人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本が小道具に使われている映画を連チャンで見る

東京の銀座地区の映画館の多くは水曜日がレディースデー。女性だったら1000円。というわけで、一人で私が映画を見るときは大抵は水曜の夜となってます。今週は平日休みが取れることになったので、迷わず水曜に。

で、昨日の帰宅途中、シャンテシネで上映中のイラン映画「オフサイド・ガールズ」のチケットを購入しました。ここは座席指定となっていて、前の週の土曜には翌週の予約ができるようになってます。夜は外食の予定でしたので、逆算して3時10分からの回にしました。

今朝、目覚めて、メールやブログチェックをしているうちに、「しばらく水曜に休みは取れなくなるから、もう1本映画見よっかなー。どうせ見るならロードショーものだなあ」と急に思い立ちました。その時、朝10時。まだ私はパジャマ姿。ネットで時間を検索すると初回は10時50分から。速攻で着替えて、布団を片付けて、顔を洗って、ベランダのバジルに水をやり、映画用バッグ(単なる布バッグなのですが)に仕事関係につかう書類、スタバのタンブラーをつっこみ、昨日の仕事用バッグの中身(財布、キーケース、化粧ポーチ、手帳、保険証、携帯)を取り出して突っ込み、マンションを出た時には10時半近くになってました。映画館には48分着。チケットを買って(ここも座席指定でした)、エレベーターでピカデリー1へ。席をみつけてすわったらちょうど50分。予告が始まりました。それが10分以上も!ま、そうだろうとは思ってましたが。

見たのは「オーシャンズ13」です!ERのパイロット版以来のジョジ・クルファンのワタクシですが、彼の映画を実際にみたのは、「オーブラザー」と「オーシャンズ11」のみ。12は見逃してしまいそのまま。予習なしに13だったのですが、いやあ、面白かったー。
私、テレビでも映画でも群像劇が好きなんです。だから「13」も思いっきり楽しみました。12を見ておけばもっと笑える話もあったと思うのですが、それでもしょっぱなから大笑い。ダニー・オーシャンと仲間たち、今回は(オリジナルの映画で主役だった)フランク・シナトラの名前がセリフに出てきたり、もともとリメークではじまったのが、彼ら11人(いや、いまや12人か)のオリジナル映画になってますね!

ま、細かいストーリーは置いてといて、この映画、アル・パチーノ演じる悪徳ホテル経営者がラスベガスに大きなホテルをオープニングするにあたり、和太鼓披露とか、土俵が作られ、日本から力士がやってきて、取り組みが披露させるのです。本格的でしたよ!あと、ジョジクルが連れてくるカジノの客もどうも日本人ぽいのが多いし、「日本製バイクにのった長髪の男が・・・」というセリフがあったり。最後のエンディングに三人の相撲レスラーの名前が出てくるのですが、そこには「Akebono」という文字が・・・。ググったら日本相撲協会を離れた曙は出演できたそうですが、武蔵丸は許可が下りなかったとか。




で、3時からは本日のメーンイベント(!)56回ベルリン映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞した「オフサイド・ガールズ」。イランの女性は(一部の許可された人を除き)スタジアムに入って試合をみることができません。そんななか、敢てWM06への出場をかけたイランーバーレーン戦を見に行こうとして逮捕(!)され、拘置所へ連れて行く車が来るまで、試合で盛り上がるスタジアムの熱気が見えそうで見えない、スタジアムの通路にできた青空拘置所で待たされる少女5人6人の話です。なんと、本当に試合をしているスタジアムで撮影しているのです!だから試合の臨場感が伝わってくるのです!

日本が小道具に使われている映画を連チャンで見る_a0094449_0492797.jpg

*登場人物、一人欠けてました。どらさん、ご指摘ありがとうございます。加筆修正してます*
どうにかして試合を見たいと思った少女5 6人。詳しいストーリーなどは公式HPをご覧いただくとして、それぞれの背景だけご紹介しておきましょう。

少女A(写真左):スタジアムへ向うバスに乗り込んだときに、一部の男子からはその素性がばれてしまったけれど、どういうわけか彼らが黙って見逃してくれたおかげで、スタジアムまでは無事到着。でも、スタジアムでダフ屋にチケットを買うにも、女子ということで5000リヤルが8000に、おまけにポスターまで買わされ(男子だったら300リヤルのところ女子だから500と高値で売りつけられてました)ます。このオヤジがまず男の子に売りつけるポスターが「アリ・カリミ」なんですよ!「アリ・カリミだけど、いいよね」というセリフ。ちょっと、バイヤンファンのみなさん、この映画、このシーンだけでも見る価値ありですよ。

