東博、夜もやってます!

ソウルでもみた半跏思惟像。
写真でしか見たことがない(はずの)中宮寺蔵半跏思惟像。

それを東京国立博物館で並べて(正確には向かい合わせて)「ほほえみの御仏展」として公開中!

最初は「ソウル行ったら「タダで」見られるしなあ」と強気金額設定の東博で年金生活者の間からチラとみるのも・・・と、今回は行かないつもりでしたが、はっと気が付いた。私、中宮寺で見たことないなーって。

職場のパートさんが行ってきた、という話を伺ったり、駅にドーンとデカいポスターが出ているのを見ているうちに、やっぱり行っておくべきだろうな、と思いつつ、もう7月。
朝いちばんか夕方だったらすいているかも、といよいよ昨日、行くことに。

しかし、朝はドイツ戦の余韻で目は開けているけれど、ちょっと仕事の書類を読んでいるだけでウトウト。日曜の朝は行くところがあるのだけど、それも行ってもたぶん目を開けてウトウトしちゃいそう、ということで午前中は家にいることに。
そうこうしているうちに、気温は35度越えだとか?私はクーラーはあまり好きではないので普段は網戸派ですが、さすがに昨日は午後からクーラーのお世話になりました。
行くのやめようかな、と思いながらも開館時間のチェックのために東博のHPを見ていたら・・・
まずは「トーハク」と自称しているところに目が行ってしまった。えー?ここは「東博」でしょ?トーハクじゃなく。日本の美の中心とはとても思えないネーミング。日本美術史界の名高る研究者が勤務しているところじゃなかったのか?!ガクゲーインレベルになってしまったのか?!

なんてチラと思いつつ、さらに見ていくと・・・。私のみたい特別展の開催時間が20時になっている!
なーんと、7月から8月にかけては「本館に限り」夜8時まで開館とのこと。
平成館の金曜の延長開館は以前も利用したこともあります。
水曜も夜8時までとは知りませんでした。この数年、東博は「遠いところ」でしたので、以前から行われていたのかもしれませんが、いよいよ本館を連日で延長開館とは!
日本の「博物館行政」の新たな一歩に感動しつつ、手帳を開くと、10日までの半跏思惟像展のなかで平日夜が絶対大丈夫というのは月曜夜のみ。とほ、月曜は閉館だし。

やっぱり、今日行くしかないなあ、と4時過ぎに重い腰を上げました。
a0094449_18261031.jpg本館1階階段上。昔はここすら撮影禁止だったというのに・・・。

行ってよかったです。
5時前にもなると人も少なめで、じっくり見ることができました。
仏像の後ろまでじっくり見られるような設置。別に指示はでていなかったけれども、みんな同じ方向にグルグル回るという「お行儀のよい」鑑賞でしたので、それも見やすい一因になっていたのかも。

同じスタイルの仏像なのに、韓日(制作された時期を尊重してこういう表記にしてます)の差がよくわかるものでした。あの時代にもう金属仏が、っていうのもスゴイ。中宮寺の木像は温かい感じがします。個人的な感想ですが、Kポップの源流はここにありっていうのが韓国の半跏思惟像。ほんと、肩からお腹にかけてのラインが華奢でスマート。それに比べると日本のはまったりとした感じ。聖徳太子のお母さんを模したといわれるだけあって、中年(といっても30代後半ぐらいって感じですけどね)らしさが伝わってきます(あくまで、個人的な感想)。
どちらも思惟中なわけですが、韓国のそれは鼻が高く、日本はそれほどでもない(これはホント)。中宮寺の像の表情は、頬のあたりの光の加減かもしれませんが、しずかに涙している、そこを見られて恥ずかしそう、という感じがしました(あくまで個人的な感想)。
どっちにしてもおなかに余計な贅肉がなくて、うらやましいプロポーションでした(え?)。あと、いわゆる「ギリシャ人足」でしたよ!人差し指が長いの。韓国のほうがよりはっきりそうなっていた。

私が見たことがあるのは、小学校6年生の時に家族旅行で行った京都は広隆寺の半跏思惟像。ここには、その後、中学の修学旅行と大学生になってからの個人旅行でわざわざ出かけて、とで都合3回は見た。それぐらい好きなので、中宮寺の像も見ることができて、本当によかった。
しかし、いくら平成館以外はどこも見られるとはいえあれで1000円っていうのはどーかな?もう少し入場料がお安くてもいいような。1000円切った金額設定で重文、もとい十分では?

さらに2階にあがり、常設展の奥の奥へ進むと、今回の本館展示のもう一つの目玉「新発見!天正遣欧少年使節 伊東マンショの肖像」。
特別展(プルダウン的には「特別公開」)と銘打ってますが、常設展のなかにあるので普通の金額で見られます。謎の「総合文化展」という言葉がついているサイトもあったりですよ。
2014年に発見された肖像画の里帰り展。トーハクのHPには以下のように紹介されています。
2016年の日伊国交樹立150周年を記念して、日本とイタリアを結ぶ最初の架け橋である「天正遣欧少年使節」を、ドメニコ・ティントレット筆「伊東マンショの肖像」を中心に紹介します。「伊東マンショの肖像」は、2014年3月にミラノで発行された学術誌に紹介され、日本でも初めてその存在が知られた油彩の肖像画です。1585年にヴェネツィアを訪問した天正遣欧少年使節の姿を、ルネサンス期ヴェネツィア派の大画家ヤコポ・ティントレットが発注を受け、その息子であるドメニコ・ティントレット(1560~1635)が後に完成させたとみられます。
今回は、当館所蔵の「天正遣欧使節記」やキリシタン資料中のイタリア関連作品をともに展示し、16~18世紀にキリスト教を通じて交流した日伊の姿をご覧いただきます。(トーハクHPより)


