友情の絵ふたたび
2016年 03月 26日
ある日、夕刊をまとめ読みしていたとき(朝刊は毎朝通勤時に読み終えるのですが、夜に弱い私は夕刊は数日まとめ読みすることがあります)、埼玉近代美術館で「原田直次郎展」が開催されると大きく出ている記事に気が付きました。
原田直次郎といえば、『うたかたの記』。
であるのですが、私からすれば原田直次郎といえば、エクステル。私にとってエクステルといえば、8年前の「思い出をめぐる旅行」であり、もっといえば、27年前の大学生時代の宝物のような思い出。
日本では100年ぶり、史上2度目の回顧展なのだそうで。
なんで埼玉でなんでしょうかね?ということはおいておき・・・。
ある有休の朝「よし、今日、行ってみよう」と思い立ち、北浦和まで出かけてきました。
上野より北に行くことがすくないワタクシ、北浦和まで遠いのかな?と覚悟していたのですが、駅で京浜東北線の路線図と到着時間が書いてあるものをみてびっくり。実家へ帰るのとあんまり変わらない。
そう考えると近いものですね~(笑)。
通勤時間は終わっているので(快速運転時間)、車中もすいてました。
駅舎内でも広告が出てます
駅から徒歩3分ぐらいで、美術館のある公園の入り口に到着です。
私ごのみの外観です
最近はあんまりみかけないけど、90年代はこの人の作品展とかなかったっけ?
館内の椅子の流線が目を引きます。
で、展示ですが、当然ながら日本の美術館らしく「撮影禁止」。
彼の生まれる前から(彼のお父さんって岡山鴨方藩士で、江戸幕府の遣仏使節団に随行していたんだそうですよっ!)、美術結社に入り(このころはまだ「東京美術学校」は開校されていなくて、洋画教師のもとに弟子入りするシステムだった)、海外留学経験のあるお兄さんの紹介もあって、ミュンヘン美術アカデミーに行くことにしたそうです。
彼が美術アカデミーで描いた絵や、彼と同級だった画家の絵、など、彼の作品だけでなく、その周辺の人たちの作品を用いながら、原田直次郎の才能を紹介しているのが興味深かったです。
ユリウス・エクステルとの友情、彼の作品、お互いの肖像画、などなども紹介されていました。また、宮山麻里枝さん(8年ぐらい前に「赤い点」で評価された日本人監督)が監督・編集の「原田直次郎とユリウス・エクステル 友情のポートレート」(10分余り)が上映されていました。
8年前に「明後日からしばらく閉館なのよぉ」と言っていた管理人さんのお嬢さん、お元気かな?
帰国後は彼は絵画展に出品した「騎龍観音」に外山正一からクレームが付き結構あれやこれやと大変だったみたい。そんなクレームに対して原田を擁護したのが森鷗外。鷗外は、彼に挿絵の依頼をするなど、経済的にもバックアップしています。そんな中で原田は本郷で絵画学校を主催し、弟子を育成します。
また、写真をもとに、肖像画を描いてます。
早くに結婚したので、子供も多く、家族をモデルにした絵も残されています。
体調を崩し、50歳になる前に逝去したので、残された作品は少ないのですが、文学の中で永遠に生きていくわけです。
という展示を見終わって、部屋を移ると、おまけの部屋が!
なんで「おやじの小言」なのかは不明ですが、近美(と略称するそうです)が今回の展示で一番力をいれたのはここではないか?と突っ込みたくなるような部屋が用意されてましたよ。
すごろくあり、の
今回の目玉の原田の絵画「靴屋の親爺」を使って、小言を吹き出しに書いてもって「セルフ」で写真をとることができる、というものもあり
上がりが100年ぶりの原田回顧展という自画自賛のすごろく(笑)。
が、私は、原田の絵画はあまり見ることがなかったので、行ってよかったな~。
と手放しで喜べなかったのが事実。
100年ぶりの日本で2度目の回顧展だっていうのに、原田の作品のいくつかが複写だったんだもの。
日本の西洋美術界にさざ波を立てたといわれる「騎龍観音」、護国寺蔵となっていたのですが、なんで借りれなかったんだろう?って帰宅してググったところ、どうも国立近代美術館が委託作品として所蔵している様子。
ケチだわ、MOMAT。
護国寺との協定でMOMAT以外では展示ができないのかもしれないけど(だったらそう書いてほしかった)。
あのすごろくにも「騎龍観音は近美では見られない ケチ・・・1マス戻る」とか書いちゃえば面白かったのに(笑)。
あ、「原田すごろく」は特別付録として、入場するときに1枚もらえました。
その裏は、もとい、表は「近美新聞」。
特別展ごとに作っているのかもしれません。総フリ(ふりがな)の新聞なので、子供向けでもあるらしい。
すごろくは新聞の特別付録なのか。
新聞には「はらだくん」という4コマまんが付き。
埼玉近美の学芸員のみなさーん、ナイスですよ!
あ、いまは「いいね!」か(笑)。
館内のレストランで食事(これにコーヒーがついて1200円)をして
駅にまっすぐむかわず、回り道をして商店街を見学
八百屋を覗くと
お店のおばちゃんが「日曜農家」でやっている深谷ネギがドーンと。私がつくりました、なんてコピーがあるので、買っちゃいました(笑)。
ゴマも作ったそうですよ。もちろん、買いました!
