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それは違う気が・・・

この頃、学生時代の先生がたと連絡を取ることが続いています。
大学時代の先生というのは、授業で一方的にならうばかりというのが一般的だと思うのです。私もそのはずだったのですが、あまりに劣等生(←ホント)だったため一部の先生がたの覚えよろしく(爆)、また、数名の先生は、見えない糸でつながっていることが卒業後にわかったりして、卒業して25年が経ってもお付き合いが続いているのです。
昨日お電話をいただいた先生はもう90歳を超えています。
英語教育のエリートの道を歩まれたその先生は公立高校出の劣等生に呆れることが多かったと思うのです。英語なんて、テキストをのぞき込んでいる間は身に付きません、と最初の授業でおっしゃったのがいまだに忘れられない、そんなインパクト大な先生。今もって、毎回毎回忘れられない話をしてくださるのです。

私自身は外国人教員のクラスを取ることはありませんでしたが(←劣等生だったのでチャンスなし)、学内に数人いらっしゃる外国人の先生のなかには、ユダヤ人の方もいらしたし、今風にいえばLGBTの先生もいらした。それによって何かがあったわけでなく、それぞれの先生は慕われているように見えました(←習ったことがないので遠目に見る限りですが)。
昨日は、そのユダヤ人の先生がクリスマスの集まりにいらっしゃらなかった、から始まり、最後に「西洋人だからってみんながクリスチャンだって思ってはなりません」とそれぞれの信仰を尊重する必要性で〆る内容で終わりました。

帰宅すると、楽天から取り寄せてあった雑誌が到着していました。この夏にイギリスに行ったのがきっかけで、そしてまた近いうちにイギリスに行けるかも?な状態なため、イギリスに特化した雑誌があるのを知り、最新号を取り寄せたのでした。
その雑誌の特集はイギリスのクリスマス。イギリスっていえばGBではなくイングランドっていうのが、たいていの「イギリス本」のお約束なのですねー。私はどっちかといえばイングランド以外のほうが関心があるので最初はがっかりしたものですが、最近は「はいはい、日本だって本土中心主義だもんねえ」と先だっての「土人発言」に怒りを再び覚えながらページをめくります。やっぱりイングランドがメインの内容でした。

そこまではいい。わかってめくっていたので。諦観ってこういうこと?って気分ですが、きれいな写真、おいしそうな写真に100歩譲ることにしました(笑)。

しかし、はた、と手を止めるページがありました。「ロスチャイルド家の最も大切な一日」ってタイトルの数ページの小特集。
まって!待って!ロスチャイルド家って「ユダヤ人」では?いや、ユダヤ人でもキリスト教に改宗する人はいたし、両親のどちらかがユダヤ人という家庭がたくさんあったのはわかってる。先月読んだ『キンダートランスポートの少女』(未来社)でも、子供時代に改宗させられた下りがあった。当の本人は「神様は一緒だし」というぐらいの感覚だったと。しかし、その後、再びユダヤ教に戻ったように記憶している。
ロスチャイルド家ってそういう位置づけだったっけ?って。ロスチャイルド家は分家がいくつかるけどロンドン家っていうのはかなり影響があった家のはず。クリスマスのプレゼントとなっているけど、ハヌカのプレゼントなのでは?とか本当にロスチャイルド家の前で聖歌隊が讃美歌を歌ったとしたら、その意味は?と、質問したいことがいっぱい!

確かに、ベルリンのユダヤ人博物館には、モミの木を飾る家(メンデルスゾーン家だったと思う)の居間が再現されており、一見すると蝋燭の形の飾りをクリスマスツリーにつるしてあるみたい。けれどそれを裏返すと、ユダヤのこの時期のお祭りハヌカに使う燭台である、って仕組みだった。
クリスマスとハヌカは意味が違う。まったく違う。待降節とハヌカの時期が重なるだけ。そこを「クリスマス」で括る、この雑誌の感覚がわからない。それとも、ロンドンのロスチャイルド家が本当に「クリスマス」を祝ったとしたら、やはりその背景をちゃんと説明する必要があったと思う。

せめて、この手の一国の文化を追うことが目的と名乗る雑誌であれば、もうちょっと、ほんのもうちょっと気を使ったらよかったのに。そうしたら、イギリス(GB)の多様性がもっと伝わるのに。

ま、大手出版社が出している雑誌じゃないから、目につく話ではないのだろうけれど、ほんと、もうちょっと調べて記事にしたら、よかったのになあ。Happy Holidaysという挨拶が「政治的に正しい言い方」な英語圏において、絵的にステキではまとめきれないものがあると思う。海外ドラマに間違った着物姿や立ち居振る舞いで描かれる日本人を見ている気分。

世界のあちこちで宗教を理由にする対立が日々起きているこのとき、日本人の宗教に対する感覚の鈍さが、自らをも持ち崩すことになりませんように、と思う。日本では商戦主導のお楽しみ感満載のクリスマスやらイースターやらで、「ステキ」「可愛い」でなければいけないようですが、もともとは、泊まるところのない夫婦が出産をした場所は薄暗く、本当は星は一つだと思うだけどなあ~。ギラギラしたイルミネーションの時代だったら、羊飼いは馬小屋の飼い葉桶までたどり着かないな、とか、いや、アプリで案内してもらうのか?なんてふと思いながら見上げた駅前のクリスマスツリー。LEDの強すぎる光に、クラっときちゃいました。
(LEDは環境にやさしいのかもしれないけど、現行の使い方では身体には決してやさしくないってどうして声をあげないのかな?)

by eastwind-335 | 2016-11-26 08:01 | 日常 | Trackback | Comments(0)

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