イイモリさん

私たちが東西ローマ帝国訪問中の頃、私の両親もまたヨーロッパを個人旅行中でした。
ドイツ好きな娘のためにフランクフルトで買ってきたのがこちら。
父が「東風ちゃんのためにイワシ買ってきた!」とお迎えの車の中からすでに興奮気味に話していたので、私は「アンチョビかな」と思っていたら、手渡されたのはこちら。
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ジャガイモの付け合せもついてます!029.gif
「ね、ね、かわいいでしょ?ホンモノみたいでしょ?でも職場で3時のおやつにするんだったら、相手を見て(わかってもらえる人に)渡すのよ」と念押しをする母。
父曰く、ドームの左側にあるチョコレート店で見つけたのだとか。
なぜか、イギリスのチョコも・・・。

そして、母からは「これも持って帰ってね!イイモリサンのなの」と。
父も「イイモリサン、知ってる?行ったことある?」と。
きょとんとした私に、「フランクフルトでケーキ屋さんをやっている女性だ」と。
「知ってる、知ってる!お店の中は入らなかったけどドームの近くで、美術商の並んだところを過ぎたあたりよ。通りの右側」と答えながら、私の頭の中には、3月の薄曇りの午後のあの通りが浮かんできます。
両親は私が多分そこを知っているに違いない、と思っていたそうで、「やっぱり、知ってた」と妙にうれしそう。

a0094449_17242650.jpgこちらの「メレンゲ」、実家とはんぶんこしました。お店ではイイモリさんとお話をしたそうで、とても素敵な女性だったと両親べた褒め。さぞかし、両親は質問攻めにしたことでしょう・・・008.gif。私は海外に行った時には「日本のお店には行かない」が原則なのですが、ここは両親から強く勧められたので、次回フランクフルトに行くときにはぜひ伺おうと思ってます。


a0094449_17261023.jpgこのほかにも、フランスでファーマーズマーケットに遭遇したとかで、フルーツケーキも買ってきてくれました。私もよくこの手のお土産を両親に渡すので、今度は二人の番と思ったようです。


なんていう、東風家的にはよくある、これから数か月に及ぶお互いの写真を見せ合っての報告会の前哨戦だったのですが037.gif、そこからの両親の告白タイムがスゴいことに!




うちの両親、バチカンからの帰りに地下鉄に乗車したおり、スリに遭遇したのです。
母はなんとも哀愁ただよう目つきの赤ちゃん連れの非イタリアンの小柄な女性(母と同じぐらいの背丈だった様子)と向き合うように立ったのだとか。赤ちゃんの脚が母のおなかのあたりに当たるので困ったなあと思いつつも、無碍にもできずにいたそうです。席が空いた時には、その母子に座るよう身振りで勧めていたのでした。
でもその女性は「Next station」といったので、母があらそ、と思っていたら次の駅に。
すると、「いい加減にしろっ!」といつもの父からは絶対に聴くことのできない口調が聞こえ、イタリア女性の女性の肩をがっちりつかんで下車し近くの壁にドン!とぶつけたのだとか。
母も慌てて下車します。
周りもやいのやいの言い出し、父は絶対に逃すまいと腕を外さないように、と壁に押し付けたら観念した女性はお腹から何かを投げつけ、母のそばにいた母子と共に走り去ったのだったのだとか。

投げつけた物は父の財布でした。
幸いにもお金もカードもあったので、被害ナシでした。
傍にいた人たちが母に「あなたは大丈夫なの?」という雰囲気で話しかけるので、母もファスナーが閉まっていたとはいえ財布とパスポートを確認。

セーターを片手にかけた女性が、混んでいるとはいえ、不自然に体を押し付けてくるので変だ変だと思ったのだそうです。で、やめてくれ、と言おうと思ってふと下を見ると、鞄のファスナーが開いている!

父は、以前、パリで新聞を持ったロマの子たちに囲まれて、手前ポケットから小銭入れを掏られそうになったところを上から手で押さえたことがあったのでした。押さえられた方はびっくりして即座に手を引っ張り出したそうです。パリでポケットに財布をいれてたなんて!と母に叱られたことは言うまでもありません。そんな経験もあり、以来、気を付けて旅行をしています。ですので、ファスナーを見て、そして、コイツだ!とその女性が犯人と思ったそうです。

父の迫力にはすごいものがあったそうです。うちの父、道理に背くような行為に対しては相手の区別なく非常に厳しいのです。そんな父から掏ろうとした彼女、見る目がなかったなあ・・・。しかし、これは女性で、変な道具を持っていなかったので父は無事に事故なくすみましたが、聞いていてこちらがドキドキしました。

それにしても、母は混んだ地下鉄に父に急かされるように走り乗ったのが原因だと思っていたのに、父ときたらケロっとして「あ、次の地下鉄が来たよ!」とこれまたそこそこ人がいる地下鉄に乗ろうとするので、母、プチ切れ。「本当にパパったらねえ・・・」といいつつも私が何事もなくてよかったと喜んでいたところ・・・

「それがねえ・・・」

それがねえ?
母こそが被害者になっていたのでした。
赤ん坊の足元が当たるので困惑していた母、バッグのファスナーはちゃんと閉めていたのですが、いつもはお腹側にしておくポケットを外側にしていたのでした。そこには、母の友達が作ってくれた刺繍入りの小銭入れが。旅行前に持ち物の相談を実家でされたとき、母が「ちょうどよい大きさで便利なのよね」とお気に入りである話をしてくれたところでした。トイレは有料のところが多いので、トイレの近い母は小銭が取り出しやすいように、ポケットに小銭入れをいれておいたのだとか。
その小銭入れをスったそうです。
気付いたのはホテルに戻ってから。すごく母は落ち込み、また、女性の表情が目の前から消えず、しばらく旅行をしていても楽しくなかったとのこと。

実は私、数日前に「私達、バッグを斜め掛けにしなかったけどスリにあわないで平和な旅ができたよね。あんまり構えすぎるのがいけないんだよね」と家人に言ったところ、家人から「偶然会わなかっただけ」と猛省を求められていたのでした。まさか、両親がそんなことになっていたとは・・・。

追記:今回、両親、特に母のショックは大きかったのですけれど、一方で、母が車内で被害にあったことがわかったら、父は母のことで頭がいっぱいになり、父の財布は持っていかれてしまったに違いありません。娘としては、母のお友達が作ってくれたお財布が守ってくれたのね、と思うのです。
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by eastwind-335 | 2011-10-17 13:39 | 日常 | Trackback | Comments(0)

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