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図書館で借りればよかった

堅い内容の硬い表紙の本、つまり「専門書」なるものを自腹を切って買いました。仕事に役立つ内容だと思ったからです。

評判がいい、というよりも、この人のソフトカバー本を読んだとき、ほほー、と「知らなかったこと」について勉強になったので、某大学出版局が出した本だったらもっと内容が濃いだろう、と思って新著を買ったのでした。

でも、読み始めて、序論(テーマや構成がまとめて書いてあるところ)からして、書き手の人格を疑いたくなるような文章が注に散見されて、私は気が滅入っています。

専門性のある仕事というのは、共通の手順がある。その手順を踏まず、著者のこれまでの業績を全く無視(つまり注に彼の名前が出てこない)した内容で近年業績を発表している人に対する批判が注に散見しすぎ・・・。

どんな仕事であっても、できるだけ、オリジンに近づくことへの手間を惜しんではいけない。コピペだの、盗作騒ぎだの、というのは、この手間を惜しんだ人たちが起こす。だから、この著者の警告というのは、傾聴の価値がないわけではないのです。

でも、なんというか・・・。文章の品格のなさ(別に乱暴な文章を書き連ねているわけではないんですけどね)に、「はいはい、そうだよねー、でも、それ、私がしたことじゃないだけど?」という気分に。

どうしてもその人に何かを言いたいんだったら、あなたがたの研究雑誌とか研究集会とかでやってほしいんだけどなー。
著者はどっかの大学の先生になったらしいのですが。講義もこんな感じで、学生にとっては一生会うことがないような研究者(この著者は研究者とも認めてないんだろうけど)の批判を聞かされ続けていたら・・・と、なんだか学生のことが心配になってしまったほど。
この人のソフトカバーの本に掲載されていた著者近影が風変りだったことを思い出しました。あの時は、「シャレ」でやってるのかと思いましたが(私自身は軽い嫌悪感を覚えた)、そうじゃない、この人はその手のひとなんだ!と確信。
いろんな事情があるのでしょうけれど、自分が無視されるのが嫌なのでしょう。自己主張が強いタイプというか・・・。

私が高校時代、自分が巧くクラス運営をできないだけだったのに、担任をしている生徒たちがあれやこれやを起こすたびに「あいつらはバカばかりで。キミたちの学年は優秀なんだから、ああいう先輩みたいなことになってはいけない」と1年にわたる授業で何度も愚痴る国語教師がいました。あの時に感じた不愉快な感覚(人を巻き込むな!)を久しぶりに(30年以上ぶりに!)思い出すことになってしまいました。

高い本だったのになー。本のテーマや構成はいいのになー。文章から醸し出される人柄がなー。読み終わったら早々に手放したくなるような、気の重くなる本です。図書館で借りればよかった。


by eastwind-335 | 2017-06-05 06:28 | 日常 | Trackback | Comments(0)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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