少女B(真ん中の写真のブルーのシャツを着ている少女):叔父さんと一緒に見に来たけれど、はぐれてしまったうちに女子とわかって逮捕される。泣き虫な女の子

少女C(ベールをかぶっている少女):実は叔父さんにはナイショで彼の娘を連れて見に来ていることが、当の叔父が娘を探しに来たためにバレてしまう。 友達と一緒に観戦に来るなか、彼女一人が見つかってしまいます。友達の父親は彼女たちの蛮行(!)を伝え聞き、スタジアムにまで探しに来て、青空臨時拘置所にいる少女Cを見つける。その時の叔父さんの娘がスタジアムにいると知った父親が一人連行されてしまった少女Cに言うセリフ「そんなことを思いつくために大学へ行っているのか!」(ちょっと正確さにはかけてますが、文意としてはこんな感じ)に、イスラム文化圏の女性の立場がうかがえます。

少女D(写真右):少女Aが連行される前からいた少女。自分でもサッカーをプレーしています。トイレに行きたいために、あれこれ理由をつけてます。ようやくトイレに行けることに。この少女がトイレまで付き添う兵士に語るイラン女子サッカー事情は必聴ものです。また、日本人女子が日本ーイラン戦をはじめ、このイランvsバーレーン戦でも観戦できたようで、そのことを羨ましがるセリフがありました。トイレにでのアレコレも見ものです(カリミと思われる選手のポスターがここでも活躍!)。そこでトラブルに巻き込まれ、少女Dは自由の身に!彼女は試合を見ることができるのでしょうか?!

少女E(真ん中の写真の左から2番目):見張りの兵士までが男と見間違える容姿の持ち主。タバコは吸うし、言葉遣いは悪いし・・・。スタジアム内で逮捕されてしまったので、少し試合を見ています。徴兵されて地方からやってきた兵士にとって、彼女は都会のナマイキな少女でしかないのですが、少女たちのために実況をしている兵役中の兵士のウソ(出てもいない同郷の選手のウソの活躍を実況した)を鋭く指摘するなど、サッカーが好きを披露。兵士たちの不満を鋭く言い示すテヘラン少女。

少女F(真ん中の写真の真ん中):AからDも男装していたのですが、この子はなんと兵士の格好をしてスタジアムへ侵入。そして、VIP席に堂々と着席。ただ、座ったのが隊長席だったために、バレてしまい、なーんと手錠をかけられて連れてこられます。

都会の少女たちと田舎からやってきた兵士たち、ともにサッカー好きなのに、イスラムの風習により女子はサッカーを楽しめない。女子のサッカーへの思いに、兵士たちは徐々にできることをしてあげます(実況など)。しかし、後半が始まってイランが1点を先取した時点で、彼女たちを拘置所へ連れて行くためのバンが到着します。

どうなるイラン?どうなる彼女たち?!

イランー日本戦で7名の死者がでたことが、この映画のエンディングに大きな影響を与えます。そんなことがあったことも忘れていましたが、イランではこの7番目の死者が身元も性別も明らかにされていないままで、いろんな憶測を呼んでいるそうです(監督インタビュー)。そのことが映画を撮る一つのきっかけになったみたいです。

女子だってサッカーが好き。女子だって熱くサッカーを語りたくなる。試合の進行状況に一喜一憂するそんなサッカー好きな女子にオススメの番組です。
Tracked from ケルン、るんるん♪ at 2007-09-20 06:05
タイトル : "OFFSIDE"
"OFFSIDE"(Jafar Panahi監督作品) ベルリン映画祭の授与式が行われていた最中に、 コンペティション部門の作品の再上映でようやく見たイラン映画です。 今年はベルリン映画祭に出遅れて、見たかった作品のチケットが ちっとも手に入らなかったのですが、 「面白そうだよ、これ。まだチケット残っているらしいけど見に行く?」 と友達が誘ってくれて、アレクサンダー広場からほど近い「東」の 雰囲気満点のInternationalという映画館で見ました。 イラン映画というとアッバ...... more
Commented by どら at 2007-09-20 01:53 x
「オフサイド・ガールズ」、私も見ましたよ。
トイレに行く場面が一番笑いました。大真面目に兵士が他の利用者を中に入れまいとするのが可笑しくて(笑)
彼らは彼らなりに女性に親切であろうとしてるんですよね。ただちょっと、女性達の希望から外れてしまってるだけで。

