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歴史とサッカー

今日、知り合いに紹介され、御茶ノ水にある在日韓国YMCAでのイベント「ここフェス」へ行ってきました。
この「ここフェス」は最近の「ヘイトスピーチ」や「偏見」をなくす手段として、私たちがもっと「日本に暮らす、日本へ来た外国人のことを知るために」、ということで開催されたものです。

映画上映会あり、対談式トークショウあり、ライブあり、と催し物はさまざま。
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いくつものイベントに顔を出してみました。特に、映画「ムヒョンー二都物語」はドキュメンタリー映画なのですが、見ごたえがありました。私が長らく疑問だったことも映画の後のトークショーでうっすらわかってきたような・・・。

あとはこれ。
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CONIFAの大会については実川さんがすでにネットで紹介していたことだったので、私にとっては初耳な話でなかったのですが、FAREについては知らなかったので、勉強になりました。
ARICは、今年の一橋大学学園祭で心無い人たちの発言がきっかけで新聞でも取り上げられた反差別のために活動するNGOです。FAREという反差別のためのFIFA公認NGOから誘われ、日本のサッカーの差別のWatch dogの役割を果たしています。FAREはロンドンに本部のあるヨーロッパを中心とした活動をしている国際NGO。どういう仕事をするのかなどの説明ののち、日本の差別監視にあたり、何が問題になるのか、という話になりました。

今シーズンのAFCでは「旭日旗」問題がありますよね。川崎の社長は問題の重要性を無視して「旭日旗のどこが悪いのかわからない」とこれからも機会があったら理解を求めると言ったそうですねー。
スガのGGyも最初に問題になった時、わざわざ記者会見で言いましたよねー。あの旗で「これがニッポンです」って言いたいんだったら、東京オリンピックでも表彰式には旭日旗をあげたら?
っていうか、Jリーグも、そしてそれを指導する文科省も国旗国歌法を忘れてるのか?日本の国旗は日章旗ひとつにしたんでしょ?

梁さんと実川さんの話は興味深くあるのですが、もうちょっと掘り下げた話をしてほしかった。
可視化することで差別をはっきりさせる。その基準はヨーロッパだとすでに明文化されなくてもはっきりと線引きがあるけれど、アジアについてはまだまだみたいです。ルール化が大切という話になりました。
そのルール化のために私たちができることは何か、という話まで行って欲しかった。
私は、まずはFAREの活動のことをもっともっと活字メディアが取り上げるべきだと思います。
まさか日本サッカー協会やJリーグ機構がFAREのことを知らないとは思わないけど(というか、知らないとは口が裂けても言えないでしょうけれど・爆)、会長、副会長といった「個人ベース」はどーかなあ?

それともうひとつ。ヨーロッパのルールは、ヨーロッパの歴史が作ってきたもの。実川さんが私たちもヨーロッパの歴史をわかっていないところがあるけれど、ヨーロッパもアジア(日本)の歴史をわかっていないと強調していました。それは私も旅行をする都度思うのだけど、「わかってない」という言葉で片づけていいのか、と。

だって、ワールドカップで私たちはこういうシーンをちゃんと目にしているんだから。(この写真が出てきたとき、思わず「ラムたん!」と声を挙げそうになりました(汗))
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(なぜFIFAがこのイベントをするのか、ということをきちんと日本サッカー協会は各局アナウンサーに同じ文章でいいから解説させたほーがいいよね)

アジアの歴史をわかってもらうために、できることはある。FAREと日本のサッカーメディアがもっと近づいていくこと。日本の歴史の負の部分も隠さず、またアジアのサッカー界で日本がやってきたことももっとPRして。

そして、選手たちには世界の歴史を、近現代史に限ってもいいから(本当は近代以前の問題があるとは思うけど)、勉強してほしい。対戦相手に決まったチームが背負う国のことは。地理も歴史も。目の前のボールを追うライバルのメンタリティも。フロントはアホでも、選手たちから「そういう騒ぎを起こして無観客試合になんかしないで欲しい」とフロントにきっちり言える、そういうチームができたらいいのに・・・。

歴史認識に欠けるクラブチームに注意ができない日本サッカー協会には期待できないことだけど、こうやって反差別を正面から考えるNGOに声をかけてくるFIFA公認の国際NGOがある。日本にもこういう繋がりや流れができつつあることに嬉しさを覚えるひと時になりました。しかし、一時のことで終わってはいけない。特に、オリンピックという魔物が近い今。面倒なことを「玉虫色」に言い換えたり「隠す」のが時の政権。
(「アンダー・コントロール」とか絶対無理なことを平気で世界に向かっていったシュショーがいるぐらいですからね、うちの国には)
ベルリンオリンピックで何があったか、忘れてはいけない。

最後の「もうひとつの約束」という映画まで見られたらよかったのですが、残念。時間が合わなかった・・・。

こういうイベントを開かなくても済む、そういう日本の社会になりますように。しかし、こういうイベントができるってことは、差別を差別と気が付かないボンヤリな人ばかりの国ではない、という証かもしれない、とも思います。

by eastwind-335 | 2017-09-02 20:59 | 極東のサッカー | Trackback | Comments(0)

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