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レントな旅(17)ここが、イングランドのキリスト教の礎

*3月に行ったイギリス旅行の続きです*
お昼を食べてから向かった先は、カンタベリーの観光名所の一つ(のはずの)聖アウグスティヌス修道院(跡)とセント・マーティン教会。
街の中心地から歩いて10分もしません。食事中、雨が降っていたので道が濡れています。ここの時計塔も観光名所の一つなのだそうです。
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アウグスティヌスは、フランスからキリスト教宣教のためにやってきた司教。私はいわゆる神学者であるアウスグティヌスと混同していたのです(笑)。カンタベリーに来る前は、てっきり、神学者であったアウグスティヌスにちなんだ名前なんだろう、と思い込んでいました。このカンタベリーのアウグスティヌスとは生まれた年も活動の場所も違う、と前夜、ググっているうちにわかってびっくり!(すみません、モノを知らないもので・・・)

街の城壁を超えたところ、10分もしないところに修道院があります。修道院と城壁の間には大きな循環道路が走っています。通りの向こうに見えた家がこれまた私のツボをつきました。
なんか、「良識ある人たちの家」って感じがしませんか?
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ここは昔、旅籠だったのでは?と思いたくなる門。馬車が通った感じがします。写真を撮った時は、形が目についただけだったのですが、こうやって見直すと、ドアの色が印象的・・・。どんな人が暮らしているのかしら?一人だったらブラブラするのですが、家人と一緒だとなかなかね・・・。
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さ、到着です!ここもナショナルトラストの一つ。前日のドーヴァー城見学で買ったパスポートがここでも利用できます。
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カンタベリーの聖アウグスティヌスは6世紀後半の人で、初代カンタベリー大司教です。この聖アウグスティヌス修道院は598年から建造が始まったとのこと。
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ヘンリー8世が修道院解散令を出したのちは荒れ果ててしまったのですが、現在は「観光資源」として、人々の記憶に残る場となっています。
素敵なタイルだな~。
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まったく予備知識なしで来たので、「え?遺跡なわけ?」とちょっぴり驚きもしましたが、逆に自由に歩くことができ、その広さを体感しました。

また、どのように拡大したのか、どのあたりに何があるのか、などの解説板が充実していましたし、イヤホンガイド(日本語版)もありましたから、私のような手ぶらででかけても十分楽しめます。
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前日にドーヴァーへ行ったため、フランスとの距離が体感できていたこともあり、この地がイギリスのキリスト教の礎なのか、ということは十分納得できました。一方で、あれあれ?積読化されつつある「フィデルマ」シリーズの舞台はいつの時代の話だったんだろう?あれは7世紀のアイルランドだったはずだけど・・・。帰国して、ちょっくら図書館でその手の辞典を引き、大雑把に把握したことをまとめると、古代ローマ帝国の侵攻により、ブリテンにはキリスト教が入っていた。しかし、ローマが撤退し、アングロサクソンが入植することでキリスト教は一時的に衰退。再びのキリスト教布教を担ったのがカンタベリーのアウグスティヌス。「フィデルマ」の舞台はアイルランドで、そこはケルト系住民によって受容されたキリスト教が展開されていた、ということらしい。

つまり、アングロサクソンとしてのイングランドでのキリスト教布教を担った中心が、カンタベリーの聖アウグスティヌスを中心とするグループ。

こんな大雑把なことすら知らずに行った修道院跡。見学者も少なくて、ゆっくり、過ぎ去った日を想像しながら歩きました。なんといっても、朝の雨が嘘のようにあがり、晴れて春の空が広がる、というすばらしい日曜の午後だったのでした。もちろん、ちょっぴり寒かったですが、「すごく寒い」わけでもなく。


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近くに寮付きの学校かスポーツクラブがあるようで、少年たちがサッカーをしていました。
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寒いのに半そで半ズボン・・・。なんか、懐かしい丈のズボンだわ。
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ビジターセンターには、ナショナルトラストの売店があります。
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ここケント州はイギリスの農業を支えている州の一つ、ということで、特産物も扱ってます!私たちもジャムと甘いワインを数本買いました。
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そこからさらに10分ぐらい歩いたところにあるセント・マーティン教会へ向かいます。
後で気づいたのですが、私たち、留置所の前を歩いていたみたい。その塀沿いに埋め込まれていたポスト。日本の郵便制度の祖であるイングランドの郵便制度ですが、いまや、一日一度しか回収しない。東京では日に何度も集めてくれることに感謝します。たとえ、インターネットが日本どころか世界中に網の目を広げても、やっぱり、郵便物のもつ温かさにはかなわない。そしてその温かさを感じることができる感性だけは保っていたい。
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門が堅く閉まっていたので隙間から撮ってみました。
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さて、道なりにあるいていくと、こんな感じの門が見えてきます。
なんかどっかで見たな~こんな雰囲気。
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とここまで来て思い出しました。五反田のドイツ語教会の入り口になーんとなく似てる気がします。
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ここは4世紀半ばに建造されたイギリス最古の教会なのだそうです。つまり、古代ローマ帝国の影響で広まったキリスト教の流れでできたもの。中に入って見たかったのですが、残念、しまっていました。カトリックだといつも扉が開いているものですが、プロテスタント教会って礼拝前後のみということもありますよねー。
ぐるっと教会の周りを一周しました。
屋根が美しいなー。こういう石積みの教会って素敵です。
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帰国して、知ったのですが、内部も素敵なのだそうですよ。ステンドグラスも小さいながら良質のものがあるそうです。
外からじゃわからないけれど、この向こうから見たら素敵だっただろうなあー。
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あー、行きたかったなー。第一日曜日には音楽会もあるんだとか。えー、私たちがいたのは、第一日曜日だったんですけどー(涙)。
私と家人はまったくの不勉強ででかけたので、「お墓の形いろいろあるねー」なんて言いながら歩いたのですが、歴史的著名人の墓もあるそうです。
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再び街の壁の中に戻ると、2時間は経っていた!
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時計のあたりが素敵なんですよ!この時計を支えているのは誰?戦争で一度崩れた塔ですが、再現されたのだそうです。
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また明日出直すのだけれど、天気が良いので夕刻のカンタベリー大聖堂を写したいという家人の希望があり、ちょっぴり外側だけ見学。
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この日の見学の終わりは、ホテル前にある城壁。
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どうやって石を積み上げていったのか。当時の人たちの地道な努力と、経験と心と頭とで計算されつくした建築を目の当たりにすると、「防災」目的にパソコンで数字を入れて作り上げている日本各地の防波堤は空しくみえてきます・・・。

こちら側が、私たちのホテルから見える風景。
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ちなみに、城壁から見える私たちの宿泊したホテルはこちら。
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ホテルの向こうにある公園にも足を延ばしてみました。物見塔があるんですよん。
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ヨーロッパの各都市に残る「街を区切る城壁」を視点に街を見るのも面白そう。
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反対側は先ほど歩いていた旧市街。
頭一つ飛び出ているのが大聖堂です。
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公園の周りには大小さまざまな、しかしいかにも「イングランドっぽい」家があるようです。芝の緑と建物の白さが印象に残りました。
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上の写真の裏側はこんな感じ。
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夕焼けが美しい日曜のひと時を楽しみました。
素敵なパブもみつけたのですが・・・。
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夜は・・・お昼でお腹がいっぱいになったので、お部屋で日本から持ってきたアルファー米などを食べて過ごしました。イギリスで3食外食はやっぱり無理だなー。

by eastwind-335 | 2017-08-04 05:59 | 旅の思い出17受難節のイギリス | Trackback | Comments(0)

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