ところで、少女Bの説明ですが、黒ベールの子と泣き虫な子が混じってしまってませんか?
泣き虫な子は叔父さんと一緒に来たのにはぐれてしまい、うっかり係員に尋ねてしまったために正体がばれて逮捕された子。
黒ベールの子は友達と一緒に来たところ、やはりはぐれた上に逮捕されてしまい、檻の中にいるところを友達の父親に見つかって大学云々を言われた子かと。
違ってたらスミマセン(汗)
Commented by akberlin at 2007-09-20 06:07
日本でもやってるんですね〜。ブラヴォ〜!
ベルリンにいた頃に見られたんですよ、この映画。面白かったなぁ。
当時書いた記事、TBさせてくださいませ。
Commented by akberlin at 2007-09-20 06:11
↑あ、ってすみません、「オフサイド・ガールズ」の方です。
オーシャン・・・も最近、ケルンでもやってましたが私は頭が
悪すぎて、あのシリーズは話の展開が速すぎてついていけない
ので、今回はパスかなー、なんて思ってるうちに終わっちゃい
ました・・・。
Commented by eastwind-335 at 2007-09-20 06:25
どらさん、おはようございます。
ご指摘ありがとうございます!どらさんも映画をご覧になったのですね!
コメントをいただくまで(つまり今朝まで)、私、二人で一人の扱いになってました。映画館でも、あんな幼い感じの子が大学生なんだーって思っていたぐらいです(あちゃー)。ポスターが6人ってどういうことだろうと思っていたのですが・・・。ということで、思い出しながら書き直しました。
大雑把、注意不足なブログですが、どうぞ今後ともよろしくお願いします。

この前のアジア大会のイラク優勝後にも、祝砲のつもりで撃った銃が原因で亡くなった人がいましたよね。そんなことも思い出しながらエンディングを迎えました。
Commented by eastwind-335 at 2007-09-20 06:50
akberlinさん、こんにちは。
「オフサイド・ガールズ」、ドイツで一般の人にどう評価されたのかな、と思いながら見てました。目下、私のドイツサッカーの聴戦状態は彼女たちとそんなにかわらない(なんせ、実況をなんちゃって脳内同時通訳で聞くわけですし)ので、わが事のように思いながら、共感をもって見ました。TBありがとうございます。あとで私のほうからも文中リンク&TBさせてください!
実は平日の午後なのでガラ空きでした・・・。土日は人が入っているといいのですが、「イラン映画」であるために、人を選ぶように思われてしまっているかも・・・。

オーシャンズ、13人が入り乱れるので面白い分、確かに話の展開が速い!BGMに身を任せ(!)あの13人が私一人に起きたことをワーワー説明している気分で見ると良いのでは。ある人と話しているうちに別の人間がかぶさって話しに入ってくるという、ある意味、毎日が聖徳太子なワタクシ、個性的なメンバー、チームのために熱いと言う点では職場にいるような気がしました。当然ながら、見た目は全ーく違います。
Commented by penguinophile at 2007-09-21 05:39
オーシャンズ11はとっても面白かったです。質のいいジグゾーパズルのピースがぱっちりはまるみたいな快感がありました。でも12は内輪受けというか楽屋落ちというか・・・あ、みんな仲がいいのね、良かったのね、というだけで、トリックがつまんないというかプロットが練られてない感じで、期待が大きかった分、ガッカリしちゃいました。13はあんまり期待を抱かずにDVDを観ようかなー
Commented by 東風 at 2007-09-22 04:30 x
penguinophileさん、こんにちは。
オーシャンズ11を見たときに思ったのですが、D.E.ウェストレイク著のドートマンダー(ショボイ泥棒)シリーズを思い出しました。映画はスタイリッシュな手口、ウェストレイクの作品のは似た手口でも絶対に失敗があって、そこからドンチャン騒ぎになるし、儲けは少ないしという話なのですが。
オーシャンズ12は内輪ウケだったんですか・・・。どうもジョジクル組(と11人をまとめます)は、男だけで撮ったほうがいいみたいらしいです。その点では13には細君二人はでてきませんから、また違う感じになっているのかもしれません。ま、トリックは非常に単純ですが、個々人の事情っていうのが私には面白かったです。多分、11から13への時の流れが加味されているのだと思います。
BGMのせいもあるのでしょうけれど、画面構成なども60年代後半あたりのちょっと懐かしいアメリカのドラマ(といってもリアルタイムでみたわけじゃありませんが)を見ているような気がします。機会があったらDVDでぜひ!
by eastwind-335 | 2007-09-20 00:37 | 映画 | Trackback(1) | Comments(7)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


by eastwind-335