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All you need is love! 韓国オペラをテレビで見る

あんまり暑くて、新聞を読む気力もありませんでした。こういう日に限って、面白い番組を見逃してしまうんですよねー。
報ステの古×××郎が「明日からスイスに取材に行く」と自慢げに言うのに嫌気が差して(昨年はWM06取材と称してDB食堂車で、ドイツ人の客が飲んでいるビールを「美味しそうですね、一口いただけますか?」と飲んだシーンを見て以来、どうも納得ができません)、教育テレビにしたら、韓国のオペラをやってました。
支配階級の文官官吏を意味する両班(ヤンパン)の階層の結婚騒動記「ソヒャンの結婚」。親同士が決める結婚のため、相手の顔もみたことがないまま結婚式を迎えようとするソヒャン、モンワンの二人は、それぞれが自分の幼馴染でもある侍女イップニ、下僕ソワンと身分をとりかえて相手がどういう人物かを探りに行きます。ソワンがお嬢様を好きになってしまう!おぼっちゃんはイップニを好きになってしまう!聡明と評判のお嬢様、どうするか!どうなるか!

愛こそすべて!All you need is LOVE!!!

あれえ、こういう話ってなんかシェークスピアだか西洋のオペラにもありませんでしたっけ?ま、現代の創作オペラですから、いろんな作品のイイトコ本歌取りってことでしょう。
いまだに自分の家は両班の出だというのが誇りという人もいる韓国社会。朝鮮王朝時代には、貴族とはいっても進士(下級官吏)それもお金で立場を買ったということになってる!のおぼっちゃんモンワンと判書と呼ばれる高級官吏の孫娘ソヒャンの結婚自体がありえない。それだけでも歌詞の中に思いっきり皮肉がこめられているのですが、さらに下僕とお嬢様という身分違いの恋なんてぜったいにありえないー。しかし、そこはオペラ。そして、こういう身分違いの恋の物語は朝鮮王朝時代からあったようですねー。
儒教観念に囚われる親世代を揶揄した歌詞などは、今の韓国にも通じるもの。この10数年で韓国も多様な価値観が認められるようになりましたが、私の知り合いのお嬢さんは恋愛結婚は認めてもらえず、結局、親の勧める人との結婚になりました。仕事で一緒になった韓国人の先生は「いいよ、××さんところは。うちなんて、留学しちゃったら帰ってこないんだから」と嘆いています。

All you need is love!  韓国オペラをテレビで見る_a0094449_0232991.jpg日本語オペラ「沈黙」を見たときも思いましたが、言葉のイントネーションと音の高低が合っているオペラはたとえ言葉がわからなくても、面白いし、なんだか聞きほれてしまいます。あー、最初からこれをみておけばよかった。舞台装置も面白いし、コスチュームもいいし、音楽もいい。コスチュームが現代的な軽さを出し、また衣装の色使いも、多分当時は使用を許されない色を用いていると思いますが、化粧を当時を踏まえたものに近いようにしたので、時代背景がわかるようになってます。化粧のおかげでユーモラスな感じも伝わってきます。現代風とはいえ、自国産オペラですから、「マダム・バタフライ」のような妙な「思い込み」はありません。結婚式の様子もしきたりや礼書に即してキチンと描かれていて(といっても、私も韓国文化のクラスでビデオで見たぐらいですが)、興味深い仕上がりになっていると思いました。

舞台で直接観ると、もっと面白いかもしれませんが、内容をしらないままだとチョットもったいないかも。ということで、今日はテレビでよかったかなあと思います。
Commented at 2007-08-18 08:32
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by eastwind-335 at 2007-08-19 07:55
鍵コメ08:32さん、こんにちは。
このオペラ、魔笛とは違った魅力がありました。ハッピーエンドなので観やすかったです。再放送があるといいですね。かなり端折ったみたいですが、私にはそれぐらいでちょうどよかったです。

長時間コピーは実はワタクシのほうかも。なんせ、1冊のコピーに30分ぐらいかかりますから(古い本だったりするので、ページめくりに慎重になります)。もちろん、作品のコピーの人は仕上がりのこだわりがあるから、大量印刷開始までが長いんだなと。何度も色の濃淡などを確かめていましたよ。

観たいもの、ご覧になれましたか?アレがらみでしょうか?
by eastwind-335 | 2007-08-18 00:30 | Musik | Trackback | Comments(2)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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