さんは、すでに書きたい和歌があるようですけれど、私は何をどう書いたらいいものやら・・・。
何にしましょうね?どうしても書きたい歌があるのだった遠慮しないでね。
表装ってしたことあるかしら?額で仕上げるのってどうかしら?
とりたてて和歌に通じているわけでもなし、かなの初歩を初めたばかりの私、先生がおっしゃるがままに、今使っているお手本に掲載されている和歌から秋の歌を選び、字の散らし方を先生が決めてくださり、先生から参考にと数枚の楮紙をいただきました。
私は臨書、つまりお手本とそっくりに書く方法を習っています。そうはいっても、人によってやっぱり仕上がりは異なります。で、私のコンプレックスは、字がボテっとしてしまうこと、つまり締まりのない子どもっぽい字なんです。
筆を立てるようにと心がけても、うーん・・・。線のダイエットができません!
ある日、「半紙もいいですけれども、そろそろ楮紙を用意して書いて御覧なさい」と。
私は「えー、まだまだ練習が足りないから・・・」と口ごもっていたら、先生がニコニコしながらこう諭してくださったのです。
「東風さん、紙が変わると、半紙と同じようにはいかないの。何事も体験ですから、早めに楮紙で書いてみるといいわね」と。
まず、楮紙を買いに行く、そこからして大変でした。何軒か廻ったのですが、先生から頂いた紙のように、金箔がさり気なく散らしてあるセンスの良いものがまずありません。あったとしても、色がピンク。展覧会は秋なので、ピンクはちょっと。草色は初心者には難しい。模様が摺られているものも何枚か用意してみましたが、唐草だとか鳳凰が堂々と入っているようなものが多く、さり気ないものが少ないのです。いよいよ清書となると、どうも摺りに筆がひっかるのです・・・。で、変にチカラがはいってしまったり、字が曲がってしまったり・・・。書けた!と思ったら字が摺りに負けてしまっていました(紙が悪目立ちしてました)。
その都度、ため息をつく私に、先生が「何事も体験なのですよ」と。そのうち、先生が「これがよいのでは?」と決めてくださったもの、それは、なんと練習用の楮紙に仕上げたものでした!先生にそう申し上げたら「あら、まあ。でも、紙と字のバランスがとってもいいわ」と。タイムオーバーとなり、先生を通して表装をお願いしました。
私が先生と相談して選んだ和歌は、古今集(雑歌)に入っている文屋有季(ありすえ)の
「神無月 時雨降りおける ならのはの 名におふ宮の ふることぞこれ」
これは、「万葉集はいつできたのか?」という清和天皇の下問に応えた歌で、えーっと、歌の意味は、色々な本をあわせ読むに、「(いまのように)神無月の時雨がふる「なら」の葉(楢の葉)の名のついた都の時代の古い言葉(歌)でございます」ということのようです。最初、ぜーんぜん違う意味だと思っていたので、図書館で意味を知った時、相当赤面しちゃいました。
表装されたものを見たら、自分が書いたとは思えないほど立派になってました。すごいな、額縁や表装のチカラって!
先生のこの一言に支えられ、どうにかこうにか1年以上続いているお習字。
月2回の練習は和やかな雰囲気の中で行われます。
師範をもっている年若い方と一緒に墨をすり、先生に作品指導をしていただき、お茶の時間には幅広い内容のお話を伺い・・・。私は職場も恵まれていると思いますが、この月2回の数時間は、職場では絶対に得られないものがあります。
これでもっと字が上達するといいのですが、それは、私の精進が足りないから・・・はい。
この水曜まで、社中展がありました。私は長年のお弟子さんたちが出すのだと思っていたのですが、先生は私にまで出しましょう、と。
他の生徒さんは、すでに書きたい和歌があるようですけれど、私は何をどう書いたらいいものやら・・・。
何にしましょうね?どうしても書きたい歌があるのだった遠慮しないでね。
表装ってしたことあるかしら?額で仕上げるのってどうかしら?
とりたてて和歌に通じているわけでもなし、かなの初歩を初めたばかりの私、先生がおっしゃるがままに、今使っているお手本に掲載されている和歌から秋の歌を選び、字の散らし方を先生が決めてくださり、先生から参考にと数枚の楮紙をいただきました。
私は臨書、つまりお手本とそっくりに書く方法を習っています。そうはいっても、人によってやっぱり仕上がりは異なります。で、私のコンプレックスは、字がボテっとしてしまうこと、つまり締まりのない子どもっぽい字なんです。
筆を立てるようにと心がけても、うーん・・・。線のダイエットができません!
