ローザンヌバレエコンクール決選を見る
2007年 07月 08日
ふとつけた教育テレビで、ローザンヌバレエコンクールの決選を放映していました(新聞で見たら再放送でした)。
体が堅いことがコンプレックスのワタクシ。小学生の頃から、体操の時間になると東欧に生まれなくて良かったーと思ってました。それだからか、子供のころから一度もバレエを習いたいと言ったことはありません。ま、近所に教室がなかったからかもしれませんけれど。でも、お友だちの影響で、二十歳すぎから、グググーンとバレエの魅力に惹きつけられるように。
12人の決選出場者が踊る3つのバージョンを大原永子(新国立劇場バレエミストレス)さんの「愛のある辛口」コメントや解説とともに楽しみました。
3つのバージョンとは、クラシックバリエーション②(音源は自分で持ってきてもよいけれど、振り付けは決まってる)、コンテポラリーバリエーション(オランダ人振付家イリ・キリアンの作品を踊ります。衣装は指定されたもの)、クラシックバリエーション①(音源、振り付けともに指定がある。けれども衣装は自由。)
出場者はどれもが上手いのではなく、やはり、コンテンポラリーが得意な人とクラシックの方が合う人とタイプがあるようです。また、白馬に乗った王子様系、個性のある役の方が向いている系などなど・・・。
2大会前からフリーバリエーションが取りやめとなり①になった説明がありました。フリーだと振り付けの良し悪しばかりが注目され、ダンサーの資質を見逃すことになりかねないのだそうです。踊りこなせるという能力よりも、振り付けによって実力以上に素晴らしく見えてしまうことへの弊害があったからのようです。なるほどなあ・・・と思いました。
大原さんは「すみません、解説といってもこれはコンクールですので、私はここが良くないという見方になってしまうんです」と最初に断っていましたが、ほとんどの人に対して、ここが弱い、ここがよくない、もっとこういう体をつくらないからジャンプが弱いのだなどなどを指摘していました。また、感情が伝わってこない、形だけだというものには本当に手厳しいコメントでした。表情がない、とかジャンプがキレイではない程度でしたら私もわかるのですが、音の光と影からとらえる、なんてことについては、今回、一番勉強になったことです。必ずしも欧米の子が上手というわけでもなく、そういう意味でも、今はアジアの人たちもがんばっていると感心しましたが、ただ、特に男子はまだまだアジアの人は重たいですね。腰がちゃんと作られていないかららしいですよ。テルモ・モレイラというポルトガル少年は踊る喜びが見ているほうにストレートに伝わってきました。愛嬌のある顔つきだし。大原先生もお気に入りなのですが、「でもテクニックがまだまだ、というところもあるのよね」と大原先生はお気に入りながらもピシリと解説。バレエ界の少年のだめ、というところでしょうか?
このコンクールの順位というのは、スカラシップ受賞者の発表順番でわかる仕組みで、1位が一番最後に呼ばれます。
日本からも何人か出ていましたが、ミュンヘンに留学中の河野舞衣(生まれたときから踊ることを約束されていたような名前ですよね)さんが2位入賞でした、スカラシップ(1年間の留学費用と生活補助金)と観客賞(06年度から親切されたもの)を受賞。1位は韓国からの出場者でした。二人とも次代のアジアン・ビューティーという感じでした。豊かな黒髪、優美な表情。はっきりいって、ミスユニバースよりずーっとキレイでした。ま、ミスユニバースは、作られた美ですものね。どの人も同じ顔にお化粧されてこれで美を競うっていうのがよくわからない。
番組の最後に、大原先生が「ローザンヌで入賞したからといってプロが保証されたのではない。初めの一歩なのだ、と。テクニックだけでなく、個性が必要になる。それをどう積むかというアドバイスがありました。個性はその人のもつ教養や一般常識が醸し出すものだ、と。日常の経験が大切なのだと、これは私たちにも通じることだなあ・・・と。
私の年上のお友達がバレエ好きで、私も自分でチケットを買うだけの余裕ができるようになってから(つまり就職してから)年に1,2度連れて行ってもらうようになりました。今はその友だちが介護のために時間がとれません。私一人で見に行けないわけでもないのですが、全くその方面に無知だった私に色々と教えてくれた彼女が介護で家族のために心も体も使っているのを思うと、なんだか一人で行く気がしない。いつか二人がおちついたら、次代のバレエダンサーを見に行きたいと思ってます。その頃には、今回の受賞者がどこかの舞台で踊っているのを観ることができるといいなあと思ってます。
体が堅いことがコンプレックスのワタクシ。小学生の頃から、体操の時間になると東欧に生まれなくて良かったーと思ってました。それだからか、子供のころから一度もバレエを習いたいと言ったことはありません。ま、近所に教室がなかったからかもしれませんけれど。でも、お友だちの影響で、二十歳すぎから、グググーンとバレエの魅力に惹きつけられるように。
