語り継ぐ映画

大晦日から元旦にかけてヨメ修行から、例年に比べると早めに解放された私たち夫婦。
夕方には自宅に到着。
家人は風邪が抜けないままの年末突入して実家へ行き、実母の「心配」という名の詰問でノックダウンしました(ワタクシが何度「年末に体調が悪いのはいつものこと」と言ってもシウトメは「私は耳が遠いから」と聞き入れません・爆)。家人が「風邪を老人に移すのはわるいから」と言い張り、いつもより早くに「私たちのおうち」へ逃げかえる姿勢に。私には、帰りの電車の中で、この3が日は寝正月と宣言してました(笑)。
おかげでお雑煮も不要とのこと。お節は元旦に食べるからわざわざは用意してありませんが、お節に入ってる「お酢系の料理」は私にとっては「作り置きおかず」ですので、冷蔵庫内にスタンバってます(笑)。

私は、寝正月はもったいない、と二日からちょっくらおでかけ。海辺の街の両親にバレたら叱られそう(笑)。私はこの年になっても、子供の時のように「三が日は家で静かに過ごしなさい」といわれてます。
うちの近くの通りを箱根駅伝の選手が走りすぎるのをみながら(ほんと、あっという間に走り抜ける!)駅へ向かい、恵比寿へ。

もう上映が終わったと思い込んでいた「ニコラス・ウィントンと669人のこどもたち」を見てきました。
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正月2日にしては10名ほどが着席していました。
私は映画の原作ともいうべき本を数冊読んでいたので、ああ、そうだったんだ、こうだったんだ、と映像を見ては、ウルっとしてましたけれど、一方で、ロンドンをはじめイギリスを襲う空襲の体験を語る口調には「生きるためのユーモア」を感じさせるものがありました。もっともっと哀しいことを体験しているからなのか。

子どもたちを救うために、正攻法だけでなく、ちょっぴり早めにハンコを押しただの、政府にかけあったうえで保護団体を作ったものの、たった二人の団体で、名誉事務局長を名乗り、チェコスロヴァキアに暮らしていたユダヤ人の子供たちを助けようとしたなど、よくぞ捕まらずに!と思うような綱渡りも経験したニコラス。しかし、彼はたいていのことをまるで「物語を読み聞かせるかの如く」ユーモアたっぷりに話していた。ただ、1939年9月の250名ほどの子供たちが出発間際に第二次世界大戦となってしまい、救出ができなかった、ということを悔やむその表情に、右手でしたことを左手に知らせなかった一つの理由はここにあるのではないか、とつくづく思いました。

ウィントンによってイギリスへ送られ、そして現在を「生きている」ことは、「子どもだけは安全な場所へ」と願う親の勇気があってこそなのだと心に置いて生き抜いてきた「かつての子供たち」。

信念をもって行動をすれば、道は拓けていく。
そのウィントンの思い受け継ぐ人たちには、単に彼を知って、ではなく、自分の命をも保証してくれた人がしてくれたことだから、と思う「かつての子供たち」の子供や孫もいる。

つくづく、この映画を「パディントン」に重ねた日本の宣伝が哀しくなった。確かに、「パディントン」はキンダートランスポート運動に重なる部分もあると思う。キンダートランスポートの体験を自叙伝にまとめた本をすでに読んでいたときはあまり気が付かなかったけれど、映画を見ると、「輸送された子供たち」を引き受けた家族はまるでパディントンを受け入れたブラウン一家のよう・・・。パディントンがブラウン家に到着した夜の騒ぎに似たような思い出を語る体験者もいました。でもこの映画の本質はそこではない。
時代は変わっても、直接的な戦争とかかわらずとも、ウィントンの思いを受け継ぎ、誰かの命のために自分たちができることは何かを考える、その勇気と知恵を持つことの大切さやその気づきがこの映画のテーマだったと思います。

その一方で、「くまのパディントン」に関連付けて日本で(大人に対して)この映画を紹介した以上は、この本を単に子供が夢中になる児童書とみなすだけではなく、2度目に読む人たちに対しては「キンダートランスポート」を背景に読み直すよう呼びかける声があってもよいのかも。オトナの読み直しって、そういうことなのかな、と。そして、20世紀にこの本を「楽しく読んだ」者として、21世紀にこの本を読む子供たちに、暗国の地ペルーからやってきた一匹の子クマの「ものがたり」ではなく、私たちが生まれてくる前に実際におきたことを時を超えて「クマ」が語っているものなのだ、とどこかで伝えるのがこの映画を見た者の責任なのかな、と。これも「戦争の悲劇を忘れない」「戦争を語り継ぐ」一つの方法なのではないか、と。

さてさて、恵比寿の映画館では次はこれを見よう!と思う映画のチラシなどももらい・・
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オーストリアのドキュメンタリー映画「0円キッチン」が面白そうでした!
外へ出るとちょうど12時。
恵比寿にちなんだおめでたい催しをやってましたよ!
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今日は家で籠って「たまっている"犯罪心理捜査”ドラマ」をまとめてみます!昨日第7シーズンを見終わり、今朝から第8シーズンへ突入です!正月から見るドラマじゃないってわかってますけどね(笑)。

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Commented by tejisekki at 2017-01-05 22:14
eastwindさん、あけましておめでとうございます。
日本を離れていても家族や古い友だち以外で
新年のあいさつができる人がいることに嬉しいです^^
韓国が今新年をお祝いするムードじゃないのと
旧暦でお祝いするというのがあるからあっさりしてる新年でした。

パディントン、そういう背景のあるお話だったのですね。
eastwindさんが紹介されていて、私も今娘と一緒に読んでるんですが
とにかくお話が楽しくて何度も読んでる途中に
二人で顔を見合わせて笑ってたんですが・・・
教えてくださってありがとうございます。
子どもにきちんと伝えて教えてあげられるように
私もきちっと知らないといけませんね。

今年もよろしくお願いします。
旅の話、映画・本の話、お弁当の話・・・楽しみにいてます^^
Commented by eastwind-335 at 2017-01-21 10:24
tejiさん、こんにちは。
お返事遅くなってしまってすみません。
(一度入れたつもりだったのに、反映されなかったことに今朝気が付きました!)
もうすぐそちらは「年末」ですねー。
今年もよろしくお願いいたします。

パディントン、そうなんですよー。子供の時はやっぱり「楽しい」という気持ちで読んでほしい本です。おいしそうなことやらドタバタだとか、飽きない内容ですよね。
でも、大人になって背景のある話なのだ、と読み直すと、今度は「ブラウンさん」たちの行為がとっても心に染み入ると思います。

私もtejiさんのブログで韓国の日々を学んでます。楽しみにしてます!
by eastwind-335 | 2017-01-03 09:55 | 映画 | Trackback | Comments(2)

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