人気ブログランキング | 話題のタグを見る

また春はやってきて

4月1日は、私の学校時代のサークル顧問だった先生の墓参の日になっています。
今年は運よく土曜日だから伺える!と、元締めの、もうすぐ傘寿を迎えようかという大先輩への年賀状に書いておいたのですが、木曜日には朝から天気予報で週末は雪かも、という言葉が聞こえるように。
木曜の夜に、この大先輩から直々に電話を頂き、老人の多い墓参なので週明けの平日に設定し直した旨を伺いました。

「平日は年度初めは休めないのです」といった私に、先輩が「東風さん、大丈夫、先生は○○霊園で眠っていらっしゃるんですから、お墓はなくなりません。ご都合の良い日に先生に会いに行ってさしあげなさい」と。

私がこのサークルに入ったのは、ほんとに偶然で。私よりも母親のほうがチラシに興味を持ち「行ってみたら?」と勧めたのでした。もうそのときには顧問の先生は「名誉教授」でしたので、やさしいおじいちゃま、という感じでしたが、戦後まもなく、わたしたちの大学にやってきた、外国帰りの先生は、授業中、厳しくも現地で得てきた知識を惜しみなく学生に伝えたと伺っています。戦前の海外の大学での日々は、この先生にとってすべてが満足であったわけではないでしょう。戦前、兵役から逃れるために長髪で徴兵検査へ行き、思いっきり検査官に殴られたものの、検査不合格。当時、男性としては不合格というのは世間体の問題があったと思いますが、合格したからといって皆が徴兵される時代でなかったことも幸いしたでしょうし、先生の学歴もまた徴兵の対象から外される順位の高い要因だったはず。しかし、先生はこの不合格を「計算してやった」という面があったので、海外に行く機会が巡ってきたときに躊躇せずのその道を選び、戦争から遠いところに身を置きたかったのだろうと想像します。
しかし、実際には、兵隊としての徴兵はなかったものの、戦後、逆に民間人として日本に帰国するまでにどんなに大変な思いをしたか。そのお話をなさるたびに、「絶対に戦争はいけません」「自分を持ちつつも、行った先ではそこの文化、生活行動を取り入れる勇気を持つことが大切です」とおっしゃりました。先生は、すでに大衆化されている大学に身を置いていたのに、いつも、サークルの会合では「大学生」というものには役割がある、と信じているような口調でお話がありました。
先生は21世紀を迎えるよりもちょっと前にお亡くなりになりましたが、すでに私が大学生の時には慰安婦問題が起きていて、「そんなことはなかった、なかった、というのは政府の常です」と案じるようにおっしゃっていたことを思い出します。今を御覧になったらどう思われるだろうか、と。

いまは、言葉はできなくともクレジットカードとスマホさえあればチケットを簡単に購入して、Eチケットを空港で見せて帰国できます。
知人のお子さんが大学の再試対象となってしまったのに親もどこにいるかわからなかったそう。「大学の定期試験なんて簡単なモンすら合格できないで!お前みたいなのは七つの海を泳いで帰ってこい!」って言うつもりだったそうですが、時すでに遅し。連絡が付いたときの第一声は「ボク、色々買っちゃって、(学生カードの)上限近いから、おとうさんの名義のカードでチケット買ったけど、片道だからノーマル運賃しかなかった」だとか。しかも、ノーマルだからそのお子さん、足元広々のところにアップグレードしてもらったそうで(爆)。試験も無事に終わってよかったね、の笑い話で済んでいますが、そのお父さんは「大学の半年の学費並みのお金が余計にかかったんだ、あのアイツには!」とカンカン。

そんな息子さんも無事に明日から社会人!
明日からは新入社員が民族大移動のように駅を右往左往し、さらには、どういうわけか、改札を出たところで集団出勤なのか、わらわら集まってジャマで仕方ない。オトコのくせにいまの若いのは一人で出勤できないのか!と怒り心頭になる前に、私が早めに出勤することでそーいうイマドキのお子ちゃま会社員を回避するつもりです。

Commented by 虎ママ at 2017-04-02 17:33 x
こんにちは。水仙が綺麗に咲いています。
新入社員、新入生。。ピカピカのランドセルから新品制服。。。日本の四月ですね。こちらには、新入社員が群れをなしてという光景はありません。なんか、懐かしい?
Commented by eastwind-335 at 2017-04-03 05:36
虎ママさん、おはようございます!
ヨーロッパの春は水仙ですねー。こちらも桜がいい感じで蕾から花開いています。
そうですよー。新品ピカピカのなか、私は数年前の恰好で出勤です!新入社員の群れに新入社員予備軍である就職活動中の大学4年生も一緒になるので大変です!
昔は新入社員と就職活動中の学生は区別がついたものですが、いまはどっちも「黒スーツ」が基本のようで、見分けがつきません・・・(とほ)。
そして、いまの若い人たちは「ピッカピカの一年生♪」と誰でも歌付きで言えたあのCMキャッチコピーを知らないんですよ~。学齢別雑誌、私も気づかないうちに廃刊になっていたんです!!!
来週あたりから、黄色い帽子のピカピカのランドセル姿の小学生とそのお母さんたちが加わります。マンションの入り口も賑やかになることでしょう。
by eastwind-335 | 2017-04-02 06:25 | 日常 | Trackback | Comments(2)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


by eastwind-335