12人の決選出場者が踊る3つのバージョンを大原永子(新国立劇場バレエミストレス)さんの「愛のある辛口」コメントや解説とともに楽しみました。
3つのバージョンとは、クラシックバリエーション②(音源は自分で持ってきてもよいけれど、振り付けは決まってる)、コンテポラリーバリエーション(オランダ人振付家イリ・キリアンの作品を踊ります。衣装は指定されたもの)、クラシックバリエーション①(音源、振り付けともに指定がある。けれども衣装は自由。)
出場者はどれもが上手いのではなく、やはり、コンテンポラリーが得意な人とクラシックの方が合う人とタイプがあるようです。また、白馬に乗った王子様系、個性のある役の方が向いている系などなど・・・。
2大会前からフリーバリエーションが取りやめとなり①になった説明がありました。フリーだと振り付けの良し悪しばかりが注目され、ダンサーの資質を見逃すことになりかねないのだそうです。踊りこなせるという能力よりも、振り付けによって実力以上に素晴らしく見えてしまうことへの弊害があったからのようです。なるほどなあ・・・と思いました。
大原さんは「すみません、解説といってもこれはコンクールですので、私はここが良くないという見方になってしまうんです」と最初に断っていましたが、ほとんどの人に対して、ここが弱い、ここがよくない、もっとこういう体をつくらないからジャンプが弱いのだなどなどを指摘していました。また、感情が伝わってこない、形だけだというものには本当に手厳しいコメントでした。表情がない、とかジャンプがキレイではない程度でしたら私もわかるのですが、音の光と影からとらえる、なんてことについては、今回、一番勉強になったことです。必ずしも欧米の子が上手というわけでもなく、そういう意味でも、今はアジアの人たちもがんばっていると感心しましたが、ただ、特に男子はまだまだアジアの人は重たいですね。腰がちゃんと作られていないかららしいですよ。テルモ・モレイラというポルトガル少年は踊る喜びが見ているほうにストレートに伝わってきました。愛嬌のある顔つきだし。大原先生もお気に入りなのですが、「でもテクニックがまだまだ、というところもあるのよね」と大原先生はお気に入りながらもピシリと解説。バレエ界の少年のだめ、というところでしょうか?
このコンクールの順位というのは、スカラシップ受賞者の発表順番でわかる仕組みで、1位が一番最後に呼ばれます。
日本からも何人か出ていましたが、ミュンヘンに留学中の河野舞衣(生まれたときから踊ることを約束されていたような名前ですよね)さんが2位入賞でした、スカラシップ(1年間の留学費用と生活補助金)と観客賞(06年度から親切されたもの)を受賞。1位は韓国からの出場者でした。二人とも次代のアジアン・ビューティーという感じでした。豊かな黒髪、優美な表情。はっきりいって、ミスユニバースよりずーっとキレイでした。ま、ミスユニバースは、作られた美ですものね。どの人も同じ顔にお化粧されてこれで美を競うっていうのがよくわからない。
番組の最後に、大原先生が「ローザンヌで入賞したからといってプロが保証されたのではない。初めの一歩なのだ、と。テクニックだけでなく、個性が必要になる。それをどう積むかというアドバイスがありました。個性はその人のもつ教養や一般常識が醸し出すものだ、と。日常の経験が大切なのだと、これは私たちにも通じることだなあ・・・と。
私の年上のお友達がバレエ好きで、私も自分でチケットを買うだけの余裕ができるようになってから(つまり就職してから)年に1,2度連れて行ってもらうようになりました。今はその友だちが介護のために時間がとれません。私一人で見に行けないわけでもないのですが、全くその方面に無知だった私に色々と教えてくれた彼女が介護で家族のために心も体も使っているのを思うと、なんだか一人で行く気がしない。いつか二人がおちついたら、次代のバレエダンサーを見に行きたいと思ってます。その頃には、今回の受賞者がどこかの舞台で踊っているのを観ることができるといいなあと思ってます。
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nyf1403 at 2007-07-08 19:58
ナイトウさんのお友達のお嬢さんが、バレエ学校にきています。大学を卒業して、でも、やはりバレエをやりたいということで。でも、年齢からいって、オペラハウス付属の学校にははいれなくて、私立のでも、とてもよい学校でがんばっています。彼女をみて、あぁ、バレエダンサーなのねって思います。顔が小さくて、細くて、でも、筋肉はあって・・・。日本に帰ってバレエの先生になりたいそうです。いいなー、20代って、まだまだ時間がたっぷりあって。