半跏思惟像の撮影はNGでしたが、こちらはバンバンどーぞってことで。
が、そういう時に限ってデジカメを持っていないワタクシ。ガラケーで撮りました。

なんとなくアモーレナガトモに似てるって思うんですけれどね?どう?
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同じ部屋には関連作品として、旧長崎奉行所所蔵の絵画3点も。写真の2枚は、重文の「三聖人像」。
a0094449_19233080.jpg右は外国人宣教師による舶来品。左はセミナリヨで西洋絵画技術を学んだ日本人による模写と鑑定されているそうです。

部屋に備え付けの作品案内(よく海外の美術館にもありますよね)の入れ物に、ガイドブック代わりのパンフレットは受付で配布中、って書いてありました。HPでも確かにそう書いてあった(ただし用意した部数を超えたら配布終了とも)のだけど、受付には「配布中です」との案内はなし。ほほえみの御仏展のフライヤーはあったんですけどねー。だから、もう配布終了かと思いましたが・・・・。
帰りに受付のお姉さんに声をかけたら「ありますよ」と引き出しから出してきた(まるでHEROの飲み屋のおっちゃんの名セリフ「あるよっ」って感じで)。このパンフレットが良くできているんですよ!個人的には次に引っ越すことがあっても「捨てない」。そんなレベル。ただし、三聖人の写真は展示通りに配置してほしかったな。それを見ながら鑑賞する人のために・・・。最近の東博のガクゲーインってそーいうことは気にしないのかな?それとも都合で展示が逆になったのかな?(遠い目)

ところで、この展示、2階の奥の奥の部屋(だから、2階まで上がっても「あれ、2階ってあったけど、やってないのかな?」とまた降りる人続出!)での「特別公開」にしては不親切すぎ。このあたり、「東博」時代には考えられないようなサービスの悪さ。トーハクはスマホが手放せない人にだけ優しい博物館なのでしょうか?ガイコクの人に16世紀にヨーロッパに渡った日本人たちがいるって知らしめたくないのかしらん?

ああ、なんて内向きな博物館なのでしょう。海外の美術館のように「改装中」で一部の部屋を閉じているわけでもないんだし。私だったら階段を昇りつめたところに「特別公開はこちら」とか部屋の見取り図を置くけど。(実際はトイレの前の壁に部屋番号表が貼ってありました)

なんというか、最近のトーハクってカルチャーな年金生活者たちが「日曜美術館」をみてたくさん来てくれるからいい気になってるんじゃなかろうか?とふと思いましたことよ。オリンピックまでにはなんとかしなさいよ(上から目線)。

そして久しぶりの常設展。伊東・アモーレ(ウソ)・マンショまでの部屋だけですが、ゆっくりと鑑賞してきました。
あー、昔はこの部屋は特別展の部屋だったんだけどなあー。30年前は平成になった記念で日本国宝展をやったんだけどなあ~とこの30年のことをあれこれ一人考えちゃったりして。
常設展が好きなのは、昔1階の隅っこにあった時代から季節感あふれる展示をしているから。その傾向だけは30年以上前からと一緒。変わらないでほしい。ワタクシ、「日本の美術の基本はここ(東博の常設展)で」、と胸を張って外国人に紹介していますので。
今回、私の目を引いたのは以下の二つ。
a0094449_1840865.jpg朝の天気が一日続かないこともある梅雨の時期、洗濯がむつかしいわよね。江戸時代も一緒だったんだ、と思うと、にんまり。

着物の刺繍から季節を感じました。
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これが江戸時代のものだなんて~。

今年ももう夏至は迎えましたので徐々に日没までの時間は短くなりつつあるのですが、なぜか7月は夕方が長い気がします。日本にはeveningがない、と欧米の人に言われますけれど、それでも、この時期に定時に職場をあがると、eveningってこんな感じかな?と思うようになりました。そんな時間を博物館で、というのも素敵かな?
上野公園の整備が終わり正門から駅までの間にスタバなどもあるからちょっと一息もつけます。夜の開館が東京の夏の一つの過ごし方につながるといいですね。

しかし!本館は8時まで開館中という案内はチケット売り場には出てなくて(電光掲示板で流してらしいっていうけど、そんなのジーっと見てられますかって言うんでぃ)。このあたりがもったいない。英語でも出てないし。
外国人には1600円もするギリシャ展より本館のほうが興味深いだろうし。
なぜ、あんなにもったいぶっているのでしょう?その辺が「トーハク」の浅はかなところだな。
それから「総合文化展」っていう料金の括り、わかりにくいです。「総合」なんて非常に大掛かりなイメージだし、「総合文化」って言葉になると、「え?どんな意味なわけ?」と説明が必要になるのではないでしょうか?
それともトーダイの文系大学院は「総合文化研究科」って名乗ってるから、物事を決めるヒトたちが一般名詞だって思い込んでいるとか?
「常設展」ではなぜいけないの?
って最後はやや揶揄っておしまい。関係者の方が気を悪くされたらゴメンなさい。ですが、利用者目線ではこれが正直なところです。
ほんと、総合文化って何よ?って。

なんでもシンプルなのが一番感動できるってば。ほんと。
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by eastwind-335 | 2016-07-04 19:21 | 日常 | Trackback | Comments(0)

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