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読みが半分当たって嬉しい

私が読み続けていた(途中飛ばしたりもしたけれど)、モルゲンターク新聞朝刊の連載小説「七夜物語」が加筆修正がされた形で出版となった、と昨日の朝刊記事で読みました。

まさに私と同世代(同い年じゃないか、と思う)さよと仄田くんの冒険。
読み進めていくうちに、21世紀の「ノンちゃん雲に乗る」だ、と思った、とブログに書きました。
でも、最終回を終えた後の著者川上弘美のインタビューではそういうことは一切出ていなかったので、うーん、深読みだったのかな、と思ってもいたのでした。

ところが、昨日の記事によれば、この新聞小説は「ノンちゃん雲になる」や「飛ぶ教室」を意識したものだとありました。
そうか、「飛ぶ教室」もだったんだ!仄田くんは「飛ぶ教室」のチビのウリーなのか・・・。
ということで、まあ、1970年代に小学生時代をおくっていたチョット本好きの人だったら気づくだろうと思う「読み」ではありますが、半分当たっていて嬉しかったです。

本もさっそく購入しました。これも時々書いていますが、私は「本」だけは手に取って買いたい、ワガママさん。昨日はちょうど、紀伊国屋に習字のお手本の取り寄せをお願いしていたのが入荷されたので、さっそく本屋へ行く機会ができたのです。手書きのPOPがついて、平積みになってましたよ~。
表紙のイラストは新聞連載時から挿絵も担当した酒井 駒子。彼女の絵を表紙に使った新刊は他にもあって(糸井重里だった気がする)、それだけで手を伸ばす人がいるんだろうなと想像。
POPを見ていて、もちろん、オトナが読む本の新刊売場にあるけれど、むむむ、児童文学っぽく扱っているPOPだなあと思わずにはいられない・・・。
連載時は子供でも読めるように、という配慮があっただろうけれど、やっぱり読者は大人を想定していたでしょうに、本になったら帯の背の部分には「児童文学の新たな金字塔」と書かれていました。つまり、「児童文学」扱いに。むむむ、そうんだろうか。私は川上弘美の作品をさほど読んでいないので、印象としてではあるけれど、彼女の文体、作品は児童文学的な要素があり、明度が高いとでもいうのか、文章に空間があるというか、呼吸をしながら読めるというか・・・。そこが児童文学的であるといえるのかもしれないけれど、むむむ・・・「児童文学」なんだろうか。設定がファンタジーでもあるから?

何だと児童文学で、何だと(大人の)文学なのか、と。そのあたりの区別が私にはなかなかつかなくて。

本にありがちな「あとがき」がないため、川上弘美自身がこの作品をどう考えているのか、これからの、彼女の発言を後追いするしかない、とも思います。まあ、巻末に「単行本化にあたり大幅に加筆修正しました」とあるので、本は本、新聞小説とは異なるあたらしい命と思うべきなのかな。
Commented by olive oyle at 2012-05-24 09:35 x
「飛ぶ教室」、懐かしい!

ケストナーの本ですよね。子供のころケストナーの全集が家にありました。トリヤーのシンプルな挿絵と相まってとても印象に残っています。
ケストナーの話では「点子ちゃんとアントン」も好きでした。

ケストナーのお話は児童文学とジャンル分けされますけど、でも内容としては大人が読むにも耐える話しだとわたしは思います。

富裕層の家では子供はお手伝いさん(ナニーさん?)に預けて親だけで社交に出かけるとか、寄宿舎を管理する人は「舎監」というとか等等・・・ケストナーの本でいろんなことを覚えました。もう一度読みたくなってきました。
Commented by eastwind-335 at 2012-05-27 06:30
olive oyleさん、こんにちは

うわー、ケストナー全集がご自宅にあったなんて、うらやましい~。我が家は原則図書館で、だったのでした。点子ちゃんとアントン、飛ぶ教室ともに現代的な視点から再映画化されています。児童映画ですけれど、なかなか私には面白かったです!
ケストナーのみならず、オトナが読むにも耐える本は何冊もあるのですけれど、人間の普遍をてらいなく描いているからだなあと思いました。作りこみすぎている最近の児童小説(甥に贈ろうと、一時、良本の21世紀の児童文学を探そう!と立ち読みを続けたことがあります)からすると、古典といえる児童文学は今の子供には物足りないようです。一度甥に「本当に面白いと思える作家は、子どもの時に同じ本を読んでいるから、読書歴を注意してごらんなさい」と言ったことがあります。本を読まずに作家になったと豪語する若手作家もいますが、時代性はあっても数年して読み返して本当に面白いのかなあ、と思うこの頃です。
あ、ケストナーは大人向けの推理小説(軽めですが)もあります。とても粋な感じです。
Commented by eastwind-335 at 2012-05-27 06:37
olive oyleさん、追記です。
私は実は「飛ぶ教室」の様々な日本語訳を持ってます(笑)。前世紀の女としては高橋健二訳が一番落ち着きますが、21世紀は池田香代子訳なのかも、と思ってます。
それから、「旅の思い出08ドイツ」でケストナー博物館に行ったことも書いてあります。よろしければどうぞ・・・。
・・・・と書いて、自分が書いたものを読み返したら、なんと、その時のケストナー博物館での特別展には、この「七夜物語」の著者である川上弘美さんの本が展示されていた、と自分で書いてました!
うわー、相思相愛ってことこと?と4年の時を経て思うワタクシです。
Commented by olive oyle at 2012-05-29 12:47 x
ご紹介いただいた「旅の思い出08ドイツ」、2回流し読みしたのですが、ケストナー博物館に行かれた記事がわかりません。ごめんなさい。どこにあるのでしょう?読んでみたいんです・・・。
Commented by eastwind-335 at 2012-05-29 19:25
olive oyleさん、こんにちは。
ごめんなさい。ダラダラした旅行記ですので、わかりにくかったことでしょう。
この旅行記のタイトルとしては「(18)ケストナーさん、こんにちは」となります。URLはhttp://ew335.exblog.jp/7528937/となります。
館内の写真は取れませんでしたが、とても素敵な博物館でした。
よろしかったらどうぞ!
Commented by olive oyle at 2012-05-31 09:47 x
ありがとうございます。(18)にまで行き着いていませんでした。ごめんなさい。

そうそう、アントンが玉子焼きを作ってあげるんですよね。貧しいからいつも小麦粉で量を増やすんでしたっけ?ああ、もう一度読みたいです・・・。あの挿絵も好きなので、場所を取らなければ全編手元に残したいですね。
Commented by eastwind-335 at 2012-06-03 12:28
olive oyleさん、こんにちは。
つたない紀行文も読んでくださりありがとうございます。
ケストナーの本は文章と挿絵がマッチしていて、いいですよね!
by eastwind-335 | 2012-05-24 07:08 | Books | Trackback | Comments(7)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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