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最終日にすべりこみ

今日は午後から急に忙しいことに。
行こう行こうと思っていた美術展、今日までだった、とお昼ご飯を食べている時に気づいたのでした。
まずは図書館へ仕事関係の調べものに。
最寄の公立図書館には所蔵されていない本のため、都税回収を兼ねて広尾の都立中央図書館へ。乗り継ぎほかが良ければ、我が家から30分余り。

ツイてました!30分ほどで到着。調べたいことははっきりしていたので15分で用事完了!

次に向かうは美術館。えーっと、まずは渋谷に出て・・・と急ぎ足で有栖川宮公園を駆け抜けようとしたら・・・

うわーあ、きれい!
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思わず足を止めてしまいました。
お兄さんたちに負けじと持ち合わせていたカメラで撮影開始・・・・。私のコンデジ、デジイチのお兄さんたちの思いシャッター音に負けてます・・・く、くやしいー(え?)。気づいたら30分近く経っていました。
でも、本当にキレイだったのよ。それに、香りたかく、離れたくなくなりました。
おまけにカメラをいじっていたら、偶然、私がやってみたかったことができる状態に!
最終日にすべりこみ_a0094449_21485941.jpg最初は毎度おなじみぼんやり写真

最終日にすべりこみ_a0094449_2150921.jpgだんだん、ピントをいつも以上に自分の合わせたい位置に合わせ、露出もダイヤルで変えていくことができるようになって・・・。

悔しいのは偶然そうなったので、この機能を再現させることができないのです・・・とほ。
うれしくなって、こんなのとか
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これなんて、ついつい、実家の両親にも送ってしまいました(おほほ)。自己満足の極みですね・・・。
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さて、あまり土地勘のない広尾。地下鉄だと恵比寿で乗換でチト面倒。確か、東京ER(都立広尾病院)あたりから渋谷行のバスはあるはず・・・と天現寺へ急ぎます。
歩道橋から眺めると、あった、あったバス停が!それほど待たないうちに次の渋谷行が。

目的地世田谷美術館まで、常識ある方だったら田園都市線で行くのだと思います。けど、用賀から徒歩17分って・・・・。散歩道としてサイコーらしいのですが、そんな寄り道したくなるようなところ、閉館時間から逆算したら歩けません(汗)。ということでバスにのっておでかけ。

バス(田園調布駅行き)も待つことなくすぐにやってきました。が・・・私バスの中で寝てしまった様子。途中で起きた時には「あれ?ここ?どこ?」状態に。お隣のオクサマに伺ったらまだ先とわかり一安心。しかも、車窓から見える風景に、来たことある道・・・と気づきました。知り合いの牧師先生が引退される前に教会をもっていらした地を通り過ぎたのでした。
なんか今日は勘が冴えていて、渋谷から30分ほどバスにゆられてついたバス停からも迷うことなくすんなり到着。

至福の時を過ごしました。100歳を迎えようとするこの彫刻家の作品展です。都内では初めてだそうですよ。
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この佐藤忠良氏、私の高校時代の美術の教科書をつくった方でもありました。
中学の時は美術の教科書なんてつまらなくて、つまらなくて・・・だったのに(でも、必ず期末テストには教科書から出題された)、高校はテストがないのに教科書を端から端まで「読んだ」のでした。
まるで目の前で語っているような臨場感のある文章で、作品ができるまで、または作品紹介、批評、美術作品とはなにか、美大に進むとどういうことを学ぶのか、などなどが記されていたのでした。
世の中の「形の美しいもの」の例としてマッキントッシュの椅子を知ったなあ・・・。
そして、美術家と雖も、本当にやりたかった分野には進めないことがあること。その代りに始めた分野で身を立てることがあるという事も知りました。

小学生の頃、「こういう感じの大人っていいな」と思ったのが女優の佐藤オリエさんだった私には「えー、あの女優さんのお父様?!」とびっくり。
それだけではありません。あるとき、フラっと入った近所の公立美術館での若手作品展で見て以来気になっていた彫刻家の舟越桂氏のご尊父保武氏(こちらも日本のカトリック教会のマリア像などで有名。私はまだ実物は見ていませんが長崎の26殉教者も保武氏の作品)と、佐藤氏は同人であり、長らくお互いを支えあってきたよきライバルであったこともNHKのドキュメンタリーで見ました。
「桂氏のご尊父のドキュメンタリー」のつもりで見るはずだったのに、二人の友情物語が中心であり、なんだかいろんなことがパタ、パタ、パタ・・・と結びついたのでした。素晴らしすぎる。好きな彫刻家がこうやって結ばれていくことへの思い。すべてはもうすぐ100歳を迎える佐藤忠良氏から始まっているのです。

今回展示された作品は30年近く前に教科書で見たものもあれば、それ以降の作品もあり、ああ、この作品作りを一から解説したページがあったなあ、とか、ブロンズ像の作り方をあの教科書で知り、それは衝撃だったなあ、とかいろいろ思い出すことが・・・。
私は高校生になるまでそんなステキな美術の教科書に出会えなかったのですが、実は彼は小学生向け、中学生向けの教科書も作っていたのでした。今日の美術館の解説によれば、採用する学校は少なかったそうですが、あんなステキなそしてわかりやすく作ってみたくなるような、彫刻家の活きた声が聞こえてくるような教科書だったら、私も「どーせぶきっちょだもん」と投げ出すことなく図画工作に取り組んだかもしれません・・・。ああいう教科書を採用する小学校って意識の高い所だったんだろうなあ~どこだったのかしら?

さて、彫刻家としても有名ですが、彼は私たちが幼いころ読んだ絵本の挿絵も書いてます!福音館書店の「大きなかぶ」とか「雪むすめ」とか。今見てもとっても新鮮!
巡回展じゃないので、図録は売り切れ、増刷なしとのこと。あーあ、残念。絵葉書の扱いもないそうです。心のノートにはペタペタ貼ってありますけどね!
宮城県立美術館には彼の作品がたくさん所蔵されているそうなので、いつか行ってみようと思いました。場合によっては日帰りできそうだし?
by eastwind-335 | 2011-03-06 20:24 | 日常 | Trackback | Comments(0)

東風のささやかな毎日のささやかな記録


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