ある日、「半紙もいいですけれども、そろそろ楮紙を用意して書いて御覧なさい」と。
私は「えー、まだまだ練習が足りないから・・・」と口ごもっていたら、先生がニコニコしながらこう諭してくださったのです。
「東風さん、紙が変わると、半紙と同じようにはいかないの。何事も体験ですから、早めに楮紙で書いてみるといいわね」と。
まず、楮紙を買いに行く、そこからして大変でした。何軒か廻ったのですが、先生から頂いた紙のように、金箔がさり気なく散らしてあるセンスの良いものがまずありません。あったとしても、色がピンク。展覧会は秋なので、ピンクはちょっと。草色は初心者には難しい。模様が摺られているものも何枚か用意してみましたが、唐草だとか鳳凰が堂々と入っているようなものが多く、さり気ないものが少ないのです。いよいよ清書となると、どうも摺りに筆がひっかるのです・・・。で、変にチカラがはいってしまったり、字が曲がってしまったり・・・。書けた!と思ったら字が摺りに負けてしまっていました(紙が悪目立ちしてました)。
その都度、ため息をつく私に、先生が「何事も体験なのですよ」と。そのうち、先生が「これがよいのでは?」と決めてくださったもの、それは、なんと練習用の楮紙に仕上げたものでした!先生にそう申し上げたら「あら、まあ。でも、紙と字のバランスがとってもいいわ」と。タイムオーバーとなり、先生を通して表装をお願いしました。
私が先生と相談して選んだ和歌は、古今集(雑歌)に入っている文屋有季(ありすえ)の
「神無月 時雨降りおける ならのはの 名におふ宮の ふることぞこれ」
これは、「万葉集はいつできたのか?」という清和天皇の下問に応えた歌で、えーっと、歌の意味は、色々な本をあわせ読むに、「(いまのように)神無月の時雨がふる「なら」の葉(楢の葉)の名のついた都の時代の古い言葉(歌)でございます」ということのようです。最初、ぜーんぜん違う意味だと思っていたので、図書館で意味を知った時、相当赤面しちゃいました。
表装されたものを見たら、自分が書いたとは思えないほど立派になってました。すごいな、額縁や表装のチカラって!
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penguinophile at 2007-11-13 19:51
展覧会デビュー、おめでとうございまーす。で、東風さんの作品の写真は?(^^)
無知を晒すようですが、半紙じゃない方の紙は・・・何と読むのでしょう?どういう紙なのかしら?
東風さんが楽しんでお稽古を続けている様子を読んでいたら、自分の華道のお稽古を思い出しました。月2~3回は職場でお昼休みにお稽古、年に数回は職場内で展覧会・・・というだけでしたが、それでも10年以上続けていたお稽古を中断せざるを得ない状況になってしまったのは残念です。お手本に沿って作った作品でも個性が出るあたり、書道も華道も同じかもしれません。
無知を晒すようですが、半紙じゃない方の紙は・・・何と読むのでしょう?どういう紙なのかしら?
東風さんが楽しんでお稽古を続けている様子を読んでいたら、自分の華道のお稽古を思い出しました。月2~3回は職場でお昼休みにお稽古、年に数回は職場内で展覧会・・・というだけでしたが、それでも10年以上続けていたお稽古を中断せざるを得ない状況になってしまったのは残念です。お手本に沿って作った作品でも個性が出るあたり、書道も華道も同じかもしれません。
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東風
at 2007-11-15 05:18
x
penguinophileさん、こんにちは。
お返事遅くなりました。お祝いありがとうございます。
写真は期間限定だったのでした。ま、あの、いずれまた、来年のいつかにはupできるように精進したいと思います。
penguinophileさんは華道の世界にいらしたのですね。うちの職場の組合活動にははなぜか「道」のつくものがないのです。ガサツの集まりのようでして・・・。
お手本があるのに仕上がりが違う。個性って本当によく出ますよね。私はボテっとした字になってしまうのですが、これは増えつつある体重に関係しているかも・・・。
楮紙は、ちょし、といって、植物の「こうぞ(漢字では楮と書きます)」を樹皮を漉いて作った和紙の総称です。私が先生から頂いたものは普段の練習の時に使う半紙よりも表面はツルっとしているのですが全体にはやわらかい印象がありました。
お返事遅くなりました。お祝いありがとうございます。
写真は期間限定だったのでした。ま、あの、いずれまた、来年のいつかにはupできるように精進したいと思います。
penguinophileさんは華道の世界にいらしたのですね。うちの職場の組合活動にははなぜか「道」のつくものがないのです。ガサツの集まりのようでして・・・。
お手本があるのに仕上がりが違う。個性って本当によく出ますよね。私はボテっとした字になってしまうのですが、これは増えつつある体重に関係しているかも・・・。
楮紙は、ちょし、といって、植物の「こうぞ(漢字では楮と書きます)」を樹皮を漉いて作った和紙の総称です。私が先生から頂いたものは普段の練習の時に使う半紙よりも表面はツルっとしているのですが全体にはやわらかい印象がありました。
by eastwind-335
| 2007-11-09 09:25
| 日常
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Comments(2)