ネギはスープで煮てカニ缶詰を加え、葛でとろみをつけてみました。家人に好評でした。フードマイルの短い産直の野菜っておいしいなあ、って改めて思いました。
東京では埼玉の美術館情報はなかなか伝わらないので、やっぱりマメに夕刊の美術館情報をチェックしておかなくちゃね
原田直次郎といえば、『うたかたの記』。
であるのですが、私からすれば原田直次郎といえば、エクステル。私にとってエクステルといえば、8年前の「思い出をめぐる旅行」であり、もっといえば、27年前の大学生時代の宝物のような思い出。
日本では100年ぶり、史上2度目の回顧展なのだそうで。
なんで埼玉でなんでしょうかね?ということはおいておき・・・。
ある有休の朝「よし、今日、行ってみよう」と思い立ち、北浦和まで出かけてきました。
上野より北に行くことがすくないワタクシ、北浦和まで遠いのかな?と覚悟していたのですが、駅で京浜東北線の路線図と到着時間が書いてあるものをみてびっくり。実家へ帰るのとあんまり変わらない。
そう考えると近いものですね~(笑)。
通勤時間は終わっているので(快速運転時間)、車中もすいてました。
駅舎内でも広告が出てます
駅から徒歩3分ぐらいで、美術館のある公園の入り口に到着です。
私ごのみの外観です
最近はあんまりみかけないけど、90年代はこの人の作品展とかなかったっけ?
館内の椅子の流線が目を引きます。
で、展示ですが、当然ながら日本の美術館らしく「撮影禁止」。
彼の生まれる前から(彼のお父さんって岡山鴨方藩士で、江戸幕府の遣仏使節団に随行していたんだそうですよっ!)、美術結社に入り(このころはまだ「東京美術学校」は開校されていなくて、洋画教師のもとに弟子入りするシステムだった)、海外留学経験のあるお兄さんの紹介もあって、ミュンヘン美術アカデミーに行くことにしたそうです。
彼が美術アカデミーで描いた絵や、彼と同級だった画家の絵、など、彼の作品だけでなく、その周辺の人たちの作品を用いながら、原田直次郎の才能を紹介しているのが興味深かったです。
ユリウス・エクステルとの友情、彼の作品、お互いの肖像画、などなども紹介されていました。また、宮山麻里枝さん(8年ぐらい前に「赤い点」で評価された日本人監督)が監督・編集の「原田直次郎とユリウス・エクステル 友情のポートレート」(10分余り)が上映されていました。
8年前に「明後日からしばらく閉館なのよぉ」と言っていた管理人さんのお嬢さん、お元気かな?
帰国後は彼は絵画展に出品した「騎龍観音」に外山正一からクレームが付き結構あれやこれやと大変だったみたい。そんなクレームに対して原田を擁護したのが森鷗外。鷗外は、彼に挿絵の依頼をするなど、経済的にもバックアップしています。そんな中で原田は本郷で絵画学校を主催し、弟子を育成します。
また、写真をもとに、肖像画を描いてます。
早くに結婚したので、子供も多く、家族をモデルにした絵も残されています。
体調を崩し、50歳になる前に逝去したので、残された作品は少ないのですが、文学の中で永遠に生きていくわけです。
という展示を見終わって、部屋を移ると、おまけの部屋が!
なんで「おやじの小言」なのかは不明ですが、近美(と略称するそうです)が今回の展示で一番力をいれたのはここではないか?と突っ込みたくなるような部屋が用意されてましたよ。
すごろくあり、の
今回の目玉の原田の絵画「靴屋の親爺」を使って、小言を吹き出しに書いてもって「セルフ」で写真をとることができる、というものもあり
上がりが100年ぶりの原田回顧展という自画自賛のすごろく(笑)。
が、私は、原田の絵画はあまり見ることがなかったので、行ってよかったな~。
と手放しで喜べなかったのが事実。
100年ぶりの日本で2度目の回顧展だっていうのに、原田の作品のいくつかが複写だったんだもの。
日本の西洋美術界にさざ波を立てたといわれる「騎龍観音」、護国寺蔵となっていたのですが、なんで借りれなかったんだろう?って帰宅してググったところ、どうも国立近代美術館が委託作品として所蔵している様子。
ケチだわ、MOMAT。
護国寺との協定でMOMAT以外では展示ができないのかもしれないけど(だったらそう書いてほしかった)。
あのすごろくにも「騎龍観音は近美では見られない ケチ・・・1マス戻る」とか書いちゃえば面白かったのに(笑)。
あ、「原田すごろく」は特別付録として、入場するときに1枚もらえました。
その裏は、もとい、表は「近美新聞」。
すごろくは新聞の特別付録なのか。
新聞には「はらだくん」という4コマまんが付き。
埼玉近美の学芸員のみなさーん、ナイスですよ!
あ、いまは「いいね!」か(笑)。
館内のレストランで食事(これにコーヒーがついて1200円)をして
駅にまっすぐむかわず、回り道をして商店街を見学
八百屋を覗くと
お店のおばちゃんが「日曜農家」でやっている深谷ネギがドーンと。私がつくりました、なんてコピーがあるので、買っちゃいました(笑)。
ゴマも作ったそうですよ。もちろん、買いました!
ネギはスープで煮てカニ缶詰を加え、葛でとろみをつけてみました。家人に好評でした。フードマイルの短い産直の野菜っておいしいなあ、って改めて思いました。
東京では埼玉の美術館情報はなかなか伝わらないので、やっぱりマメに夕刊の美術館情報をチェックしておかなくちゃね
by eastwind-335
| 2016-03-26 11:45
| 日常
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