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eastwind-335 at 2007-07-08 20:06
nyfさん、こんにちは。
Stuttgartの州立バレエは有名じゃありませんでしたっけ?私、学生のころ東京のゲーテでドイツのバレエ学校に所属しているのだけれど体の故障のために一時帰国しているという人と同じクラスになったことがあります。当ててもらうときに手を上げますよね、そのしぐさがすでにバレエでした。その人はStuttにもいた、とか言ってたような気がする。でも私立の学校かもしれませんものね。
お習字の先生の御宅近くにも某バレエ団のレッスン場があって、小顔で細くて手足の動かし方一つ一つが違うなーとわかる小さなお嬢ちゃんと地下鉄で一緒になることがしばしばあります。東京では流行の習い事のようです。大人向けというのもありますし。
そういえば、バレエ音楽専門のピアニスト、ドイツでも職業として確立しているのでしょうか?
Stuttgartの州立バレエは有名じゃありませんでしたっけ?私、学生のころ東京のゲーテでドイツのバレエ学校に所属しているのだけれど体の故障のために一時帰国しているという人と同じクラスになったことがあります。当ててもらうときに手を上げますよね、そのしぐさがすでにバレエでした。その人はStuttにもいた、とか言ってたような気がする。でも私立の学校かもしれませんものね。
お習字の先生の御宅近くにも某バレエ団のレッスン場があって、小顔で細くて手足の動かし方一つ一つが違うなーとわかる小さなお嬢ちゃんと地下鉄で一緒になることがしばしばあります。東京では流行の習い事のようです。大人向けというのもありますし。
そういえば、バレエ音楽専門のピアニスト、ドイツでも職業として確立しているのでしょうか?
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nyf1403
at 2007-07-08 21:00
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レッスンのとき、ピアノ伴奏をする人はいます。でも、舞台はオケが演奏だし、専門のピアニストという分野があるのかどうか、わかりません。
そう、ここの州立バレエそして、その付属学校は有名です。ジョン・クランコ学校というのばバレエ学校で、未来のプリマをめざして、寄宿舎にはいってという小学生もいますよ。もちろん、通いの子達も大勢です。
そう、ここの州立バレエそして、その付属学校は有名です。ジョン・クランコ学校というのばバレエ学校で、未来のプリマをめざして、寄宿舎にはいってという小学生もいますよ。もちろん、通いの子達も大勢です。
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東風
at 2007-07-09 07:10
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わー、寄宿舎に入る小学生もいるんですね。ウィーン少年合唱団みたいです。どういうカリキュラムになっているのか、興味津々です。小学校へは寄宿舎から通うということなのでしょうか。ものすごい意気込みを感じる反面、親を通じて得るいろんなことを捨ててしまう可能性もあるのかも、とチラりと思ったり。プロになることを目標にがんばるのには最高の環境かもしれませんが、もし道を変えたいと思ったとき、どうするのかなあと(他人事ながら)ふと気になる私です。ほら、ウィーン少年合唱団は変声期までという期間限定みたいなところがありますが、バレエは自分がその道から降りなかったら(もしくは才能を否定されない限り)、ある年齢までは道がずーっと続いているわけでしょう・・・?
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nyf1403
at 2007-07-09 15:01
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この学校は午後がレッスンですから、寄宿舎の子達は、普通に学校へいって、そのあとです。ギムナジウムにいくことはないんじゃないかな、と思うんですよね。Realschuleでしょうか。たしか、わりと小さいうちにふるい分けがあるんじゃないかと思います。きつい反面、プロでやっていける才能がない子の場合、はやくに見極めてもらわないと、困るということもありますよね。もちろんそれでバレエをやめるということではなく、別の場所で続けるんだろうけど、って、想像で書いていますからー!
by eastwind-335
| 2007-07-08 17:16
| 日常
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