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蛇足とはまさにこのこと

この頃、我が家のテレビからは韓国語ばかりが聞こえる、と家人から注意が。
じゃなかったら、英語でも家人があまり面白くないと思っている警察系もしくは科学捜査系のドラマだったり。私が好きな「クリミナル・マインド(昨日のリード役の俳優が監督した話はすごくよかった~)」は、家人は第一、二シーズンまで出ていたギデオンがよくて、今出ているロッシは苦手だとか、NCISももちろん本家のギブスは二人とも好きなのですが、家人は私が好きなスピンオフであるLAのほうがつまらない、だとか、とにかくシリーズ化されているものについての意見がほとんどあいません。
ということで、二人で一緒にテレビを見るのは夜のニュースぐらいになってしまいました。

そんな昨晩、偶然つけたらヲウヲウで「オーケストラ」という映画をやっていました。
フランス映画なのだけど、ロシアのオーケストラが舞台。
私自身、これは劇場で見たいと思っていたのですが、時間が合わなかった映画。家人もさそってみることに。
この映画は、ボリショイ交響楽団を騙ってパリでコンサートをするまでのすったもんだ、と一言でまとめれば言えるのですが、その背景がすごくすごくすごく複雑、かつソ連から現在までのロシア事情をうまく練りこんである、笑いながらも現代史がお勉強できちゃうという、作りが上手い作品でした。

いや、ホント、家人と大笑いし、最後ワタクシはうっすら涙目(感動のためです。 念のため)。

もともと主人公アンドレイが指揮者として率いていたオーケストラは、ユダヤ人もいたりして、それが30年前にある事件をきっかけに解散させられた、という背景があったり、今は特にロマの問題もあって・・・。このところ家人は東欧やロシアへのおでかけが続いているので、その辺は詳しく映画をみながら解説してもらいました。私と家人は6歳年が離れてますので、私がおぼえていること(ブレジネフの眉毛の太さ、彼の葬儀中継など)を家人は、もっと具体的なこととしてその背景や関連する知識を受験勉強で学んでいたということがわかりました。
二人ともこの映画の一つのキーポイントである「ユダヤ人迫害」について、この数年の一人旅を通して知ったことでしたので、なおさら興味深く映画を見たのでした。

チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を演奏する、という触れ込みで、30年一度も音合わせをしたことのない(そして本番まで「諸事情(これがまた笑える)」によりできない彼らが、彼らを結ぶ一人の人物につながる、彼らの過去の清算ともいえる存在とともにうまく演奏できるのか・・・。

かなりきわどい風刺もあり、家人が「これ、ロシア人監督が作ったとしたら、ちょっとヤバいかもね」と言ってました。私はユダヤ人監督が作っただろうなあとは思ったのですが、監督はルーマニアから亡命したユダヤ人。ある意味、すごくシビアに冷静にそして愛情をもって自分の同胞を描いていると思いました。

ということで、夫婦二人で珍しく意見の一致する映画だったのです。
それが終わり、チャンネルを変えようとしたら、その映画の解説があるとのこと。続けてみました。

うーむ・・・。
家人が「蛇足だな」とばっさり切り。プレスシートの受け売りとしかいいようのない内容。家人はロシアや旧ソ連邦でいわれなきことからチト怖い目にもあっているし、反面、親切にもしていただいているので、テレビに向かって真面目に反論しておりました。

ま、そんなこともありましたが、6月10日には再放送をしてくれるそうなので、我が家では録画決定!となりました。いや、何度見ても発見がありそうだわ、この映画も。
Commented by himekagura at 2011-05-15 23:24 x
その映画、録画しました。なんとなく前に映画のHPを見て、見たいなあと思っていたので、、。東風さんのブログを読んで、見るのが楽しみになりました。
Commented by eastwind-335 at 2011-05-21 10:31
himekaguraさん、こんにちは
お返事遅くなりました。
録画なさっていらしたのですね。ぜひぜひお楽しみください。ホント、大笑いしながら最初は見てました。あれぐらい自分のオリジンを描くことができる監督のユーモアとアイロニーセンスにユダヤ人にある何かを見たような気がします。
by eastwind-335 | 2011-05-15 09:29 | 映画 | Trackback | Comments(2)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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