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あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり

家人の趣味は訪問国では少数派となる宗教施設をめぐること。
建築の意匠が彼の仕事に役立つのだそうです。何度もどのあたりが?と尋ね、その都度説明を受けるのですが、シロウトの私は「そうかなあ」と思います。しかし、家人についていくと、私も知見が広がります。

到着日の夜、珍しく家人から、おでかけの提案。
どうもホテルからさほど遠くないところに、アルメニア教会があるそうです。昨夏のトルコでもアルメニア教会探しをしたなあ~。

私はユダヤ人関係の施設に行くのがヨーロッパですることの一つ。
ちょうど、ベルリンではユダヤ文化週間だったことを知っていたので観光局でもそのことをチェック。

ということで、朝はアルメニア教会、昼はユダヤ人のお祭り、午後はモスク見学という予定を組みました。夕方からは、家人の仕事のレセプション(といってもお気楽らしい)に行こう、ということに。
しかし、翌朝、家人は案の定、起きません。
昼のお祭りが始まる時には会場にいたいワタクシ、鬼のような形相で家人を叩き起こします。
結局スタートが遅れタクシーで移動。

目的地に到着したけれど、教会らしき建物はなし。
あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_10541666.jpg中に入るとアルメニア教会というよりは「協会」みたい。ラジオで礼拝、みたいなことが書いてあるけど?といっても、うちの家人は納得しません。近くに教会があるのかな?と家人が通りを歩く女性に声をかけます。

が、家人は「Entschuldigun!」とは言えるのですが、その先はだめ。すぐに「うちのオクサン、ちょっとだけチョットダケドイツ語、できマス」と私に丸投げ。
その女性は親切で辛抱づよくメチャクチャな私のドイツ語を聞き取ってくれました。彼女自身は20年以上ここに暮らしているけれど、そういう教会は知らないことや住所が解れば一緒に行ってくれる、とのこと。再びもとの位置に戻ります。

結果として私が言った通りでした(ほらほら)。
この女性が「それにしても、不思議。この建物、私が通ってる教会の持ち物のはずなのよね、貸しているのかしら?」と。
礼拝の帰りということで「私の教会もステキだから、寄って帰って」と紹介され行ってきました。
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左手が教会員の会館、右手は人形劇場(日程が合わなくて残念!)。
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ほんと、ステキな教会でした。個人的にはプロテスタント教会のほうがなじみ深いので、礼拝にも出てみたかったな~。
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あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_10582924.jpgしかもステキなだけでなく、歴史的な意味のある教会だそうです。

帰りは地下鉄からと駅へ向かうも、途中でzoo行きのバス停を見つけ、バスで移動。
なーんだ、近いわー。

ユダヤ人のお祭りってどんな感じかしら?




さて、そのユダヤ人のお祭り。地図で確認していたのですが、ち密な家人と異なり、私は通りの名前だけ。
しかも、クーダムで分断されても続く通りだと気が付かず・・・。最後まで行ってもそれらしき建物が見当たらず住宅地が続くだけ。一度クーダムまで戻り、スタバで休憩。
スタバってトイレに入る番号がレシートに書いてあるんですね。今回の旅行では最初で最後のスタバ体験だったのですが、ベルリンのスタバって全店そうなのかしら?

22年前はこのあたりも歩いたはずなんだけどなあ~。なんでピンと来ないのかしら・・・。
家人の携帯を借りて主催者に電話をするもののチケット自動予約にしかつながらない。あきらめて次に行こうと思いながら地図を広げると、自分たちがいるところも同じ通りの名前と気づき・・・。また、窓ガラス越しに料理を盛った大きなアルミ皿をもった人たちが数名通り過ぎ・・・
あれ?さっき、このスタバの前の横断歩道を渡った時には背後はこんな感じじゃなかったのに?!とおもうほど人が出ています。
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あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_112933.jpg入り口ではちゃんとチェックをうけます。

あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_1191687.jpg区長さんの挨拶でした。

あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_1110587.jpgライブもありました。

ここはシナゴークではなく、ユダヤ人協会の中心になる建物のようです。
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でも、中には集会所がありました。
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通りではいろいろなお店が出ています。シナゴークの礼拝などで必要なものも。新しく買い替える人がいるのかしら?
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コーシャ済の食べ物もたくさん!ハリボーにもコーシャ版があるのですね。知らなかった~。
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美味しそうなものを出すお店もたくさん!中東料理と通じるものもあれば、ドイツのカフェに出てくるようなケーキまで。そして、ザクロのしぼりたてジュースなどもありますし、コーシャ済カリーブルストも!ベルリン発祥のカリーブルスト!結局ここだけでいただいたのでした。
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犬も満足そうです(笑)!
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続いて、家人が調べておいたモスクへ。ドイツで一番古いとか。
地下鉄で移動です。
ドアもブランデンブルクの柄が入っているのです!オッシャレー!
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あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_20435379.jpgこちらの駅Fehrberliner Platzでおります。馬車の停留所があった古い駅のようですね・・・。

数分もしないうちに、住宅街が。
あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_20452370.jpgあ、熊のマーク?
ここは、戦後できたアパートだそう。低料金で入ることができたみたい。

あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_20465835.jpg今もこぎれいに皆さんが生活しています。

そこから通り一本隔てたところに、いきなりモスクが!
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日曜日なので誰もいないと思ったのです。でも説明してくれる人がいて、いろいろなことがわかりました。
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実際には一番古い歴史があるのではなく、一番古い建物となった、ということだとか。
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モスクの中は小さく、これまで見たのとは異なり、女性が2階とか別の場所で礼拝を受けるような限定された空間はないようです。
もっと大きいと思ったので、私はやや拍子抜け。
あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_2055561.jpgおしゃまさんが注目してほしそうに中央で何度も踊りを披露します。
英語の上手な男性になんか注意されてましたけど、なかなかやめず・・・。こんなこと、許されるんだ?とちょっとビックリ。

庭では何か催し物?天気のよい週末だからかな?
ドイツ語の上手な(ドイツ人だった)男性がお茶でもどうぞ、と誘ってくださったので、家人のあとについて伺うと・・・。
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この日はラマダン明けの砂糖祭りの日だったのです!
そういえば、去年も砂糖祭りの日にイスタンブールについたんだった・・・。2年連続での体験となりました。
あの時は二つの国だった(13)3宗教ひとめぐり_a0094449_210684.jpg一応、男性は男性、女性は女性で集まっているようでしたが、最初は、家人が英語しかできないために、ほぼなんちゃって通訳状態で男性組でもてなしを受けました。
もちろんイスラム教国家出身の方もいるのですが、改宗された人もいて、いまアラビア語を習ってますという方も。

女性でもドイツでの生活が長い人は流ちょうなドイツ語で、辛抱強く私の話を聞いてくださり(本当にこういう方々と同席すると頭が下がる思いでいっぱいになります)、また、パートナーがドイツで生活するために最近ドイツ語を学び始めた人までいろいろなコミュニティーだったのでした。
9月に入り、諸事情から欧州のイスラム社会は緊張感のなかにあると思いますが、この日の彼らの表情を見ると、宗教の寛容というもっとも難しいこともいつか解決されていきますように、と願わずにはいられません。
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ベルリンのイスラム教というと、ついつい私は真面エジルのことからトルコ系移民を思うのですが、そうじゃないんですね~。そして、ここのモスクは戦争中に爆撃されたけれど一部が残ったこと、再建にあたってはいろいろな思惑があり、ベルリンにはもう一つ大きなモスクがあるそうです(こういうことは家人が聴きだした)。

ベルリンは22年ぶりだと言ったら、若い信者たちは「え?」と。まだ東ドイツがあった最後の春に来た、という話をする私はまるで歴史の語り部状態でした。
もっとドイツ語がうまくできたら、いろいろこの20年のことをうかがえたのに・・・と思うと本当に残念でした。

偶然とはいえ、良い体験ができた日曜の午後でした。いやー、暑かった!
by eastwind-335 | 2012-09-24 21:04 | 旅の思い出12朝帰りde欧州旅行 | Trackback | Comments(0)

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