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甥に会い、気づいたこと

私には甥が1人いますが、私と弟はno news is good newsな関係にあり、そして、うちは前にも書きましたが、賢弟愚姉。私がいつも弟に「どーしよう!」としでかしたことを相談するので・・・、きっと甥は「デキないオンナだな」と思っているのでは?と思ってマス(汗)。

久しぶりに海辺の街に帰省し、弟一家と食事をしました。

賢弟の子はカシコイ。「〇〇って(料亭でいただいたお弁当の名前)竹取物語に出てきたと思うんだけど」と聞かれて、今回も「えー、そうだっけ?」とデキないオバ全開モードでした。横で弟がスマホをさささっと使って調べてくれ、甥の物知り(単に授業で習っただけだそうですが)をじいじ&ばあば共に関心した私。
いや、私にとって竹取物語は源氏物語と並んで嫌いな話だったから!あんな子、月にさっさと帰れ!と思って読んでたから!細かいコトなんて覚えてないから!

甥に会い、気づいたこと_a0094449_20355864.jpgそんな甥はちょっと前のことですが、国際交流事業に参加してベトナムへ行ったそうで、その時のお土産をもらいました。

甥に会い、気づいたこと_a0094449_20363254.jpgコーヒーは韓国にもよくある「コーヒー、クリーム、砂糖」が入っている3 in 1タイプ。

甥に会い、気づいたこと_a0094449_20364998.jpg小さなカップでしたので母と二人でパウダーを半分コしてちょうどよい味でした。


彼の通う高校での2年生向けのスペシャルなイベントについて尋ねたら、卒論を書く、と即答が。
「え?卒論って大学卒業のための通過儀礼じゃなかったの?」とお上品なお店で大声を出すオバでありました。中高一貫校はいまはそういうところが多いそうです(同僚談)。
世の中、すべて前倒しって感じがする~と思うこの数年ですが、高校生が卒論かあ・・・。
パソコンを駆使していろんなことを調べることとオバは想像しますが、そういうことを早いうちからやっても意味がないような・・・。「インターネット禁止、文字資料だけで書け」だとしたら、どうでしょう?

インターネットは「それだけ」「そこだけ」しか画面に出てこない。芋づる式にわかる、と言われるけど、自分の感性による、つまり心身を使った芋ほりじゃないわけです。





暮れにBSで『三省堂国語辞典』初代主幹でもあった見坊豪紀氏と同じく三省堂から出ている語釈用例の面白さで有名な『新明解国語辞典』主幹であった山田忠雄氏の関係を描いたドキュメンタリードラマがありました。とても面白かった。
私は長らく広辞苑派でしたけど、新明解が評判になった時に学識ゆたかなおばさま先輩から「あら、東風さん、絶対にお買いなさいよ!」と勧められ、97年に出た第5版を買いました(現在は第7版まで出てます)。評判になった「動物園」など、確かに面白かったと思うけど、もっと面白い語釈をする人たちが職場には多いので(汗)、それっきり、職場の机の棚においたままでした。
新年、そのドラマの話を、コトバスキーなお兄さんにしたところ、彼は私の机をじーっと見て「〇〇について引いて」と。以後20分近く、いろんな言葉を『新明解』で引いて、音読させられ(読めない字があったりして、冷や汗ものでした・・・)、うんちくを語られ・・・。
コトバスキーお兄さんから指示された言葉を辞書を引き始めた時は、あたりをつけてページを開くことができなくなっていて、そんなことにも愕然としたワタクシでした。浪人が当然、という高校では、先生が単語を覚えなさい、じゃなくて、辞書と仲良くなりなさい!と英語でも国語でもおっしゃっていたことを思い出します。五十音、アルファベットをうまく自分の頭の中で駆け巡らせなさい、と。あと、前後左右の言葉にも目を通すように、ともよく言われたものです。

ということで、ついつい、コトバスキーお兄さんにも「あ、ここにもこんな言葉がある!」と。そこからまた新しい言葉の出会いがあったり。でも、新明解がいかに特異な語釈や用例があるといっても、そればっかりじゃない。たいていは「まっとうな語釈、用例」なのです。そんな言葉の海の中で、自分の感性が「面白い!」と思える言葉を目を走らせて見つけるのは、ちょっとした言葉のかくれんぼのよう。

これは、「そこだけ」しか出てこない電子辞書ではできない遊び方だよね!とコトバスキーお兄さんとうなづきあいました。

やっぱり、紙の辞書はいい!、百科事典も紙版がいい!、人間って目視能力が高い動物だなあ、って実感できる!

甥と会った時に、ネット上の第三者につけられたハイパーリンクをクリックして新しいことを知ったり覚えたりするんじゃなくて、自分の感覚と勘とそれまでの知の構築を活かして、自分でハイパーリンクをつけてほしい!と私は心の中で力説しました。そしてそのハイパーリンクを誰かと共有できる、そんな生き方をできる生涯を送ってほしいと思いました。
by eastwind-335 | 2014-01-13 21:07 | 日常 | Trackback | Comments(0)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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