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二人だけどindividual(5)真珠湾に行く

今回のハワイ旅行で必ず行こうと決めていたのが真珠湾。
どうして行こうと思ったか、は、リアル生活を語ることになりかねませんので省略しますが、自発的に行くつもりでいたところに、職場のあるお姉さまからも「ぜーったいに行きなさいよ!」と念押しがあったので、「何があっても」絶対に行かなくちゃ、と言う気持ちになっていたのです。

「真珠湾攻撃」は9.11を体験した21世紀の今でも、アメリカでは「奇襲」の代名詞となっています。帰国してから見たアメリカのニュースでもチーコクのネットワークへの侵入を「真珠湾攻撃」と表現しています・・。

行くなら早い時間に行く方がよい、とのアドバイス通り、朝いちばん(8時からのスタート)に間に合うよう、朝6時過ぎに、ホテル前のバス停からバスに乗ることに。時間ギリギリになってしまい、時刻表のないバス停で「大丈夫かな~」と心配になってましたが、数分遅れでバスがやってきました。
1時間半ほどバスに揺られての移動です。まだ夜明けでしたので写真も撮れず・・・。バス内の写真も家人に注意されそう。途中、親切な方から「どこへいくの?」と尋ねられたので答えると「うわー、まだまだ遠いよ」とウィンクされました。
二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_8581752.jpg←これが4日間有効のバスカード(25ドル)。

The Busはどこまで乗っても2.5ドル。そして、たいていの場合、非常に空調が効いていて・・・。アリゾナ記念公園まで乗っていたのはついに数名。ある女性に「まだまだ遠いでしょうかね?」と尋ねると「いいえ、次よ」と。胸に名札が。乗車中、しばしば彼女の後ろ姿を見ていたのですが、カーキ色のパンツやジャケットや読書の面持ちに、普通の方ではないと思ったのですが、実はレンジャーさんだったのでした!

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到着!が、場所が場所なだけに、写真を撮るにも気を遣います。ふつうだったらブログ向けに入り口の写真もばっちり撮る私たち夫婦ですが、構図を考えて、なんてことはできません。ささっとカメラに収めるだけ。
二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_856440.jpg←翌日同じルートのバスでさらに先に向かったので、車内からササっと撮ったものです。


二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_8575128.jpg開園が8時なのに、バスが到着した7時半にはかなりの人数が。チケット売り場ですべてを見学できるチケットを発券してもらいます。8時からの回です。


まず、真珠湾攻撃に関するビデオ学習をして、現在も沈没したままの戦艦アリゾナ号の上にある慰霊碑に船で向かいます。
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ビデオを見るホールに入る前に並ばされる間に、静粛にしなければならないこと、尊厳をもってアリゾナ号に行くことなどの注意があります。実際にこの後、アリゾナ号上の慰霊碑を見学して再び戻ってくるまで、誰も大声を出すことはありませんでした。
一般に日本人はこのビデオの時点で(悪者扱いに)気が滅入るそうですが、私はそうでもなかったです。むしろ、アメリカ側がこの奇襲に対応できなかった理由について説明をしているシーンがいくつもあり、そのことが意外でして・・・。逆の言い方をすれば、同じミスは二度としない、という「分析」のビデオのようにも見えなくもなく・・・。日本は反省はもちろん「分析」もしないからねえ(遠い目)。国民性の違いを感じます。

二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_9244293.jpgアリゾナ号上の慰霊碑へ向かう船からは大きな軍艦が見えます。これが、のちほど行くミズーリ―号だとはその時は気が付いていませんでした。

まだ、重油が漏れているアリゾナ号にまたがる形で慰霊碑が置かれています。
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二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_9365863.jpg←沈没したままの姿が残されているので、海を除くと鑑の残骸が見えます

慰霊碑には亡くなった方だけでなくアリゾナ号の生還者ながらその後亡くなった人々の名前も含まれています。
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再び船で戻り、真珠湾攻撃の歴史博物館へ。ちゃんと日本語イヤホンを貸してもらえます。戦争に至る経緯、戦争中のハワイの様子などを学ぶことができます。第二次世界大戦っていうのは、レーダー技術の発展途上時期にあたるのだそうで、現代だったらあり得ないことで失敗につながった、という歴史の裏話を学んだりしました。
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続いて潜水艦ボウフィン号や潜水艦に関する博物館などを見学。
潜水艦の中に入ったのは初めて。
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身分によってベッドの大きさ(ベッドだらけのところもあったけれど、写真のは、砲弾の上に寝るんだ~と言う驚きもあって撮った写真)やら食堂(写真のは士官用の台所。この頃からキッチンエイドのブレンダ―があったってこと?)の大きさやらが違う、という階級社会を目の当たりに。
思ったほど潜水艦内は狭くなかった気がしますが、ブロックごとの区切りをまたぐのが大変でして・・・。短足な私たちは足の問題もあったのですが、ドラえもんな家人は潜り抜けるのも一苦労でして・・・(笑)。後ろに列ができてしまうありさま。
博物館ではボーウィン号の生活や潜水艦として作戦に成功した回数などがわかるペナントなどの紹介がありました。それから当時のアニメーター(漫画家)たちの戦争協力として、キャラクター作りをしていたことの紹介も。
二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_10265875.jpgディズニーが戦争協力をしたがったのは有名な話ですね!


シャトルバスでミズーリ―号へ。
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終戦時に降伏文書調印式をおこなったのもこの軍艦の甲板ででした。
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私にとっては終戦の証のような戦艦ミズーリ―でしたが、実は、湾岸戦争にもこの戦艦は従軍していたのでした。
二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_1029766.jpgトマホーク(湾岸戦争当時、よくこの言葉を耳にしました)を搭載し、実際にイラク領にトマホーク砲を撃ったのがこのミズーリ―だったのでした。あの時もきっとニュースになっていたと思うのですが、私には記憶がありません。なんでだったのだろう。CNNを通じて全世界が同じ映像を同時に見た戦争として知られる湾岸戦争。本当に自分にとって遠くの戦争だったのだと、今回の見学で思い至りました。

二人だけどindividual(5)真珠湾に行く_a0094449_1030245.jpgあの時、一度は引退していた戦艦を使ってまでアメリカがしたことは、20余年たった21世紀の今も結局解決できない問題として存在し続けています。


その後、再びシャトルバスで戻り、The Busでワイキキへ。

もう2度と行きたくない、という場所ではなく、むしろ、もっとゆっくり、アメリカがこの場所を通して何を国民に伝えようとしてるのか、それがひいては私たち日本に暮らす者たちにどういう影響を与えることになるのか、じっくり考えてみたいと思います。
歴史を学び、歴史に学ぶ努力をしなければ、「国際社会に生きる」という名の下に目先の損得ばかりを追う政治のゲームに巻き込まれて生きることになってしまう。
旅行先なんだからもう少しのんびり暢気になれるといいのでしょうけれど、私はいつでもそう考えて旅をしています。
by eastwind-335 | 2013-02-26 10:32 | 旅の思い出13潮風にのって | Trackback | Comments(0)

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