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読書傾向

私よりも、もっと本好きの方が多いと思うのですが、私は実家では、一応
「本好き」として通っています。
仕事でも活字なしにはやっていけませんので、一般的な40手前の女性としては「活字世界」の
中に浸かっているほうだと思います。もっとも、同じ業界の中では「全く、読んでない」部類に
入っています(汗)。

当然のことながら、読書好きな方は世の中にたくさんいらっしゃるので、私の読書なんて
たかだか知れている、という自覚はきちんとあります。

私は、原則としては図書館で本を借りますが、シリーズ全てを揃え、蔵書したくなる作家、
つまり「御贔屓」が何人かいます。
そして、その中で、「新刊」で買う作家と「古本屋」で買う作家とに分かれているのです。

まあ、読書の秋だし、日常のバタバタから、ちょっと別世界へ飛び込みたくなって、ブックオフ(古本屋)へ通勤の帰りに寄ってきました。

買ったのは、カズオ・イシグロの「私たちが孤児だったころ」(早川書房・文庫版)。
カズオ・イシグロは、映画「日の名残り」の原作でも有名な、在英日本人作家です。ご尊父の仕事の都合でイギリスへ渡英し、イギリスで教育を受け、英語で小説を発表しています。
私は原著で本を読むほど語学力はありませんので、どうしても翻訳に頼らざるを得ないの
ですが、彼の作品を訳す人って、どんな人も「Kazuo Ishiguro」ワールドを上手く
作り出していると思うんです。彼の話って、周りがどんなに盛り上がろうとも冷静な感じで
進んでいくように思います。話はカラーなんだけれど、決してスチール写真じゃない
けれど、「静」を強く感じてしまう。
これは、1930年代後半の上海が舞台の一つであるんだけれど、Kazuo Ishiguroの
描く、上海で少年時代を送り、ケンブリッジを出たイギリス人探偵を通して、当時の上海の
においというものを感じることができないのでした。彼の熱い心も、どういうわけか、
画面停止したなかで駆け抜けていくような(上手く表現できないんですけれど)。
当時の中国の歴史について研究している私の知り合いの論文を読んだばかりで、
その熱さに圧倒されていたからかもしれません。

しばらくおいて、読み直そうと思います。

彼が脚本を書いた「上海の伯爵夫人」が近日公開とかで、先日、新聞でも大々的に取り上げ
られていました。ちょうど、彼の文庫を半分近く読み終わったときに読んだ記事で、
時代背景は今読んでいる本と同じなんだなということがわかりました。
ひょっとしたらスピンオフみたいなものかもしれません。脚本を小説化することがあったら
読んでみたいと思います。

でも、映画は見に行かないでしょう。
Commented by nyf1403 at 2006-10-21 16:43
こんにちは。
カズオ イシグロは、「日の名残」と「私達が・・」ともう一冊、日本女性が二人出て来るのを読みました。
最近、新作が出ましたよね。
Commented by eastwind-335 at 2006-10-22 09:44
カズオ イシグロの新作、ちょっと、ググってみたところ、少し毛色が違って、未来小説(本屋の帯にも確かそう書いてあったように思います)。彼の作品に一貫しているテーマ「記憶」は変わらないようですね。
by eastwind-335 | 2006-10-21 08:55 | 日常 | Comments(2)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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